今月は風邪のためにワインを飲めない日がずいぶん有りまして、先月に比べると紹介するワインも少な目です。
ワイン自体は、地元であったワイン会なんかで幾つか飲んでみたりしてますし、またルロアとかの美味しいワインも飲みましたが、グラス1杯飲んだだけのワインや、美味しくて当たり前のワインの事を書くのもあまり気が進まないので、この位になりました。
その「気になる」ワインの事を書いたら、以下のように今月はイタリアとスペインのワインだけになってしまいました。(飲んだ数では、本当はフランスの方がずっと多いのですが)
Brunello di Montalcino, Poggio All'Oro 1990
イタリアはトスカナの作り手、バンフィの1990年ワインが各種手元にありました。そろそろ飲み頃かとも思いましたので、3つ並べて飲んでみることにしました。
Summus VdT 1990
Belnero VdT 1990
(以上全て作り手は、Castello Banfi)
3つのワインは上記表記通りですが、後の2つはVdTワインで、スムス(SUMMUS)はブルネッロ、カベルネ・ソーヴィニオン、シラーの混醸、ベルネーロ(BELNERO)はピノ・ネロ(ピノ・ノワールの事)を用いています。
バンフィ社は非常に近代的な設備と最新の技術でワイン作りをする、なかなか評判の良い作り手ですね。特に、ブルネッロ・ディ・モンタルチーノのポッジョ・アローロはかなり評価されています。(最近はずいぶんと値段も高いです。日本での93のカタログ価格はついに1万円になっています。アメリカなんかでもそんなぐらいで、この価格は内外価格差は殆ど有りません。)
その他、各葡萄を用いて色々なワイン(VdTとなっています)を作っています。以前はスムスなんか余り見なかったのですが、93あたりからよく見かけまして、なかなか評価も高いようですね。上にあげた以外にも赤ワインですと、カベルネを用いた、タヴェルネッレも在るようです。
さて、折角3つ揃ったのですから、最初はブラインドでいっぺんに開けて違いを見てみたいと思いまして、知り合いの方2人を呼んで、3人で開けて飲むことにしました。
紙袋を用意して、まず私が開栓してラベルが見えないように袋に入れます。その後他の方に、更に袋をかぶせてもらって、ブラインドテイスティングとしました。(同じ作り手のワインと言う事もあり、瓶は全く同じ)
グラスに並べて入れましたが、色でピノ・ネロは判ってしまいますね。そしてテイスティング、、でも「え、香りが全然立っていない、、」。どうも温度が低いのが理由のようです。
いつもはレストランなんかに持ち込んで飲むのですが、今回はブラインドでやりたかったので、徳島市内にある私の所のビルでやったのですが、そのフロアは周りが石張り(おまけに一部吹き抜け)なので、暖房を最高にしても全然効いてくれません。ちょっと寒い中でのパーティになっていました。
ワインの温度は15、6度しかなかったかもしれません。飲んだ感じもやはり良く分からなくて、色でピノ・ネロとふんだワインは平板で奥行きが無く、他の2つもなんだか良く分かりませんでした。
残り2つの内、「でもこちらはなんだか特徴がある」と思った方を、スムスと予測して(他の方もほぼ同意見)、袋を取ってみると、、何とスムスとポッジョ・アローロを間違えていました。
「うーむ、まぁこんなもんや」と思いつつも、「さすがにポッジョ・アローロだけの事はあるなぁ」、とこれまた良くわからん事で納得してしまいました。
で、テイストなんですが、そんな風に冷たいうちに飲んでしまって、良く把握できない内に酔ってしまったので、結局の所殆ど印象に残っていません。これでは表題に偽り在り、になっていますね、申し訳ありません。
ポッジョ・アローロとスムスの90は、まだ何本か有りますので、今度はちゃんとした状態で飲んでレポートを書きますね。今回は、こんな風なのやってみました、というだけです。
上記のバンフィのワインを飲んだ後、寒かったのがいけなかったのか、風邪をひいてしまいました。症状は大したことは無かったのですが、何故か咳が2、3週間止まらず、ワインを飲まない日がずいぶん続きました。
Protos Gran Reserva 1989
Ribera del Dueroその後、立て続けに89のワインを3日連続で開けてみました。中でも、一番印象に残ったのがこのスペインワインでした。
ちなみに他の2本は、結構有名なボルドーです。私はどうも若いボルドーは(といっても10年近いけど)最近苦手みたいで、それより熟成感のあるこのスペインワインをより好ましく思ったのでしょう。でも、そうは言っても、まだまだしっかりした色とテイストで、まだ10年はゆうに持ちそうなワインです。
イタリアのワインです。最初このワインを知ったのは、昨年夏、神戸のワインバー「ジャック・メイヨール」ででした。グラスで出していたこのワインを「あら、結構美味しいなぁ」と思って飲んだのです。
BACCIO, I Campetti 1994
Monteregio di Massa Marittima(D.O.C)ラベルを見てイタリアのDOCワインで有ることは判りました、そのDOC名が"Monteregio di Massa Marittima"と言う、全く聞いたことも無い所なのでまた興味が出まして、ラベルのデザインも面白いし結構安いので(3千円以下です)、次の日神戸のワイン屋ベリエで買って帰りました。
「ジャック・メイヨール」の橘さんは、達可さんと言う方と共に神戸でワインショップ「ベリエ」をやっていまして、橘さんとこで出るワインは、売り切れで無ければ、ベリエで買うことが出来ます。
帰って調べてみますと、それはトスカナのDOCで有るようです。林茂さんの「基本イタリアワイン」(TBSブリタニカ)に依りますと、グロッセート県マッサ・マリッティマ辺りで作られるワインの由。赤ワインの主要使用葡萄品種はサンジョベーゼとの事です。
最初ワインバーで飲んだとき、酔った勢いで橘さんに「これはサンジョベーゼだと思う」と大胆にも言い放ったのですが、当たっていた感じです。最も私の場合、そこでの選択枝は事実上サンジョベーゼかネッビオーロぐらいだし、まぁ、当たったとしても、偶然以外の何物でもないのですが、、
昨年夏に買ってから半年、楽しみにしてやっと開けてみましたが、いや、やはり、とても素敵なワインです。際だった深みとか複雑さは有りませんが、決して平板的ではありません。明るい色調に綺麗な果実実と酸がバランスしていて、とてもラブリーでチャーミングな美味しいワインでした。
丁度美味しいパスタを食しながらと飲みましたが、とても良く合って居ました。難しいことは無しにして、気軽に愉しむには最適ですね。イタリアワインらしいとも言えます、個人的にはとても気に入りました。
もし日常的にワインを食事と共に飲む生活をしていたなら、このワインをデイリーワインとしたいところです。変な話なんですが、「ブルータスに紹介されなくて良かった。」と ちょっぴり思ってたりしてます。