2025年09月11日
_ [music] アリーナ・イブラギモヴァ:無伴奏ヴァイオリンソナタ&パルティータ全曲演奏会
昨年に引き続いて、王子ホールでイブラギさんのコンサート。今回は何とバッハのVn無伴奏です。9月の9日と11日の2夜で全曲演奏です。
やっちゃう人は、一晩で全曲演奏してしまうかもですが、2夜に渡るのは仕方有りません。事前に通し券の様なモノは無い事を確認して、発券直後にアクセス。もたもたしている内に、2夜とも端の方の席しか取れませんでしたが、このホールではあまり問題無いでしょう。よって、9日から12日までコンサートの為に上京して、演奏を聴いてきました。
昨年聴いたコンサート、中でも、とりわけ馴染みのあるヤナーチェクの曲(TVではカットされた)など、ちょっと激しすぎて何だかあまり楽しめなかった記憶があります。その他の曲は、放送されたTVで聴き直してみると、馴れたせいか、結構良かったです。
イブラギさんの無伴奏と言えば、若い頃に出したCDがかなり良い評判で、私も後日購入しました。他の大家の追い込んだ様な緊張感有る演奏では無く、見事な中でも繊細でどこかふわっとした、如何にも若い感性輝く美しい演奏で、少々異色ながら評価が良いのも良くわかりました。
昨年の演奏を聴いてみて、恐らく昔のCDからは多少変化した演奏になりそうだと、興味と多少の心配を持ちながら演奏会を迎えました。
まず第1夜の9日、予想通り使用楽器はピリオド楽器と思われます、弓がバロック弓でした。一番ソナタ冒頭から、繊細で丁寧な出だしてさすがと思いましたが、その後進むと、ソナタ一番全体としてはどうも纏まりの無い演奏で、何だか弓が暴れている感じでもありまして、あれあれ、、と思っていましたが、次のパルティータ一番から、20分の休息後のソナタ二番まで、実に見事な演奏でとても素晴らしかったです。
まずは、とても良く鳴る楽器と、繊細で冴え冴えしい音色で、魅了され圧倒されます。ただ演奏スタイルは、若い頃のCDとはやはり違いますかね。演奏を聴きながら、私は、一つ進化したのかな、とは思いましたが。
コンサートホールを出ての帰りの列の中、「・・あの弓が使える様になるには・・」と何方かの会話の断片がきこえました。前後の所が聞こえなかったので、どういう意見だったのか不明ですが、とても気になりました。
イブラギさんの、バッハの無伴奏のCDが出たのが2009なので16年前です。その後、王子ホールで2014年にやはりこの曲の演奏をしたそうです。16年前、11年前、そして今年となりますが、そちらも聴かれた方に、どんなだったかお訊ねしたいところですね。(ちなみに、イブラギさんは1985生まれとの事です)
1日はさんで、11日は例のパルティータ2番からの演奏です。流石に、この日は最初から最後まで見事でした。再度になりますが、この王子ホールも良いのですが、ヴァイオリン1挺なのにホールを覆い尽くすばかりに楽器がとても良く鳴っていまして、また音色がとても冴え冴えとして魅力的でした。
2度目の無伴奏の録音、出してくれないかな、とも思いました。