2024年08月15日
_ [book] 量子力学、場の量子論、、江沢先生
きっかけは、ふと見た放送大学の番組です。たまたま「量子物理学」と言う題の放送をやっていまして、放送大学ではどんな風にやってんのか、と見てみました。私は、一応、大学から大学院修士と、量子論は勉強したはずなんだけど、この度見た番組に結構発見があって、それ以降を録画して見る事にしました。
量子力学、一応知ってるつもりだったのですが、大学で勉強したと言っても、それはもう35年程前の事。今回放送大学のこの番組を見てみると、新たな発見が多数有ってとても新鮮です。より詳しい冊子の教本も出ている様なので、とりあえずアマゾンで探して買ってみることにしました。また番組の最後で、他の量子力学の本として、JJサクライの「現代の量子力学」と言う本も出ていたので、その本も検索してみました。
そのJJサクライの「現代の量子力学」は、アマゾンでの書評とか見てみますと、現在一番評判の良い(定番と言える)量子力学の教本の様です。「え、全然知らなかったなぁ」と思ったら、初刊行が1985年です。私が大学を卒業した後ですね。でも、卒業後も本屋さんで物理の棚は時折見ていたのですが、気がつきませんでした。まぁ、地域で一番大きな本屋でも、物理の本なんて品揃えは凄く少ないですから、見かけなかったのかも知れませんし、目の前に有っても内容までは分からなかったのでしょう。そういう意味では、アマゾンの書評は、結構参考になります。
買ってみようかな、と思い見ていましたら、関連本で「現代の量子力学(堀田 昌寛)」を見つけました。評価を見てみるととても評判が良いし、全く新しい切り口の本みたいなので、こちらを注文しました。
届いて見てみると、評価通り、全く新しい方向からの量子力学への探訪です。面白いので、充分理解できなくても気にしないで、とりあえずざっと読んでしまいました(殆ど読み飛ばして、あらすじだけ見たに近いけど)。実際にはまだ何も分かっていない、と言えるので、この本はまた読み直ななければなりませんが、もう一つ評判の良かった、「場の量子論場(坂本 眞人)」も購入しました。
こちらの本もまた、評判通りの素晴らしい内容で、今まで何だか良く分かっていない所を丁寧に見事に解説していて、次へ次へと引き込まれます。各計算の過程まで丁寧に追っているのがこの本の特徴でもあるのですが、まずは面白くて、細かく追ってられません。届いた翌日の、お盆の休みの日の午前中から本を開いたのですが、次をその次を、、と言う感じで、読み進めてしまい、夜までには最後まで「見て」しまいました(とても「読んだ」とは言えない)。もちろん、手などは一切動かして居ませんし、計算も殆ど追っていません、ちょっと分かりづらい所はそのまま読み飛ばして、とにかくストーリーだけ追った様な感じですが、本当に面白く、場の量子論が如何に綺麗で素晴らしい理論かが、良く判ります。
学生時代に、こういう本があったら、色々納得しながら、もう少し楽しく熱心に勉強したかも知れません。あの頃は、結局なんだか良く判らないながら、数式だけを追っていた感じがします。今から思っても、当時は実際には何も分かっていなかったなぁ、と回顧するばかりです。本当にもったいない話です、あの頃が一番頭が良かったはずなのですが。
JJサクライの本はまだ買っていませんが、結局今年のお盆の長い休みの前に、アマゾンで色々探して購入した本や雑誌は、
「量子物理学」(放送大学、印刷教材)
「現代の量子力学」(堀田 昌寛)
「場の量子論場」(坂本 眞人)
科学 2024年8月号「量子力学100年の展開」
数理科学 2024年7月号「数理に現れる双対性」
PythonフレームワークFlask
に及びます。それに、この間本屋で見つけた、シン=トゥ・ヤウの「The Gravity of Math」(邦題は結構違和感があるので、原題を表記)を加えて、長いお休みの内、数日はこれらの本で過ごせました。しかし、メガネ無しでは、本もかなり読みづらくなったのはすこし面倒な事柄です。(それに、これは昔からなのですが、本を読んでるとすぐ眠くなってしまう事も、相変わらずで、困った事です)
場の量子論の本を読みなおしている事について、ふと、来年の江沢先生への年賀状に、この事を付記できるかなぁ、などと考えてしまいました。そう思いながら、アマゾンで関連本として出てきた沢山の中から、先生の本を見つけ、その書評などを見ていましたら、、2023年9月に死去、との記述を見つけてしまい、もう大変驚いてしまいました。享年91歳(数年前亡くなった父親と同じです)。大学時代にお世話になった先生方で、米田先生は早くに亡くなり、江沢先生ももういません。父も含め、先達と言える人はほぼ居なくなってしまいました。
追記:「現代の量子力学」の参考図書に載っていた本と、またアマゾンで見つけた高評価の良さそうな本、量子力学関連本を2冊も買ってしまいました。
「量子論の基礎」(清水 明)
「現代量子力学入門」(井田 大輔)
どちらもそれほど厚い本でなく、割と取っつき易すそうではあります。並べてみてこれだけの本、何処まで充分読めるか、理解できるか、自分のものに出来るか、、あまり自信はありませんが、でもまぁ、結局理論物理は趣味なので、それで良いのではないかとも思います。
昔、大学卒業前に、「趣味で物理か、いいねぇ」って江沢先生に言われた様に記憶していまして、それをおぼろげながら思い出しました。でも多分それは、その先の学習と研究の話で、今になって学生時代と同レベルの事をもう一度だとは思わなかったかも、です。