その他にも、ワイン全般に関する解説書、全書、また地図をメインに据えたアトラス本等々については、前出の3名以外の方による本もたくさんあります。さすがにこの手の洋書となると大部な本が多く、いわゆるワイン評価のガイド本と違って、ちょこっと必要なところだけ読んでリファレンスするだけ、と言うわけにもゆかず手を出しにくいでしょう。普通こういう部分は、できれば日本語の本に任せたいところですが、この様に詳しい本になりますとそれが無く、むしろ洋書にこそ良い本が多いのが、悩みでもあります。英語があまり苦にならない方には、以下は大変お勧めの良い本です。(私も買ったけど、実は眺めるだけが多くて、あまり読んではいないのですが、、)
The Oxford Companion to Wine
"Wine Spectator"にもコラムを書いているメガネおばさん、J.Robinsonさんが監修したワインに関しての百科事典。何しろ厚くて重い本で、ページ数は千ページ余りあります。
間違ってはいけないのが、この本は事典ですので、各作り手などのここはお奨め、という風な記述は一切ありません。ですから、厚い本の割には、有名な作り手などの項は、一応ありますが非常に簡素なものです。例えばDRCはたったの2行です。
そのかわり、ワインに関してのその他の情報は充実していて、通常世界から全く無視されている日本のワインについても、JAPANの項で3ページ以上について記載されています。
つまり、こと店頭でワインを選ぶには殆ど訳に立たない本ですが、ワイン全般について調べ物をする場合などに、絶大な助けとなるでしょう。ただ、私のような普通の人がこの本をどれだけ活用できるかは、ちょっぴり疑問です。
The New Sotheby's Wine Encyclopedia
ワインのオークションも扱っている世界的なオークション会社、サザビーズが出しているワインの事典です。サザビーズのワイン部門と言えば、セレナ・サトクリフが有名ですが著者はTom Stevensonと言う人です。世界中のワイン産出地域に渡って、各地域のワイン特徴などの詳細な解説、主要作り手の紹介などがなされています。全600ページです、比較的厚い本と言えます。
地図も結構豊富で、その地域の特徴を知るには良いでしょうね。ちょっと面白い所として、各地域の最後に"Auther's Choice"として、その地域のお勧めの作り手とワインとその解説を載せてあります。
The Bordeaux Atlas
ボルドーに限定した、詳細な各シャトーの百科事典と言えます。「アトラス」と名前が付いています通り、地図も他の一般のアトラス本に比べれば、遙かに詳しくなっています。
and Encyclopedia of Chateaux著者はHubrecht Duijkerと言う人です。ブロードベントさんの名前も並記されていますが、こちらは恐らく監修だけ(実質的には名前を貸しただけ)、でしょう。ページ数は、400ページです。
特に一級シャトーや、その他幾つかの有名シャトーの部分では、所有畑の詳細な地図が載せられています。例えば、サン・ジュリアンの、三つのレオヴィルの畑がどの様な配置になっているかが、完全に把握出来ます。
こういう畑の詳しい情報は眺めていて面白く、興味尽きることがありません。そう言う意味ではボルドーファン必携の本と言えます。
ただ、残念ながら詳細な地図が載っているシャトーがかなり限られていること、それと、地図の色分けの色が非常に微妙で、とてもわかりずらい事、が難点です。