1999年2月 今月の印象に残ったワイン


3月の事になるのですが、友人が結婚することになり、ワイン仲間が徳島に集まり、前日の夜ワイン会をしました。

人数が12人になったので、マグナムワイン会となりました。私もマグナムワインは幾らか持っていますが、東京等ではそう言う会も結構あるらしいですが、なにせ地元で居たのでは殆ど開栓する機会もなく、またあまりマグナムを飲む機会も有りませんでしたから、楽しみでありました。

当日寄ったワインは以下の通りです。

私が持っていったのがデュジャックのクロ・ラ・ロッシュです。ずいぶん昔、銀座8丁目の三美で買った想い出のワインです。最初に一万六千円と正直に自己申告したのですが、お前のは一万円にしろ、と言われてしまいました。まぁ、83のサロンのマグナムや、ラパリータのマグナムの申告値が二万円なんですから、致し方ないでしょうね。

どのワインも例外なく素晴らしかったですが、絶品だったのはサロンの83です。また、やっぱりラパリータは美味しかったです。

世にも珍しい、アウスレーゼのマグナムですが、これも良かったです。さすがにアウスレーゼのマグナムと聞いたときには、「そんなの有るの?」と聞き返してしまいました。持ってきた人によりますと、フランケンのダブルマグナム(つまりあのボックスボイテルのでかい奴らしい)も開けたことが有る由。ちなみにこのアウスレーゼのマグナムのボトルは私が記念に持ち帰りました。

余り飲む機会が有りませんが、マグナムワインはいつも良いですね。特にシャンパン(それもちょっと古い奴)のマグナムは、例外なく素晴らしいように思います。

また実感なんですが、マグナムでも12人ですと、ちょっと大きめの良いグラスを使いますと、一人一杯だけになってしまうんですね(もう少し、と思った時には無かった)。ワイン屋さんなんかが良く催しています、会費を取ってのテイスティング会なんかでは、レギュラー1本で20人くらいじゃないでしょうか。あまり出席した記憶が有りませんが、あれでワインがわかるんでしょうか?




Campaccio Cellar Reserve 1993

テラビアンカのカンパッチオは、イタリアワインが数多く出回りだした頃、よく見かけたワインですね。やはりサンジョベーゼに加えてカベルネ・ソーヴィニョンブレンドしたワインで、イタリアワインだから安くてなかなか美味しいワインの代表みたいな気がしていました。

この蝋封みたいなマークが印象的なボトルのカンパッチオは、そのスペシャル版で、良い樽を選び、バリックでの熟成を長くした(24ヶ月とあります、普通のは12ヶ月との事)ワインです。

この93は、昨年(1998年)10月にトスカナ地方に行って各ファットリアを回った折、テラビアンカを訪問した時に買ったワインです。テラビアンカにつきましては、「その他の各話題」の中の「トスカナ旅行記」に紹介してありますので、良ければ読んでみて下さい。

その時は、テラビアンカの全てのワインを試飲させて戴きましたが、その時の印象ではサンジョベーセ100%のチプレソやクローチェが、フレッシュな果実実が魅力的でより印象的だったのですが、やはり、自宅でゆっくり飲むとやはりこちらがずっと良いですね。

最近ワインスペクテーターの評価などでは、あまり高得点を得ていないテラビアンカですが(先の私のテイスティングと同じで、チプレソやクローチェの方が評価が良かったりしてたような気がする)、やはりこのカンパッチオは凝縮感もあり、フォルムのしっかりした、1本飲んでも飽きない、なかなか美味しいワインでした。




Mazy Chambertin 1988
Frederic Esmonin

本年(と言ってもまだ2ヶ月ですが)最高のワインです!!。作り手のエスモナン(本場フランスではむしろ、「エモナン」に近いらしいですが)は、91年以降のを少し飲んだことがありますが、結構がっかりさせられるワインが多くて、開栓前、正直このワインには何も期待していませんでした。

珍しく、開栓時の感想が書いてありますので、飲みながらなので若干興奮気味ですが、転記してみます。


開栓時からブケが心を誘う、見事なまでの堂々たるワイン。どこもぶよぶよした感じがない。強く引き締まっているが、小さくまとまっているわけでなく、むしろその逆でワイドなレンジのブケとテイストが口中に広がる。見事!。全体的にはマスキュランであり、ルロワのワインを思い出させる。

30分後、素晴らしいアフターテイスト、マーベラス!!、あくまで強くありながらバランスが良くて、エレガント。非常に品位が高い。これに比べるとカルフォルニアのピノは遙かにジュースに近い。マーベラス!!




Calera Jansen 1995
Twentieth Anniversary Vintage

今やカルフォルニアのピノ・ノワールとしては、大変有名なカレラのジェンセンです。他の単一畑として、ミルズ、リード、セラックとかの畑も有るのにジェンセンだけ特に有名になってしまったのは、例の漫画のせいでしょうか。

有名になったせいか、このワインもまた、私はショップで売っているのをまず見たことが有りません。(東京なら結構有るんでしょうが、、)凄く高いようにも聞いていますが、どうなんでしょう。

アメリカでは数十ドルのワインであるようで、決して高価なワインでは無いらしいです。私はアメリカから買いましたが、一般小売り価格よりは高く買っている筈です。加えて送料がかかっていますが、1本1万円はしていません。

ワインは、開けた直後から、香り過ぎるぐらいのチェリー香が溢れるばかりに立ち上がり、人を惹きつけます。ちょっと若いかと思いましたが、そう言う感じは無かったです。テイストも含め全てにかぐわしく、はっきり言って大変魅力的な素晴らしいワインですが、逆に言うとちょっと人に媚び過ぎな感さえします。

若いせいか、その魅力的な味がストレートに迫ってきて誘いますが、杯を重ねるとやはりそのストレートさが今は飽き心をひきおこしてしまいます。やはり(私のイメージの)ブルゴーニュとはかなり違います。

ただ、極めて魅力的なワインで有ることには変わり有りません。


このワインの裏ラベルは、左の様な、畑の地図になっています。カレラに興味が有る方にはとても面白いと思いますので、こちらの画像も載せました。

左画像は小さくて見ずらいと思いますが、クリックしますと、大きな画像が見ることが出来ます。




Schloss Vollrads Kabinett Adventswein 1969

この2月、2本目の驚きのワイン!。東京から友人が来たので、用意したワインの内の1本です。

1969年(30年前!)のドイツワインでしかも、糖度もそれほど高くない筈のKabinett(昔のドイツワインに有った、Cabinettと言う表記なら、別に甘さを表しては居ないのだけど)なので、アペリティフにしようかと相談したところ、「状態も良さそうだし、良いかも知れないから、後にしよう」と言われて、食後に飲むことにしましたが、全く正解でした。

で、このワイン、本当に甘いワインなんです。アウスレーゼであると言われても、誰も否定しないと思います。かつ生き生きした酸味が健在で、また熟成感もあり、バランスのとれた、とてもとても美味しいドイツワインでした。

これだからドイツワインってわかりません、これだからワインって止められません。ラベルには"Adventswein"と表記が有りますが、特別なワインなんでしょうか?。どちらにしろ、食後の美味しい甘口ワインは、本当に人を幸せにしてくれますね。