xiphioのワイン雑記帳
ワイン特集雑誌&ムック本総まくり(98年冬編)
前回も書きましたが、取り上げているのは一般雑誌のワイン特集号および、単発のワイン関連雑誌ムック本等です。ワイン専門の雑誌については、私の別ページをご覧下さい。
意味無いからもう止めようと思いつつ、また書いてしまいました。98年の12月末までに出たワイン特集です。
「ボルドー&ブルゴーニュ、いま飲み頃、いま美味しいワインは?」
Penも割とワイン特集の多い雑誌ですね。いつも、(例えばブルータスの様な)それほど密度の濃い特集記事にはなっていないのですが、それなりに割り切り方がきっちりしていまして好感がもてます。
Pen1月号
TBSブリタニカ(¥490)今回は、全面的にパリのホテル、リッツの元シェフ・ソムリエのジャン=ミシェル・ドリュック氏に依頼して書いてもらった記事です。
メインの内容は表題にも有るように、「お薦めワイン」として、ボルドーのシャトーを9つ、それとブルゴーニュのお薦めドメーヌを8つ、取りあげて案内しています。良くも悪くも、その元ソムリエ氏の意見やお薦めですので(恐らく仲の良い知り合いの所ばかりでしょう)、こちらとしても有る程度納得の上で読めます。
ちなみにそのドリュック氏は、「シャトー・オンライン」と言うホームページを作っている様です。
「1999年、ワインに何が起こるのか!?」
こちらも毎度、ブルータスのワイン特集です。今回は上記表題の題目で、ワインショップとワインを飲むお店の、現在の最先端を探すのがメイン企画になっています。そういう意味では、Meetsの傾向と似ていますね。
Brutus1999、1/1.1/15合併号
マガジンハウス(¥550)私は地方在住なので、(恐らく今後も)そういう所からは買わないだろうし、ワインバーも知り合いの所にしか行かないでしょうから、あまり真剣には読んでいませんが、ワインが若い方々を含めて充分ポピュラーなお酒になった事を感じます。
その他は「川島なお美のワイン日記帳」が10ページ近く。これもまじめには読んでいません。個人的好みで言いますと、川島なお美さんは、車だん吉さんとお笑いまんが道場やってた頃が、いちばん素敵だったと思います。
柳忠之さんが書いています、ミッシェル・ロランさんや、センツベリーやカレラのオーナーなどの有名人に取材した記事はやはり興味をひきますね。でも今回は、それまでと比べるといくらか情報量としては少な目かなって気がします。
それからどうでも良い事ですが、「10万円の試飲会」と言う題になっています、パーカーさんの「パーフェクト・ワインテイスティング」の記事に、パーカーさんと川島なお美さんとの写真が載っていますが、この写真は嘘ですね(この写真は別の会の時の物)。まぁ「どうせ、わかりゃしねーよ」と言う事なんでしょう。
ワイン王国、Vol.1
何と、料理王国の別冊としてこのワイン王国なるムック本が出版されました。読んでみての率直な感想から言いますと、「料理王国別冊」の肩書きに拠る期待は少々はぐらかされた感は有ります。(少し読んで、巻末のスタッフの覧に斉藤さんの名前を探してしまいましたが、やはり無かったですね!)
別冊、料理王国(¥1300)メイン企画は表題通り、千円から3千円のワイン300本を集めてのテイスティングですが、前にもどっかに書いたかも知れませんが、常々私はこの手の「安くて美味しいワインを探せ」の企画には、殆ど意味がないと思っていますので、まずは無視します。
とすると、あとは葡萄品種を取りあげた記事を筆頭に、どうも中途半端な内容の記事が多いように思います。
もちろん、山本先生が書かれたDRCのワインについてのページはしっかりした物ですし、その他興味深い項も有ります。中でも、やはり巻頭のM.ブロードベントMW(この方にはマスター・オブ・ワインの称号はとりたてて必要ないかも知れませんが)の文章は、内容自体は初心者を対象としたどうという事の無いものなのですが、やはり読んでいて、どこか!、本当に!、とても良いですね!!。
「あなたは(敢えて言えば)どういう人になりたいですか?、1:R.パーカー、2:H.ジョンソン、3:M.ブロードベント」、、と来ますと、私はやはり(3)です。(1)の方、居ます?。
先のページにも書きました、英国出版のWineと提携しています、Wine Magazineと言う季刊の雑誌です。(一応月刊Hotel別冊となっている)
Wine Magazine Vol.2 & 3
オータパブリケイションズ(¥1200)秋と冬に2号と3号が出ました。No.2がシャンパンとスペインについて、No.3がオーストラリアとボルドーのシャトー訪問について、がそれぞれ特集記事になっています。
2号、3号と読んでみて、この季刊雑誌も、だんだんワイン専門雑誌としての体裁を成してきたな、と思いました。
依然と、創刊号でも批判しました、竹中充さんと葉山考太郎さんの受けだけを狙ったページは健在ですが、後ろの方のそれも併せてたった4ページですから、題だけ見て読まなければそれで良いわけです。(それでも、あれだけ書けると言う事は、エキスパートで有る事に間違いなのですが)
また相変わらず、女優と有名ソムリエの対談とかの、(個人的にですが)「(ワイン専門誌としては)何の意味が有るっちゅーねん」と言いたくなるような項も有るのですが、メインの特集が有る程度しっかりしている事と、そして何より、ヒュー・ジョンソン、アンソニー・ダイアス・ブルー、クライブ・コーツMW、スティーヴン・スパリュア、ジャンシス・ロビンソンMWら各著名ワインライター達のコラムが非常に魅力的であることが、この雑誌を大変強く特徴づけています。
「今宵もワインで、気分上々」
先にdancyuのワイン特集ムックが出てましたが、これはその2弾です。書店で見かけた時は、「今宵もワインで気分上々」と言うタイトルに気後れ(?)して、買うのをためらったのですが、読んでみるとこの手のムック本にしては、なかなか良い内容になっています。
dancyu 別冊 ワイン PART2
プレジデント社(¥1100)これで2冊目と言う事で、一部によりつっこんだ内容を盛り込む事が可能だった為でしょう。
内容は「よくわかるフランスワイン」「感動できるイタリアワイン」「ワインが楽しく飲める店」「日常ワインの悦び」「休日はスペインワインで楽しく情熱的に盛り上がる!」その他、シャンパンやオーストラリアワインの事等々、結構幅広くて、例によって「またぁ?」と思うよう内容は多いのですが、一部記事を柳忠之さんや山田健さんらが書いていまして、「写真だけで内容の無い特集」にはなっていないところが良いですね。
世界の名酒事典’99
今年も出ました、年末恒例の世界の名酒事典です。創刊20周年とありますね、私は創刊号からではありませんが、もう16、7年は買っているでしょうか?。本みたいなものですが、毎年でますので、ここに載せました。
講談社(¥3,800)洋酒全般の事典ですが、ワインは種類が多いので約2/3がワインにさかれています。基本的には、インポーターがリストにのせているワインだけなんですが、そこは世界のどこからでも探してくる日本のインポーターです、「世界のどんなところに、どんなワインが有るのか?」を見て知るには一番の本です。
最近のワインブームでワインのページが増えまして、以前に比べて対談などの記事の部分がかなり減りましたね。それでも「良く売っているワインだけど、この本に載っていない」と言うのは結構有ります。スポットで入っているのなんかには対応できないかも知れませんが、そうでなくても載っていないのも結構有るみたいですから、もう少しがんばって網羅してくれる様に希望します。(作っている方は毎年とても大変みたいですが)
カタログ部分以外は、山本博さんのコラム程度になっています。この5ページに渡る「ワイン元年、ニッポン」と題された文を大変楽しみにして読んだのですが、期待していたわりには全体として割と散漫な内容で、今ひとつまとまりに欠けるように思えましたが。
最近日経BPより良く似たコンセプトの「世界ワイン大全」なる本が出ていまして、私も買うべきかどうか、暫し書店で見てみましたが、この本、何年か経って改訂を繰り返すと良くなるのでしょうが、現時点では結構雑で買う価値無しとすぐさま判断しました。日経BPのこの手の本は全て雑な作りが目立ちます。