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xiphioの備忘録


2007年09月26日

_ [music] 地方コンサート批評:バーデン市立劇場、オペラ公演「椿姫」(徳島市文化センター)

徳島のような地方小都市にお馴染みの、バーデン市立劇場の引越オペラ公演です。毎年日本に引越公演をするようになって、今年で12年目だそうです、凄いですね。有名歌劇場の引越公演と違って、東京でも演奏会をしますが殆どは地方都市の公演で、25日ほどの間に19公演、殆ど巡業のていですが、当方在住の様な地方都市では、海外の本場のオペラ引越公演に触れられる唯一の機会なので、本当に有り難い限りです。

地元徳島に来たときは必ず行っていますが、毎年来るわけではないので、今までの12の演目の内見たのは半分ぐらいです。最初の年の(12年前ですね)「メリー・ウィドー」はどうもタイトルロールが不調だったか弱く、徳島まで来てくれるのはこんなものかな、とも思ったのです(HPの方に昔の批評文を書いておりますので、よければ参照してみてください)が、最近はなかなか良くて、昨年のフィガロなどは、大層楽しめました。

本年公演の「椿姫」もなかなか楽しめました。ただ、最初に言っておくと、東京で時折ありますオペラ公演とは公演自体の施設場所も規模も違いますから、オケ(32人ほど)や合唱の人員も少ないし、凝った照明や演出はやりたくてもできない状況なので、こじんまりとしたオペラ公演になるのは仕方ないですね。

昨年はよく覚えていないのですが、オケがヴェルディの音楽の割には小規模な感じで、下手ではないのですが、音が薄手なので色彩感が乏しかったのは、ちょっと寂しかったかも、、

ヴィオレッタ役のユリア・コッチーは、上手な不満のない歌唱で私はなかなか良かったと思いますが、強いて言えば主役を張る力強さが足りなかった気がします。デビューはアデーレだったらしいですが、アデーレだったら素晴らしいと思います。アルフレッドのマイケル・スパイレスはなかなか良かったです。ジェルモンのゲオルグ・ティツィは、歌は非常に立派で文句のつけようがないのですが、どうも演技が味気ないのが残念でした。