1999年初めてのレポートです。この所、毎回遅れ気味ですが、どうか勘弁してやって下さい。
所で、皆さんはワインの感想なんて、どうしていますか?。実は私はワインを飲むときには殆どメモは取らず、後での記憶に依って書いています。まぁ、ですから「印象に残ったワイン」ともしているわけです。
ワインの管理方法の紹介のページで書きました通り、ワインはカードで管理していまして、そのカードの裏側をわざわざテイスティングレポート欄としてあるのですが、最近は全く使っていません。別に香りとか味の記憶力に自信が有るわけでも何でもなくって、単に面倒くさいので書いていないだけです。
私の友人が昔「後日まで印象が残っていないようなワインは、どうせ大したことがないワインなので、メモしても同じ事」の様な事柄を書いていましたが、全くその通りかも知れません。
でも、まだ半月前くらいなら大丈夫ですが、この様に書くのが遅くなって1ヶ月以上も前に飲んだワインの事になると、さすがにちょっと記憶が薄くなっていて苦しいですね。今回も書いていて表現の仕方に困りました。ホームページにこう言うことを書いているからには、幾らかでもメモを書いておくか、それともあまり間をあけずに書くようにしなければなりませんね。
昔ワインを飲み始めて(最初はドイツワインばかり飲んでいました)、それからやがて赤ワインを飲み始めた頃(もう15年以上前ですが)、ノートを買ってきて、明治屋や麻布のナショナルスーパーで買ってきたワインを下宿で一人で飲みながら、(つまり酔いながら)つらつらと1ページぐらいに、買ってきた状況とかからワインの感想について日記風に書いていました。10ページ位書いたところでやめちゃったのですが、なんだか懐かしいですね。
さて以上は、自宅でワインを開けた時の話なんですが、外でワイン会などで飲んだ場合はどうしていますか?。一時期、先に書いたワインカードを持っていって、表に銘柄、裏に感想を書くようにしようとしたのですが、実際に書いたことは殆どありません。ワインは、凄く楽しい物、美味しい物なので、皆と飲んでいる間は、一人ペンを握って自分の世界で「お勉強」する気には到底ならなくなっちゃうんですね。
回りを見ましても(私の知り合いには、超ウィザード級のワインマニアの方が沢山いらっしゃいますが)、人と一緒にワインを飲むとき、一人黙々と一生懸命感想書いている様な人は誰も居ないですね。(それが仕事の場合は別でしょうが)
ただ、飲んだワインの銘柄だけを控えておく方は多いです。私も、年をとって忘れっぽくなっているので、外で飲んだときは、その飲んだワインの銘柄だけは控えておくようになりました。
この所ひときわ注目を浴びているスペインワインですが、実際それほど高くなくてとても美味しいワインが多いですね。私もスペインワインは結構好きです。
Pesquera 1995
Bodegas Alejandro Fernandezその中でも、この「ペスケラ」はとても有名なワインで、以前からパーカーさんらが非常に高く評価していました。ただ有名な割には、私のような地方在住の者にはあまりお目にかかれないワインでした。
ペスケラには、この普通のクリアンサ(このワインはクリアンサだと思うのですが、ラベルの何処にもクリアンサと書いてありませんでした)と、レセルバ、グラン・レセルバJANUS(ヤヌスって読むのかな?、それともハヌスかな?)が有るみたいです。
ヤヌスが一番有名ですが、高いせいでショップでは一番見る機会が多いですね。このクリアンサなんか、売っているの見たことがなかったです。
仕方がないので、このワインはアメリカから買った物です。元値は安いのですが送料を入れるとそこそこなお値段になりますが、飲んでみて、それでもお買い得だとは思いました。実は後で、神戸のワインショップ・ベリエで売っているのを見かけました。悔しいので1本だけ買いましたが(やはり安い、3千円しない)、後はすぐ売り切れたみたいですね。
スペインのワインは、良く土臭いとか言う感想を聞きます様に、割とスタイル的に洗練されていない感が一般的には有りましたが、最近では違うようです。
特にこのペスケラは(実は初めて飲んだのですが)、安い割には、テンプラニーリョを使ったスペインワインとは思えないほどに、見事に洗練されていてスタイリッシュで、かつ力強くとても美味しいワインです。ラベルデザインはどうにも垢抜けしてなくて、スペイン地酒風なんですが、中身は評判通りのインターナショナルな素晴らしいワインですね。
ワイン評論などで、「値段を考えれば、ボルドー飲むより遙かにこちらがよい」とか書いてありますが、飲んでみてそれが良く分かります。有ってもすぐ売れちゃうんですが、もし見つけたら買ってみて下さい(やはり3千円位でしょう)。まず損はしないと思います。
誰もが知る「シャブリ」です。ワインを飲み始めた頃から、「シャブリ」にはあまり良いイメージが無く、長らく敬遠していた時期がありました。(事実、濫造であまりまともな品質のシャブリが無かったらしい、もっともその頃はせいぜい1級のシャブリしか飲みませんでしたし)
Chablis Clos 1982
Francois Raveneauその「シャブリ敬遠癖」を破ったののが、作り手フランソワ・ラヴノーのシャブリでした。
現在醸造を見ているジャンマリー・ラヴノーの父親がフランソワですが、そのフランソワ・ラヴノーが作っていたのが83年までで、本当にラヴノーらしいのは83まで、と言う話も聞きます。(ただ、85や87のラヴノーをシャブリも、なかなか素晴らしい物でした。)
そう言うわけで、83以前のフランソワ時代のラヴノーを探していたのですが、手に入ったのがこの82の特級畑レ・クロです。
照りがあり輝く金色の充分熟成した白ワインです。いわゆる特徴たる酸のきれはなくて、ボディが豊かなシャブリです(それでもやっぱりシャブリなんですね)。ちょっとアーモンドのテイストもしました。当然フルーティさは失せていますので、こういうシャブリは好みが分かれると思いますが、私は嫌いでは有りません。(でもやっぱりモンラッシェ系統の方が好みかな)
まさしくびっくりのワイン。画像にはヴィンテージは出ていませんが、このワインは1962です62!、何年前でしょうか。それにこれはヴォルネ・シャンパンじゃないですよ、単なる「ヴォルネ」つまり村名ワインです。それが、どうしてこんなに素晴らしいのでしょう!!
Volnay 1962
Hallgarten Freres確かに1級畑の持つ強靱さの様なものはなかったと思いますが、柔らかながら複雑で素晴らしく魅力的でながいアフターと味わいが、本当に素晴らしくありました。熟成したピノ・ノワールはかくも魅力的であります。
察するに私も手元に来るまで、とても良い状態で保存されたのでしょうね。ふと見ますとボトルの首の所に、左画像の様なシールが貼ってあります。そのまま読みますと「1967年10月から12月までの、R.M.S.クィーン・メリー号の最後の航海より」となりますね。クイーン・メリーに積んであったワインが、その船の廃船によって市場に出たワインではないでしょうか。となると、それ以降の保管も良かったとしても、そのワインの状態を考えると、若い内の少々の振動はそれほどワインに悪くない、ってことになりますねぇ。
以前にも書きましたが、アメリカのワイナリーからメーリングリストで直に買ったワインです。
Moraga Cabernet Sauvignon 19932本めなのですが、上のヴォルネィと同じ日に飲んだせいか、今回は前回飲んだ程特別な印象は持ちませんでした。でも、完全に飲み頃で、フルでしなやかな、とても美味しいカベルネの赤ワインです。
最近の流行のスタイルとはいえ、やはり素晴らしいワインだと思います。
オーゾンヌは有名なシャトーの割には話題にのぼる機会が比較的も少なく、また飲む機会も割と少ないワインですね。
Ch. Ausone 1987余り知られていないかも知れませんが、昔から著名なボルドーのシャトーとしてはとても生産量が少ないのがその理由です。17.3エーカーの畑から、だいたい2万本から2万5千本(約2千ケース弱)とされています。
あのペトリュスが28.4エーカーで、生産量が3千ケース(3万6千本)とされていますから、更に少ないですね。いわゆるボルドー8大シャトーの中で一番少ないことになります。
一番多いのがシャトー・マルゴーで、40万本(約3万3千ケース)みたいです。オーゾンヌはマルゴーの20分の1しか作られていません。(因みに少量生産シャトーの多いポムロルでも、つとに有名なル・パンは600から700ケース、ヴァランドローは950ケースとのことです。)
思うにオーゾンヌはボルドー著名シャトーのなかで、一番わかりずらいワインではないかと思います。そして一番評価されていないかも知れません。それでも元々の生産量が少ないので値が下がらず、70年後半から80年台は良く「オーゾンヌ=大損ヌ」と言う記述を目にしたことが有りました。
私も人に語れるほど多くを飲んでいるわけではないのですが、過去に飲んだ、62や64のオーゾンヌは全く素晴らしいワインでした。思うにオーゾンヌは、最近流行の「雑味の無い濃縮された果実味と柔らかで熟したタンニン」を有したワインの対極にあるのではないでしょうか?。
若くしては全く愛想のないワインで、長期熟成を経てその果実味がそれと感じられ無くなった事がやっと飲み頃では無いかと、思ったりしています。(断定するのは、何しろ経験量が少なすぎまして、、)事実、パーカーさんも熟成期間とて、ボルドーの中で一番長い期間をオーゾンヌに与えています。
このワインは、かなり前(94年)に3本買っての3本目です。1本目はすぐ飲んだのですが、なんかとても寡黙で余り感心しなかった記憶が有りますが、95年に飲んだ2本目は開いていて大層素晴らしく、その折に「今まで飲んだサンテミリオンで最高クラス、この間飲んだ82のフィジャックと同じくらい美味しかった」と記録してあります。
期待した3本目でしたが、ブケも開いていて余韻も長いのですが、テイストにどうも全体的に痩せた印象が強く、ちょっとがっかりしました。もしかしたら飲み頃を逸してしまったかも知れません、それともボトル差でしょうか??
やっぱし、オーゾンヌって何だか良く分からないですね。