1996年10月 今月の印象に残ったワイン


8月9月のレポートの項に書いた通り、健康の為にも夜一人でワインを飲むのを止めている為、ワインの消費量が激減しました。夕食時に飲めば良いのに、と時折mailを交換しているイタリア人の友人は指摘しますが、わが家は美味しいご飯が主食の典型的な和食、私、白御飯に合うワインを知りません。

そのかのイタリア人は、こちらでもお米はリゾットとしてワインと食べるよ、と言います。それなら私もOKですが、ふっくら炊き上げた大変美味しい白御飯には残念ながらワインを合わそうと言う気分にはなれません。でも御飯が本当に美味しいと思うまでに、私は三十数年かかりましたが、、


10月に飲んだ数少ないワインの中で、面白そうなのは、

Hospices de Beaune
Mazis-Chambertin 1982
Cuvee Madeleine-Collignon

有名なオスピス・ド・ボーヌのワインです。ここでちょっとオスピス・ド・ボーヌについておさらいをしてみますね。


オスピス・ド・ボーヌとは、ボーヌの慈善施療院の意味です。このオスピスは過去から現在に至るまで、葡萄畑の寄進を受けており、オスピスではその所有畑でワインを作り、それを11月の第3日曜日に慈善競売会を開いて樽ごと売ります。そしてその利益がオスピスの運営に当てられている訳です。

樽ごと買い付けた業者はそのワインを適切に管理し、しかるべき時期に瓶詰し、特有のラベルをもって販売します。

上のワインのピクチャーでラベルを説明しますと、上からまず、Hospices de Beauneのワインであること、そして収穫年と畑の名前とAOCが記載されています。その次にキュベ名があります。誰の寄進によるキュベかという名前に普通なっています。そして、その下にあるのが、購入者で瓶詰めした業者です。

このワインの場合、ワインはオスピス・ド・ボーヌのマジ・シャンベルタン1982、キュベはマドレーヌ・コリニョンで、瓶詰め販売業者はルイ・ラツゥールですね。

ちなみに、オスピス・ド・ボーヌの畑は殆どボーヌ地区に有りますが、例外がこのキュベ・マドレーヌ・コリニョンのマジ・シャンベルタンです(シャンベルタンはコート・ド・ニュイですね)。ニュイにもボーヌほど有名では有りませんが、同じ様な「オスピス・ド・ニュイ」のワインが有ります。

このキュベはオスピス・ド・ボーヌの中でも常に非常に高価に落札される様で、ワインの価格も高価なものですが(そもそもあまり見かけない)、何故か82が余ったらしく(ボルドーと違ってブルゴーニュの82は余り良くない年。私の所まで連絡が来たのだから、売れ残ったのかも知れない)買ってみました。

ワインは結構軽めで偉大さは感じませんでしたが、柔らかく品の良いテイストで、なかなか美味しく楽しめました。置いておいてもこれ以上良くなるとは思えず、早く飲んでしまうのが良いだろうとも思いました。