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xiphioの備忘録


2006年09月24日

_ [music] ホールオペラ、タン・ドゥン作曲:「TEA」

知り合いの方の結婚式が23日に大阪で有って、その後25日に東京に用事が有ったので、そのまま東京に行きました。従って24日が空いているので、何かコンサートは無いかと調べたところ、表記の様なかなり珍しめのオペラが有ったので、行ってきました。(ちなみにその結婚式、ワイン好きの仲間がワインを持ち込みしておりまして、色々飲ませてもらいました。特に美味しかったのは70のドンペリ・マグナムと47のラフルールでした。とりわけベルギー詰めのラフルール1947は素晴らしい物でした。)

そのタン・ドゥンの「TEA」と言うオペラがどんなのは、サーチャーで「オペラ TEA」で調べるとすぐ出てくるので見て頂くと良いのですが(例えばこちら->http://www.mainichi-msn.co.jp/entertainment/music/archive/news/2006/09/20060913dde018200017000c.html)往々にしてこの手の作品紹介の記事は、元のお手本がどっかに有って結局それを参考にして書いてあるだけだったりしまして、どれを見ても同じ事しか書いていない!、また解説を読んで予想したのと実際の作品の印象が全然違う!、なんて事が良くあります。

で私が実際に見たこのオペラはどんなのかと言いますと、素直に言えば「おとぎ話オペラ」ですね。解説には、お話の中心が「お茶」でありまして、それがどうのこうのと書かれているでしょうが、(確かに作曲家の中のバックボーンとしてはそういう高尚な物が有るのかもしれませんが)普通の人が普通に見る分には、「(架空の)不思議の世界の物語」以外の何者でもありません。

実は私も第一幕の途中までは全く勘違いをしていまして、のっけからの日本の僧侶の変な衣装、お茶碗は透明ボールだし、中国宮廷に至っては衣装からして不思議な国のアリスに出てくるトランプの国の物みたい、、これを見て、「この演出家絶対勘違いしているよぉ、だから外国の新進気鋭の演出家なんか使うからこんな事に、、」と思っていたのですが、途中までストーリーを追ってゆきますと実は演出家氏が正しかった事が判りました。物語のあらすじには「日本」とか「中国」とか「お茶」との言葉は出てきますが、よくよく筋を考えると実際のそれらとは、まず殆ど縁がありません。ですから、このオペラは架空のお国のフェアリーテイルなんですね。そう思いながら、戴いたプログラムの演出家の文を読むと、何と確かにそう書いてありましたね。(多分、、プログラム無くしてしまったので確信はないけど、、ごめんなさい)

大まかなストーリーは良くある様なおとぎ話で、短くて判りやすいですし、作曲家の胸の内には色々有るのでしょうが、単にオペラを見る分には、特に難解なメッセージを飲み込ませようとしている訳でもなさそうなので(私が鈍感なだけ?)、素直に楽しめます。

まぁ、そんなオペラなので、長くも無いし、なかなか楽しかったです。打楽器演奏家による、各種打楽器音、水の音や、紙の音を巧みに織り交ぜた音楽は、緊張感もありとても効果的だったと思います。世界各地で好評なのも判る気がします。