先に「荒がけ」されて蜜を抜かれた砂糖は幾分白くなって、次の日押し槽の中から取り出されます。
丸一日圧力をかけてあったので、かなり水分の抜けた状態になっています。このまま幾ら置いて有っても糖蜜は抜けず、それ以上白くなる事は有りません。そこで更に糖蜜を抜くために水を使います。手水をつけて、上げてきた和三盆糖を練ってゆきます。この行程を「研ぎ」と言います。
水分を含まされ、柔らかくなった砂糖は再び麻の包みに入れられ、押し槽に移され圧力をかけられます。すると水と糖蜜が一緒に絞られ抜けて、砂糖は更に白くなります。
以上の工程を何度か繰り返す事によって、より白い砂糖が得られます。和三盆糖が製造された当初、約三回研いでいたので「三盆糖」と名が付いたと言われています。現在では更に白い物が好まれ、四回か五回行うのが通常です。ただ研ぎを繰り返す度に歩留まりも悪くなります。
上写真は研ぎの作業の写真です。研ぎは気温湿度、そして砂糖の性質によって水の量、研ぎの時間等調整する要があり、歩留まりも良くして均一な砂糖を手際よく仕上げるにはかなりな経験が必要です。
研ぎは一度の研ぎに一日かかるのみならず熟練した職人が必要なこともあり、和三盆糖製造において、この古い手法を守って作っている所は非常に限られています。