はじめての人の為の、ワイン図書案内


フランスワイン詳解書の類


本当でしたら、「特定地区のワイン詳解書の類」としたい所ですが、こちらで取り上げようとした日本語本では、どれもフランスワインについての本になってしまったので、表題の通りとしました。

他の地区、ドイツやイタリアについても、色々本は出ていますので、そちらを知りたい方は、それらの本をご覧下さいね。


「葡萄は語る」
SOPEXA

この本は見ていてとても楽しい本です。写真、イラスト、地図等が豊富にちりばめられていて、たとえ読まなくても、見ていて楽しい本ですね。

構成はちょっと変わっていて、フランスの各地方のワインを解説してゆく合間に、「ワイン畑と葡萄栽培の1年」とか「ワインの保存について」とかの、ワインの一般的解説を織りまぜています。大体には交互に書いて有りますね。

でも、何でこんな風な構成にしちゃったのでしょう、普通に2部構成にすればより読みやすいはずと、思うのですが。

この本は、ここの項で取り上げましたが、本当は「入門書の類」で取り上げたかったくらいでして、先に挙げたようなワイン全般についての事も、分かりやすく書いて有り、とても役に立つでしょう。

内容については、ソペクサが出している本なので、充分信頼に足ると思われます。

私はこの本を97年春のフーデックスにて、SOPEXAから買いました。一応裏に 2.500と値札のシールを貼って有りますが、その時はどうも一般的に本屋で売られる様な本とは思えず、今までホームページでは取り上げませんでしたが、ヴィノテークでの書評でも堂々と取り上げられていましたので、多分一般的にも手にはいるのでしょう。(そう了解しました)

未だに本屋で売っているのは見たこと有りませんが、よかったら SOPEXA(ソペクサ、フランス食品振興会、東京都港区赤坂1-11-28,安東福吉ビル9F,tel:03-3585-7440)に問い合わせて見て下さい。



「フランス、ワイン大全」
INAO、同朋舎出版(18,000)

この本はいうなれば、別項で紹介しましたワールド・アトラス・オブ・ワインの、フランス地域版ですね。

フランスの各地区のワインを、詳細な地図と共に解説しています。事フランスのワイン地図に関してはこの本が一番詳しいのでは、と思います。

地図を見て地勢を把握することは、名醸ワイン、特にボルドーやブルゴーニュでは、それぞれのワインの特徴を理解するのに大変役に立つのです。

初めの60ページ程は、一般的なワインについての解説(フランス中心ですが)がなされていて、それも大変有益です。

唯一の欠点は、やはりワールド・アトラス・オブ・ワインと同じく高価であると言う事ですね。



「新フランスワイン」
アレクシス・リシーヌ、柴田書店

フランスワインについて、既に古典的名著と言って良いのが、この本だと思います。(昔からご存じの方には、「古典的」と言うのに違和感が有るでしょうが、私自身は85年に翻訳が刊行されてずっと読んできた本なもので、、)

高名なリシーヌさんの解説は省きますが、フランスワインについて、各地地域ごと、村ごと、畑ごとに、そしてその生産者について、詳しく解説した労作です。

ただ地図が載っていませんので、「ワールド・アトラス・オブ・ワイン」か「フランス、ワイン大全」を併読した方がより分かりやすいですね。

この本を読み切るのは結構大変でしょうが、必要なときに必要な部分だけ読むのでも良いかと思います。


その他、様々な本が出ていまして、注目すべき本は、

R.パーカーさんの、"Bordeaux"や、"Burgundy"

C.コーツさんの、"Grands Vins"や、"Cote d'Or"

等々、結構沢山有ります。よかったら他ページ「ワイン図書目録(洋書を中心に)」もご覧下さい。