先月も書きましたが、最近は「ワインを買い込む」よりは、「ワインと食事を大切にした会(ちょっと高いけど)に出席」する方を優先していまして、前なら「えー、それならペトリュス買えちゃうぜぇ」と二の足を踏んでいたような、高い会費の会にも、出られるならば心して出席しています。(もし東京在住ならば、逆にいっぱいあり過ぎて困るでしょうが)2月もたまたま所用で東京に用事があって上京した次の夜、銀座のロオジェで会があるとのことで、延泊し初めてロオジェで食事をしてきました。
ワインも全く素晴らしいラインナップで、会費も相当高価なのですが、それを忘れさせるワインの良さ、そして何と言っても料理の素晴らしさでした。
ロオジェが素晴らしいとの話は、何度も聞いていましたが、予約が極めて取りにくい、さすがにそれなりの人とそれなりの格好で行くべき、などありまして、地方在住の者にはなかなか行く機会の無いレストランです。
私はその時一度しか行っていませんが、やはり無理にでも一度は行くべきレストランであると断言できます。インテリアも素敵、サービスは良い方、ですが、料理が何と言っても雄弁です。「フランス料理の真の悦楽」がそこには有りました。
この頃食べる量がとても減って、嫁さんとフランス料理を食べに行っても、最近では彼女に食べてもらうことさえ多いのですが、流石にこれだけ「美味しさ」が詰まっていますと、食べてしまいます。
Au Bon Climat Isabelle 1997
以前からの「噂の」、イザベルを今回初めて飲みましたが、美味しく、素晴らしく魅力的なワインでした。色々意見は有るでしょうが、やはりピノ・ノワールの一つの「形」を見る思いです。同じカルフォルニアですが、時々飲んだ事がある、カレラ・ジェンセンとはちょっと違うかな、と思います。
これまでのピノのイメージよりは輪郭がはっきりした明らかに力強い、収量制限された風なワインですが、全体のバランスはきちっと整っていて、有る意味端正でもあり、それが強い魅力を引き出しているように思われます。
流石に噂だけの事はあります。「イザベル」とはこういうワインだったのですね。もっと早くに飲めれば良かったのですけど、いままでは売っているのさえ、見かけなかったものですから、、
時折あたるブルゴーニュの素晴らしいワインらと比較すると、まだ若いしその広遠な世界はさすがにないのだけれど、こういうピノも有っても良いのではないかと納得していまう所があります。
余談ですが、このイザベルのボトル、一応ブルゴーニュタイプなんですが、異様に厚くて大きいです。DRCなんかも普通のブルゴーニュよりはガラスが厚くて大きめなんですが、更に大きく、普通のワインラックにはまず入りません。空瓶も大層重く、それで肩を叩きながら、これなら充分人が殺せるなぁ、と思いました。
Ch. Ausone 1970
ここらあたりまでオーゾンヌを飲むに至って、「私はオーゾンヌ好きだなぁ!」と思うまでになっています。この70も、やはりえらく素敵なオーゾンヌ。「豊かな」と言うワインではありまあせんが、深くエレガントで複雑です。いろんなヴィンテージのを飲みましたが、何時も印象が同じ様なのにはちょっと驚きでも有ります。(90年以降はまだ飲んでいないので、最近の傾向は分かりません。90年前半から変わってきているみたいですね。)
この70も、この間飲んだ85とそう大差無い印象を持つのは、私の記憶力が悪いせい?、これとも感覚が鈍いせい??
Brunello di Montalcino Vigna del Lago 1990
ヴァル・ディ・スガは大変評判の良いモンタルチーノの作り手ですが、私のような田舎住まいの者には、あまり見かけないワインです。(これから出る97、どっかで買えないかなぁ)
Val di Suga暫く前、"Vigna del Lago"でない、普通のブルネッロが有ったので(確か92かな?)買って飲んでみたところ、期待に反して大したこと無いワインだったので、ちょっとがっかりしたことが有りました(ヴィンテージが大したこと無いから、しょうがないかなぁ)。
"Vigna del Lago"は上級クラスのワインで、このワインは、昔イタリアに行った時、シエナのワインショップで買いまして、後で別便で日本まで送ったものです。
ボトルは細くてすらっと背の高い大変特徴的なもので、本当はボトルの画像も載せたかった所です。でも、イタリアに行ったとき、ポッジョ・アンティコのマダムは、「ブルネッロ・ディ・モンタルチーノのワインには大変細かい規制があって、ボトルにしても細かな規則があって大変。」とか何とか言っていたはずなのですが、何故このボトルはOKなのかと、初めて手に取った時、不思議に思いました。まあ、そう言うところが、「イタリア」なんでしょう。
言うなれば、ミラノ風なスタイリッシュなボトルで、お洒落なのですが、ワインラックには結構こういうワインは邪魔者なので、「んーじゃ、飲んでしまおう」と言うことになります。
で、このワインは本当に素晴らしいワインでした。ブルネッロ・ディ・モンタルチーノの90は結構持っていまして、ちらちら飲んでいますが、今のところコスタンティとこれが双璧です。(カパルッツオのラ・カーサをまだ飲んでいないけど)
コスタンティ90とはちょっとスタイルが違う様にも思います(コスタンティ90飲んだのはだいぶ前ですから、また飲まねば)。どちらかと言えば、このヴァル・ディ・スガの方が私のイメージする、モンタルチーノの素晴らしいワインに近くて、おおらかで、豊かで、広い、でも深さもあるワインでした。イタリアワインって良いですね。