正式な名称は憶えていないのですが、所謂「ソムリエ試験」が今年も行われて、私の知り合いの方も受かった様です。(おめでとう!!)試験の内容を聞いていますと、なんだか色々な知識と経験が必要なみたいで、もし私がそういう関係の職業であって、その試験を受けたとしても、まず絶対受かりっこないと、やはり思ってしまいました。(以前、やはり試験を受けた子に、「どうだった?」と聞いたところ、「かっんたーん!」と軽く返事をしてくれましたが、こういう人は極めて希みたいです。)直接知っている以外にも、「知り合いが合格しまして、云々」と言う話はこの所良く聞きましたが、何時も違和感をもってしまうのは、「、、試験に受かってソムリエになりました、、」とか言うフレーズです。
誰もがご存じだと思うのですが、「ソムリエ」と言うのは職業名で、ソムリエ協会(でしたっけ?)が行っている試験は、国の機関でも何でもないその団体が認めるだけの単なる認定試験だけであって、資格試験でも何でも無いのです。要するに、以前やっていた(今も有るのかな)「一太郎、認定試験」みたいなものです。別に試験が嫌いで受けなくても、ちゃんと仕事をこなしていれば立派にソムリエですし、それで葡萄のバッチを幾つ付けても誰も文句は言わないはずです。
それが、試験に受かれば、「誰々氏はソムリエである」と表現されるのは、如何にも如何にも変な事です。良く「ソムリエの何割かは、スチュワーデスだったりする、、」とか言われますけど、彼女らはスチュワーデスであって、やはりソムリエさんじゃないですよねぇ。その試験に受かっているだけです。
ソムリエと言う職業に大切なのは、人にサーヴィスする為の経験となにより「人間性」でして、細かい知識などは殆ど必要ないと思うのですけどねぇ、、
久しぶりに徳島でワイン会をしました。先に、バロレコレクションのワインを飲ませて戴いているので、そのお返しの意味もあって、その関係の数人でワインを飲みました。
それまでは、どっかのレストランにワインを持ち込んで、、という事をしていたのですが、最近はもっと気軽に、各自宅ですることが多いみたいなので、家でも初めて自宅(と言っても離れですが)でワイン会をやってみました。
ある日曜日の昼前から、食材は殆ど買ってきた物をそのまま出すだけ、と、かなりお手軽な会です。なにせやってるところはセラーのすぐ階下なので、ワインは、メインの数本は決めている物のあとはなりゆきで、、と言う訳で結局こんなワイン達になってしまいました。
Maiden 1995
今や、カルフォルニアのカルトワインの代表格となったハーランの、セカンドに位置するワインがこのメイデンです。一般的な初リリースはこの95からになります。
Harlan Estateエステイトからの知らせでは、メイデンと言うワインを出す、と言うアナウンスだけで、その中身については何も書いてなかった様に思いますが、別の所で読んだ評論には、この95はカベルネ・フランが主体のワインらしいです。
恐らく、アセンブラージュでハーランに選ばれなかった残りのワインをメイデンにしたのでしょう。95と96はカベルネ・フランが多いらしいですが、多分年によってはいくらか違ってくるでしょう。
セカンド扱いとは言え、ハーランです。随分と高いワインでした(送料を入れると簡単に1万円位になってしまいます)。
当然もう飲める物と思い開けてみましたが、ちょっと思惑とは違ってまだ堅い感じで、飲むのはすこし早すぎた感じでした。表のワイン(つまりハーラン)は、豊富な果実味と熟したタンニンとで若くしても飲めるように仕上がっているのに対し、こちらはタンニンも堅くて普通に若いワインって感じになっています。でも良い凝縮感がありますから、セカンドだから早く飲むべし、と言うことはないみたいです。ちょっと変な事ですけど、普通の場合と逆になっていますね。
そう言うわけで、開けた最初の日はあまり楽しめませんでした。飲んだ感じでも、やはりカベルネフランが多いのでしょうか、昔ニュージーランドはストニィリッジのワイナリー内のレストランで飲んだ、カベルネフランのワイン(市販はしていない)に良く似ているなぁ、と記憶を辿りました。
ただ、開けたその日の時点では、堅いと言うこともありこのワインの素性は良く分からなかったのですが、開けてすぐ半分をハーフボトルに移してバキュバンで栓をしておいたのですが、次の日に飲んだら、少し柔らかくなって、何より香りも余韻も広がって、なかなか美味しくなっていました。
流石にハーラン・エステイトのワイン、と言うべきでしょうか、でもそれなりに高価なワインであるわけなのですが、、
Masseto 1993
イタリアのオルネライアが、メルロだけで作るワインが、このマッセートです。生産量が余り多く無いらしく、また評価も何時もトップクラス、と言うことで、あまり店頭では見かけないワインですが、これは東京のお店で買った物。
Tenuta dell'Ornellaia「イタリアのメルロ」と言いますと、最近ではコッタレラの作るワインらが有名ですが、洗練されていてかつ著名であると言うことになれば、まずこのマッセートとあとはアマのラッパリータが有名です。言うまでもなく、共に価格も横綱級です。
普通のオルネライアよりもかなり高いマッセートですが、少ない私の経験の内ではそのぐらいの差は有ると思います。深く魅力的でありながらとても洗練されていて優美、その品位の高さが印象的です。
Puligny Montrachet "Le Cailleret" 1995
先月に引き続いて、コラン=ドレジェのワインですが、どうもこのワインは未だに謎です。
Michel Colin-Deleger et Fils何処が謎かと言いますと、コラン=ドレジェはル・カイユレのワインは無いはずなのです。確かにカイユレの地区に畑は有りますが、それは特別にレ・ドモワゼルと言う畑名になってその名でワインは出ています。この事の詳細については、先月のレポートをお読み下さい。
リストでこのワインを見たとき、「ほんまかなぁ、、」と思って買ったのですが、本当にラベル画像の通りのワインが届きまして、「ル・カイユレも有ったのか、これは珍しい」と思っていたのですが、後で資料を見ても、評論を見ても、ドモワゼルはあるものの、カイユレは全く見かけません。
可能性は2つ。1つは、実はドモワゼルなのだけど、何故だか知らないけど、カイユレの名前で売った。今ひとつは、本当にドモワゼルでないカイユレの畑から作った。ただしほんの少しなのか、一時的な畑の貸与か葡萄を購入したか、等々の理由により、一般的な資料には載らないし、テイスティングの評論にも取り上げられない。
参考になるのは買値です。ドモワゼルは、通常殆ど特級に近い値で取り引きされています。このワインの買値は、他の1級畑のワインとたいして変わりなかったように思います。そうすると後者が有力でしょうか?、どちらにしろ良く分かりません。
で、肝心のテイストですが、さすがに良かったです。全体としてはまだ飲むには早い感じですね。最初は開いて無くて堅い感じでしたが、時間が経つに従ってどんどん良くなってきました。コラン=ドレジェの1級畑物として充分で、フェイク物で無いとは言えると思います。このワインの本当の飲み頃は、あと1、2年先でしょう。