2013年06月17日
_ [Traveler's diary] ポルトガル旅行(2):リスボン観光とファドその1
昨日の夜遅くに到着したので、実質には今日が観光1日目。ポルトガル初日と言う事なので、とりあえず勝手が分かる様に、ほぼ1日ガイドをお願いしてある。また夜は当然ファドを聴きに行くので、朝から午後5時までと、午後8時から深夜までの、二部構成にしてガイドをお願いしてある。
私の場合、リスボンの印象と言えば「リスボン物語」と言う映画にかなり毒されている。元々マドレデウスが好きだったので、DVDを買ったのだけど、何度も見るうちに印象をすり込まれた感じさえする。あの映画で見るテレーザさんは、本当に素敵だったし、リスボンの町並みも印象的だ。あれはリスボンのほんの一部だろう事は、充分分かっている事だけど。
そういう事も有り、最初のガイドはアルファマ方面を中心に案内して貰う事にしていた。ホテルから歩いて広場へ、磁気の入ったカードを買って黄色い小さなバスに乗って、小山の上のサン・ジョルジュの城に向かう。しかし、リスボンって(後で行ったポルトも同様だったけど)本当に坂ばかり、どの道にも脇に自動車をびっしり駐車してあるので、本当に道が狭い。その坂もかなり急なもので、上に向かって歩くのは大変だろう。そういう坂道を小さなバスでくねくね道を回りながら上ってゆく。バスがかなり小さい理由が良く分かった。リスボンで色々驚くことも多いけれど、山の上のお城から、眼下の町並みと美しい海峡を見渡す景色の見事さは特別印象に残る。本日は晴天なので尚更気持ちがいい。
お城を一周した後、少し降りて、「リスボン物語」で使われた「マドレデウスの家」を案内してくれた。お城のすぐ近くだ。今は完全に改装されて、実はホテルになっている由。だから中には入れない。入り口のドアは赤く塗り直されて居る。看板なんか出ていないけど、一泊600ユーロ位だそうだ。周りは廃墟が結構有ったりするんだけど、利用しないんだろうか?。続けて、そのままアルファマ地区を降りてゆく。数日前に「イワシ祭り」があったばかりとの事で、飾り付けが随分残っている。
ガイドさんの先導なので、その後市電に乗ってアルファマを周遊したり、坂道上るカートに乗ったり、雰囲気有るエレベーターにのったりと、アルファマ地区を色々観光の後、バイシャ地区のレストランで昼食。
食事の後は、市電に乗って郊外の観光。ベレン地区へ行って、ベレンの塔と発見のモニュメント、更にジェロニモス修道院を見る。でも残念な事に本日は月曜日、施設の多くは月曜日閉館なので、中には入れない。その後超有名と言う、“パステイス・デ・ベレン” でベレン名物のパスレル・デ・ナダ(エッグタルト)菓子を食べる。どこもガイドさんの案内なのでとても手際よく見て回れる。でも少々疲れた。帰りはタクシーにしたが、ホテルに帰ったら、5時をかなり回っていた。
普通海外旅行に来て夕食と言えば、当然その地方の美味しい物を食べに行くのがファーストだけど、ファドが大好きな私としては、リスボンで夜と言えば、ファドハウス(カーサ・ド・ファド)でしょう!。今回の旅行ではリスボン4泊、内1泊は到着の日だから、実質3夜。その全ての夜、ファドハウスに行く予定にしてある。
初日、本日の予定は当初、午後8時からファドハウスParreirinha de Alfamaに行く予定だった。でもガイドさんの推薦で、最近とても評判が良いと言うファドハウスに変更することにした。そこは歌が始まるのが11時位らしいので、出発も1時間遅らせて、午後9時からにする。それまで、夜に備えて、少し寝ておこうとするけど、あまり寝られない。娘は大した物で、ずっと近隣を歩いて観光していたらしい。
最近とても評判が良いという、アルファマのそのファドハウスは、あまり広くはない、、と言うかとても狭い。午後9時過ぎに入り、まず食事。全てセットで三名で135ユーロとの事。歌が始まったのは、食事もデザートも全て終わった、確か11時も大分回った頃。ここはとても小さい店で、歌が始まるとサービス等が一切出来ないので、全員の食事等を全て終わらせてからファドを始める、と言う要領の様だ。
伴奏はギター(ビオラと言うらしい)二人とギターラの二名の四人。入口の扉を閉めて、照明を殆ど落として、その扉の前で演奏と歌。伴奏の人は楽器を持っているから分かるけど、歌の方は誰が歌うのか良く分からない。最初は、奥で飲んでいた様なおじさんが出てきて何曲か歌った。
歌は3、4曲で10分位で一回が終わる。一時間に1度位のサイクルなので、次までが結構長い。小さなテーブル席は6つ位あるけれど、我々と同じく情報を得て来たのだろう、テーブル席は何処も観光客の様(日本人は居ない)。地元の人は11時くらいからぞろぞろやってきて、カウンターや、その奥の方で立ったまま飲んだり話している。次の歌までが結構長いし深夜に及ぶので、他のテーブルの人は午前1時位で帰る人が多かった。私はファドを聴くためにリスボンに来ているので、当然最後まで。
ファディスタは次々に変わってゆく。奥で飲んでいたり、そこらで話をしていた人が、ふらっと前に出て歌う感じ。何曲も歌う人も居れば、一曲しか歌わない人も居る。事前の話では、女性の歌手は黒い衣装が多くて黒いショールを必ずする、と聞いていたが、ここでは最初の女性が小さな黒いショールを掛けていただけで、他の人は誰もが普段着だ。あとで分かった事だけど、通常の観光客が行くお店では、こんな事は無い。歌手の何名かは、ちゃんとそれなりの格好をしている様だ。これも後で聞いた話だけど、お客さんが歌う店もあるらしいので、多分、完全普段着で、一曲だけとか歌った人はお客さんなんだろうなぁ。ファド、初日からかなりコアな店に行ってしまった感じ。アルファマの夜は長い、3回か4回のショーが終わってタクシーでホテルに帰ったら、3時くらいになっていた。