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xiphioの備忘録


2015年08月13日

_ [audio] SAE MARK IV DM メンテナンス

暫く前に買った、SAEのMARK IV DMですが、古い機種なので手も入れやすいし、安く買った割にはそこそこ状態が良かったので、久しぶりにメンテナンスしてみる気になりました。それよりもSAEのアンプが好き、と言うのもありますね。少し前、小ぶりであるMARK XXXIBを整備して、結構気に入り、以後夏期のアンプとして使用中であることもあります。電解コンデンサなどのパーツを揃えて、休日だった今日、メンテしてみました。

SAEは所謂"00"シリーズ(例えば有名なMark2600)以前のパワーアンプは、シンプルな回路構成ですし、作りは些か独特なこみいった構成がありますが、まだ分解修理がしやすいと思います。これが、"00"シリーズの2600&2500辺りになるとちょっと面倒になり、その後の"01"シリーズ(A1001など)になるとあまり自分でやりたいと思わなくなります。(現在使用中のA1001はプロの人に整備してもらったものです。A501も持っていますが、自分で整備する気になかなかなりませんので、倉庫に入れたままです)

初めての機種なので、まずは回路図などの資料を探します。最近は、過去のアンプのマニュアルや回路図などをPDFで提供するサイトが幾つもあり、探せば手に入る事が多いのですが、無料で見つかることもありますが、有料である方が多いです。SAE MARK IV DMのサービスマニュアルを有料サイトで見つけ、ペイパルで支払いダウンロードします。$20でした。不都合がある個体の修理ではないので、本当のところ、サービスマニュアルまで必要ないのでしょうが、手に入れられる資料は事前に用意した方がやっぱり安心ですね。

メンテナンスの内容はいたって簡単で、RCAピンの交換、電解コンデンサの交換、半固定抵抗の交換、それからメーターランプ回り位です。基板裏にある、バイアス調整の半固定抵抗と近くのチューブラの電解コンデンサは、終段トランジスタを全部取って、更にヒートシンクまで取らないと交換しずらいので、RSではチューブラ型が手に入らない事もあり、交換せずそのままにしておく事にしました。電源ケーブルは最後まで迷ったのですが、手元に似つかわしいケーブルが無かったこともありコンセントプラグだけ交換しました。でも、また機会があれば交換するかも知れません。

フロントパネルは、2600と同じ様な結構複雑な構造をしていまして、分解も少し大変です。メーターの照明が駄目だったので、分解して見てみると、口金BA9Sのランプが、なんと8個も使われています(電圧はAC6V)。アンプにLEDを使うと音が悪くなる、と言う人も居るみたいですが、照明なんかで熱くなるのはいやなので、私は必ずLEDに交換しています。

ネットで交換できるLED球を探していたのですが、ふと手持ちを見ると、BA9SのAC/DC6VのLEDランプが6個出てきました(何時こんなの買ったのだろう?)。2個足りませんが、それでも充分使えるので、こちらを使いました。多くのソケットに接触不良があり、接点復活材を使っておきました。

素人なので、何度も確認しながら、ゆっくり丁寧に交換してゆきます。朝10時ごろから始めたのですが、一通り作業が終わって簡単な動作確認がすんだら、もう夕方です。、DCバランスを調整して、あと歪率計を見ながらバイアスの調整でOKです。歪み率も低くてなかなか優秀です。

追記:その後お盆の間ずっと使ってみましたが、出力の方は特に問題は無いようです。なかなか良い音だと思います。ただ、メーター裏の照明がまた接触不良で、その内6つのランプの内少なくても半分くらいは消えました(叩くと、ついたり消えたりする)。更にそうして叩いたりして居る内に、その内片方のメータが振れなくなりました、、、
照明の接点不良はランプソケットが原因で、接点復活材ぐらいでは根治は無理みたいだし、かといって交換もできないのでちょっとやっかいです。いっその事、平面発光のLEDに交換しようと思い製品を調べましたが、車のルームランプ用でどれも12V用です。このアンプの場合、ここにはAC6Vがきています。でも以外とそのLEDが安いので、取りあえず買ってみましたが、やはり電圧が低くて使えないです。いっそのこと、AC100Vか、アンプ用のAC55Vから引いてキャパシタで電圧を下げようかと思っているところです。

追記2:ランプの点灯不良は、ソケット外側導体の所謂構造的な接触不良によるものです。これは接点復活材ではなかなか根治できないもので、上記の様に、当初そのソケットを使わない対処を考えていましたが、実際本体を開けてみると、代わりにLEDフラットパネルを使うにしても、結局ランプソケットが邪魔で取ってしまわないとダメという事が判り、いきなり方針変更。ランプソケット外側導体に、電源ラインを直接半田付けする事にしました。この間、ThePowerで同様な接触不良がありまして、その時の解決策と同じです。そう簡単に半田付け出来ないので、先にルーターで切り込みを入れたりして・・色々・・、手間もかかりましたが、これで接触不良はないでしょう。