竹糖(ちくとう)とは

上写真が和三盆糖の原材料となる砂糖黍「竹糖」です。収穫期で背丈は2mほどと低く、太さも大人の人差し指ほどしか無く、他地方で一般的に作られている砂糖黍とかなり外観が異なっています。通常の砂糖黍より細いので、地元では「細黍」と呼ばれています。この砂糖黍は生でかじって汁を味わってみても大変美味しいものです。

普通砂糖精製の為に用いられる砂糖黍は単位面積当たりの収量を多くするため、太く背の高い品種が用いられています。通常は精製してショ糖分のみにしてしまうので、それ以外の成分は関係ないわけです。

翻って和三盆糖の「研ぎ」と言う精製は、当時はどうあれ現在の目から見ると精製技法としては不完全なものです。和三盆糖の特徴はまさにそこに有るわけで、元の砂糖黍の美味しさの元である物を凝縮して含んでいます。和三盆糖の各製造工程はその元の砂糖黍が持つ風味の良さを失うことなく、凝縮してゆく為の過程と言えます。

和三盆糖と言うとまずその手作業の製法が取り上げられますが、食品は何によらずまず素材(原材料)が一番大切なのは和三盆糖においても同じです。

和三盆糖と言う砂糖が四国は徳島の地で今も作られている唯一の理由は、この地にこの砂糖黍が良く育っているからです。

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