2000年1月 今月の印象に残ったワイン


ついに二千年ですね、、と言っても、これを書いているのは三月でして、そんな感慨もかなり薄らいだ頃ですが。(遅くなって申し訳ありません)

ラベル画像は取っていたのですが、一月分のテキストを書くのをかなりサボっていまして、既に記憶で書くには、ちょいつらい状況です。メモを書いてあったのは、それを読みながら書きましたが、66のミッションの様に、「とても良かった」としか書けないのも有ります。その点はご勘弁下さい。

さて、お正月と言っても、私の所は別段大して変わりはないのですが、まぁ元旦だけは、年中で唯一、「昼間から家で飲んでいられる日」であります。そんな訳で飲みました、ひるまっから、、、

昼から家でゴロゴロしながら飲むのは、シャンパンが一番お似合いですよね。と言うわけで、

Veuve Clicquot "La Grande Dame" 1990

です。

ワイン(高級なやつに限りますが)は、日本でも、世界的に見ても高くなりましたが、シャンパンの価格はあまり変わらないですね。と言うか、ドンペリなんかは日本の安売り酒屋で買うのが世界一安いんじゃないかと思うくらいです。

当然ながらグランダムは美味しかったです、と言うより気分の良い贅沢な午後でした。こういう日があと何日かあればよいにぃ、、と生来怠け者の私は思うのでした。




Volnay Premier Cru 1993
J.-F.Coche-Dury

コシュ=デュリと言えば、それはもうブルゴーニュ白ワインの世界では、雲上の輝ける星の様な物で、賛美の評は後を絶ちませんが、生産量も多くないし、それも何より余りに高いので、私などは一度も飲んだことが有りません。(正確に言うと、店頭で売っているのも見たことがない)

さてそんな私が96年秋に見つけたのが、このコシュ=デュリの赤ワイン。いやぁ、有るとは知っていたのですが、物を見たのが初めてなので、単なるヴォルネイ・プルミエクリュにしては高い値段と思いながら買ったワインでした。数年経ってやっと開栓です。

開栓時の香りはとても良い、期待を持って飲んだけれど、「まぁ、こんなものか」って感じでした。しっかりとした作りのようには思うのだけど、素晴らしいブルゴーニュにある複雑さには欠けるかな、とも思えます。よく言えば平明で美味しい、悪く言えば単純(ワン・ディメンショナル)と言えます。

まぁ、単なるヴォルネイ・プルミエクリュですからこんな物かも知れません。確かに良くできていますが、何だかUSAのピノの様な気がします。




Ch. La Mission Haut Brion 1966

ミッションが大好きな私としても、大満足のワインです。やっぱりミッションは良いなぁ。私82以降のミッションはまだ飲んだことが無いのですが、オーブリオンと同じ所有となった、83以降のミッションは、どう変わっているのでしょうか?




Moraga 1994

昨年モラガから手紙が来まして、そこにはワイン・コンサルタントのトニー・ソーターのモラガの各ヴィンテージのテイスティングレポートが含まれていました。

93では「これはまだ飲み頃ではなく、絶対何年か置いておくべき、、云々」とありまして、その1年前に飲んだときは美味しかったので、「そんな事ねーやろ」と思っていたのですが、その後再び飲んだ93モラガがちょっと閉じ気味で、「あらあら、あたってるやん!」と思った物です。

さて、そのトニー・ソーターのレポートには、94は「まだ飲み頃には早いが、今の美味しさに抗して、置いておける者は少ない、、」などと書いてあった様に思いますが、こちらは正に本当で、94にモラガは今美味しいです。私はワインを若い内に飲む事は好みではありませんが、さすがにこの94だけは、これでもう3本目です。今までは何人かで飲みましたが、今回は一人で飲んでみました。

冬なので、飲み始めは16、7度でして、この位だと実はタンニンがかなりあることが判りますね。特徴的なのはそのアフターの甘さ、何というかとってもジャミー(ジャムみたい)、熟した果実の、そのまたそれを濃縮した感じ。で、実はそれを豊富なタンニンと、したたかな酸が支えているんでろうな。明らかなカルフォルニアワインだけど、これはこれで大変素晴らしい。

時を暫くしてのテイストも、特にアフターとして口蓋に残る香り(感覚)がとても特徴的であって、素晴らしい。「凝縮とその解放」と言うイメージです。(何でこれが、RP89なんでしょうね!)




Chambertin Clos de Beze 1983
Madame Pierre Gelin

以前にも飲んで感心したワインの残りの1本。ジュランのワインはそれほど飲んでいませんが、ラッキーなのか、何時もとても印象が良いです。

で、またこのワインは、熟成したブルゴーニュがいかに素晴らしいかを再確認するようなワインでした。最初の頃は少し酸が立っているような気もしましたが、時間と共に感じなくなり、広がりと共にほのかな甘みが出てきて、最高です。

以前友人が「ブルゴーニュこそ充分熟成させなければ、、」とか言っていましたが、その通りですね。(もっとも、はずれも多いけど)