2007年11月26日
_ [book] Sinkha(シンカ)by Marco Patrito
昔Sinkha(シンカ)と言う、デジタルマガジンのソフトが有りました。1996年とありますが、Windows95の時代です。内容は見事なコンピュータグラフィック付きのSF物語で、時折QuickTimeによる短い動画が挟まれていました。グラフィックがとても素晴らしいので、当時は結構話題になりまして、最初私が買ったのは英語・イタリア語その他(作者はイタリア人)版だったのですが、日本の会社から日本語版も出ました(こっちも買ってしまいました)。
お話自体は、SFとしてはそれほどどうと言うことは有りませんが、とにかく3Dグラフィックが見事なので、結構気に入って何度も見ていました。大分前に、その後どうなったのか気になってWebで調べたところ、作者のMarco Patritoさんは、続編も作ったみたいで、HPもキチンありました(sinkha.comです)。早速インターネットから注文して買いましたが、その続編「Hyleyn」も、当時でもそろそろアニメーションと言うか動画に移っている時期でしたが、作品のスタイルは変わらずで、動画も少しは有りますが、グラフィック画像中心のデジタルノベルでした。私は結構楽しかったです。
それからまた数年、先日またHPを覗いてみたら、何と新作がリリースされていました。早速に注文して先日届きました。最新刊は"Atmosphere"と"Planet of the Clouds"の2話とされていますが、実際には一つの話です。確かこの作品は作者が一人で作っている筈で、このグラフィックデザインの見事さを考えると、制作にはかなり時間がかかると思いますが、前のが出たのが2002年位ですから5年はかかっていますね。最初のCDが出てから10年以上経っていますが、殆どはテキストを貼り付けた画像で間に少し短い動画、というスタイルは変わらずで、メディアも変わらずCDです(DVDでは無い)。
今回のもグラフィックは見事ですが、どちらかというと前半の"Atmosphere"の方が手が込んでします。後半はちょっと手抜き気味ですね。それから、今度のはサウンドは効果音のみで、音楽がついていません。最初の作品などでは、それぞれの場面になかなか良い音楽がついていました。3Dグラフィックの緻密さは、最初より格段と上がっていますが、音楽がないのはちょっと寂しいですね。
いくらコンピュータが早くなっても、元のデザインの手間は変わらないですから、一枚一枚仕上げるのはやはり大変でしょう。およそ1作品に5年かかっていますから、次のが出るのは、2012年頃ですか、、