2008年06月11日
_ [wine] Calera Jansen 1986
マンガに紹介されるなどして、90年代の一時は大変な人気だったカレラのジェンセンです。当然ながら、今も頑張っていますが、昔に比べて話題に上ることが少ないので、値段は昔と余り変わっていないところで、ちょっとお買い得な気もしますね。ただし、最近のものは飲んでいないので、どんなのだか判りません。それ以降は私もあまり買う気もしないので、そういう所での、イマイチの人気なのかも知れません。
確かに、その頃90年代のワインを何度か飲みましたが、悪くはないけど頑張って追っかける様なワイン(メーリングリストに入れてもらって、毎年買う様な)かどうかとは素直に思えなかったのではありました。
その当時でも余り見かけることがない、古いカレラをオークションで見つけ買ったのは98年ですが、実はとても楽しみにしていました。10年経ってやっと開栓です。緊張の最初のテイスティングで、「お、これよい」と思わず口に出てしまいました。
開栓時はチェリーを思わせる香りとテイストが、ちょっとシンプルながら誠に素敵で、言うなれば、とてもピノっぽくて美味しいです。イメージ的には、88とか90のフレッシュな果実香を重視した作り手の優秀畑(グランクリュ相当)のブルゴーニュを、ちょうど飲み頃くらいに飲んだ感じです。細部にこだわらなければ、とてもブルゴーニュ的、これまで飲んだ90年代のジェンセンとは随分違う気がします。
時間をおくと複雑さが少し増し、チャーミングさはそのままで、とにかくとても魅力的でとても美味しい。これは久々の大ヒット!、最近では最良のピノ・ノワール!。この美味しさ見事さの秘訣は、はやりしっかりとしたバックボーンですね。開栓時には少しシンプルとも思えたテイストにも実はしっかりとした構成力があったのであります。カレラは一時期結構飲みましたが、私にとってはこの殆ど無名時のカレラがダントツで一番素晴らしいです。手元に1本だけ残っている95のジェンセンは9年後この様になるでしょうか?、本当の所ちょっと疑問に思えます。想像ですが、今手に入るカレラのワインとも、このワインはテイストの上では恐らく殆ど別物と言えるのではないでしょうか。
個人的実感ではありますが、60年代優良ヴィンテージの物に比べて80年代のブルゴーニュは、一部を除いて良いヴィンテージであっても大概が飲み頃を過ぎています。20年を過ぎた80年代のピノのワインが、これほど見事なのは、あまり無いことだと思います。