先月から何だか怠け癖が出てしまっていて、9月分を書くのも随分遅くなってしまって、申し訳有りません。危うく11月になってしまう所ですね。「雑誌等のワイン特集レビュー、夏秋編」も2、3ヶ月位前から少しづつ書いてはいるのですが、どうもなかなか完成しません。
10月は10日から1週間ほど、イタリアに行って来ました。内3日ほどトスカナはキャンティのホテルに滞在し、地元に住む知り合いとファットリア(イタリアでのワイナリーの事)を幾つか回ってきました。
丁度収穫をしている所も幾つかあり、天候にも恵まれて、大変楽しかったです。ワインに関する所は、そのうち旅行報告を書きますので、また読んで下さいね。(早く書けると良いけれど、、)
私のホームページを見たそうでmailをくれて、それから何度かmailを交換しているイタリア人の友人が、「90のコスタンティは良いよ!」と言っていたので、見かけて即、買ってしまったワインです。
Brunello Di Montalcino 1990
Conti Costanti96年当時、6千円しなかったこのコスタンティのブルネッロもイタリアワインブームでもはや入手困難、以後のヴィンテージも輸入されている筈ですが、私はそれ以来どのヴィンテージも売っているのを見たことが有りません。
初めて飲みましたが、噂どうりの、全く素晴らしいワインです。極めてタイトなイメージのあった先月のカンポジョバンニに比べて、かなりアクセプタブル、バランスが良く飲んで素直に美味しいと思えながら、フィネスも有り複雑で、香りも深くまるで良くできたグラーブの様です。
更に美しく深く長いアフター持ち、飲んだときの私のメモの最後には「これは本当にイタリアワインか」と記してあります。
ニーロンはシャサーヌ・モンラッシェ村の高名な白ワインの作り手です。フィルムリー(firmlyです、filmlyではありません)で濃縮された、それでいてブルゴーニュの品格も持ち合わせた、長熟な白ワインを作る、素晴らしいドメーヌと認識しています。(数度しか飲んだことは無いけれど、その各々の印象が強いので)
Chassagne Montrachet 1992
Dom. Michel Niellonこれは単なる村名ワインですが、3年位前に初めて飲んだ時は、濃縮されていて、いわゆるトロピカルフルーツの香りとテイストが溢れるワインで、ちょっと驚いた記憶が有ります。
それで、暫く置いてあったのですが、さすがにバランスが凄く良くなってきていて、美味しく熟成しています。そのかわり、先に飲んだときのような、びっくりするような所は無いですが。「数本有るなら、一度若くして飲んでおくのも良いかな、」と思い直しました。
ここのリザーヴはとても高く評価されていて有名ですが(ラベルは単に斜めに赤線が入るだけ)、同時にとても高いので、普通の方を買ってみました。
Groth Cabernet Sauvignon 1994レストランに持っていって飲みましたが、濃く、結構タニックで、とてもスパイシーなテイストと香りが印象的でした。割と良かったですが、もう少し待ってから飲んだ方が良いかも知れません。
コルチナ・ダンペッゾでお会いしたヴェラッツァーノのオーナに聞いたところでは、確か90のサッセーロはサンジョベーゼ100%だと言っていたと思いますし、他の本にもサンジョベーゼとしか書いてありませんが、この93のサッセーロは明らかに異質です。記憶に残る90のサッセーロとも随分違ってまして、今飲んで、とても美味しい!。
Sassello VdT 1993
Castello di Verrazzanoこの文章を書いている時点で、10月のイタリア旅行から帰ってきていますが、その折ヴェラッツアーノに行って聞いた話では、サッセーロはいつの間にか、カベルネ+サンジョベーゼのワインに成っているようです。
具体的に93がどういうセパージュが聞かなかったのですが、かなりカベルネ(バリックを使った)が入っていると思って良いでしょう。(95のサッセーロはカベルネが主でサンジョベーゼが従、との事です)
先に記したとおり、90を飲んだ印象とは大分違い、甘く熟したタンニンを有し、濃縮されていて、今飲んで充分美味しいワインでした。とても良かったです。
ヴィンテージ・ポルトの素晴らしさは、日本でももう少し知られても良いかと思います。ただ、飲み頃のポルトはとても高いですが。また、私思うに、夜中にふっと飲みたいと想うお酒の一番手では有りますね。(ただ開栓後数時間は必要なので、飲みたいからすぐに、とはいきませんが)
Taylor Vintage Port 1955ポルトは一人で飲むにはフルボトルはつらいですから、ハーフを見つけたら買っています。良い作り手で、飲み頃に成っているのは77までと思っていますが、、
そこで開けたのが55のテーラー!(ハーフでも結構します)、これは2本目です。ラベルは一応付いていましたが、これは後で書いた物でしょう(セロテープで張り付けてあった)。
この位古いポルトは、普通はラベルが付いていません。そう言う場合、コルクのみがその素性を表してくれます。このコルク、見にくいかも知れませんが、Taylor 1955とちゃんと読めます。
先の1本目はなかり吹いた跡のあるボトルで、さすがにそれは劣化が激しく、色の付いた砂糖水の様相で結局半分以上捨ててしまいましたが、この2本目のボトルはさすがに素晴らしかったです。
今年の1月のレポートに、Cerro Anon Reserva 1975と言うワインの事について書きましたが、それと同じロットで買ったワインです。共に評価も高くないし(両方ともパーカーさんの評論では「並」、つまり最低レヴェル)、結構安かったです。
Solar de Samaniego 1975
Bodegas Alavesas因みにその Cerro Anonは、それ以降もう1本飲みましたが、「これを見てくれ!」と言いたくなるばかりの上手く綺麗に熟成した更に素晴らしいワインで、私には大感激ものでした。
このワインも、この間の Cerro Anonよりは少々危ない感じはありましたが、同じく上手く完全に熟成した大変美味しいワインです。同じく繊細でデリケート、優雅で長い香りとアフターを有したワインです。
最近は、若めの、ボリュームがあり果実実たっぷりで、素直に美味しいと言えるワインを飲むことが多いのですが、見方によれば、それらとは全く別物とも言えるかも知れません。全く私の好みのワインですが、そうでない方もいらっしゃることでしょう。
久々にボルドーでも、と思って開けてみましたが、上記や下記の個性派揃いの中にあっては、あまりにまともで、何を書いて良いか分からなくなってしまいますね。
Domaine de Chevalier 1983ドメーヌ・ド・シュヴァリエはちょっと離れていますが、結構グラーヴっぽい香りを有した、熟成した、美味しいワインでした。やっぱり、慣れているせいか、ボルドーのこの辺りの(ヴィンテージ)ワインは落ち着きますね。
近くの酒ディスカウントのショップで買ったワインで、確か千円でした。恐らく私が今までここで取り上げたワインで、一番安価な物でしょう。
Sudtiroler Blauburgunder "Schlosshof" Riserva 1994
Baron Felix Long
Alto Adige Pinot Nero注目したのは「Alto Adige Pinot Nero」って所で、以前イタリアはコルチナ・ダンペッゾで買って帰った、アルト・アディジェのピノ・ネロ(ピノ・ノワールの事)がなかなか良かった事から、買ってみました。
第一印象は、ブルゴーニュと言うより、どちらかというとボジョレのヌーボーに印象が似ていまして(色とかはだいぶん違いましたが)、フレッシュな果実実が印象的な、美味しいワインです。ピノ・ノワールで作った軽いヌーボーワインって感じですか、、
値段なりと言えば確かにそうですが、今ではこれだけ安くても、難しいことを言わなければ、結構美味しいワインが手に入る様になっているのですね。
大阪は苦楽園のオステリア・エノテカで、知り合いの方数人と飲んだワインです。何か、凄いのやら、珍しいのやら混じっています。各に細かいコメントは付けませんが(付けられない)、どれも大変美味しかったです。
- Vouve Clicquot Ponsardin BRUT 1966
- Montrachet 1988 (Pierre Morey)
- Simposio, Vino Nobile di Montepulciano 1993 (Tenuta Trerose)
- Brunello di Montalcino 1993 (Cherbaiola di Salvioni Giulio)
- Brunello di Montalcino 1993 (Soldera)
- Erzeugerabfullung Freiherr TBA 1989 (Simmern)
特に赤のイタリアワイン、ヴィーノ・ノブレ・ディ・モンテプルチァーノのシンポジオと、サルヴィオーニ・チェルヴァイオーラのモンタルチーノは大変入手困難との事です。
さすがに、共に素晴らしく美味しかったです。ただ、今回初めて飲んだソルデーラ(カーセ・バッセ)のモンタルチーノは、さすがに既に私のモンタルチーノのイメージの範囲外と言う印象で、テイストも香りも層をなした構成を持っていて、素晴らしいと言う他は有りませんでした。