1995年11月 今月のワイン


私の友人の太田君の結婚式の夜、銀座のボンシャンと言うレストランに長らく預けてあった、

ロマネ・コンティ 1966
グラン・エシェゾー 1966

を飲むことになっておりました。もちろん私のワインでは有りません。私が徳島から持参していったのは、

ル・モンラッシェ 1985
ルイ・ラツゥール

です。幾ら最近ワインが安くなったとは言え、ロマコン66ともなれば、どうやっても十万以上はします。このワインの所有者も自分で買った訳ではなく、前居た会社を辞めるときに、退職金代わりに貰ってきたらしいです。

バブル時期に仕入れたワインで、状態はほぼパーフェクト、このワインを一番楽しみにしていたのが、レストランのオーナーソムリエでした。

でも結局参加者が揃わず、相談の後、ロマコンは置いておいて、グラン・エシェゾーだけ飲みました。

で、これが全く素晴らしい。まだまだ元気で、しっかりした構成力、素晴らしいストラクチャー、長いアフター、複雑でヒュージな素晴らしいワインでした。仕立てられた時には並外れた凝縮力を持っていたと思われます。その美質が失われず、やっと花開いた所と言う感じでした。


所で、この原稿を書いている今宵、開けたワインは

シャトー・マルゴー 1970

です。ジネステ家所有のこの時期、1961の後1976までは殆どぼろくそに言われています。どっかのソムリエさんが、80年代のマルゴーをテイストして、(70年代で良いと言われている)1970や1975が酷かったのをもう許してやって良い、とか書いてましたが、一応それがコンセンサスに沿った意見です。

でも、私が2本買ったマルゴー70は保存状態が良いのか、想像以上によくて、半年ほど前に飲んだこの70も良かったですが、今日飲んだのも大変美味しいワインです。見事とも言えます。ただ、シャトー・マルゴーだぁ!、と言う特徴はそれほど感じられません。その点が、作りが少々雑になっていた時期故かもしれませんが、まぁ、これだけ美味しければ、私は充分満足です。