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xiphioの備忘録


2016年02月29日

_ [music] 地方音楽批評:NHK交響楽団鳴門公演(指揮:リオネル・ブランギエ Vn: アラベラ・シュタインバッハー)

耐震基準を満たさないからと言う理由で、昔から使われていたホールが使えなくなって、徳島では演奏会の頻度も、そしてレベルまでもぐっと落ちてしまいました。以前は2年に一度くらいオペラも見る事が出来たのですが、それも何年も来ていませんし無理でしょう。

そんな時期、こんな田舎にアラベラ・シュタインバッハーが来てくれるなんて、本当に有難いです。久々の期待の演奏会です。演奏会場は鳴門市文化センターです。上述の様な理由で、最近はこちらでの演奏会が増えている様ですが、私は此処でコンサートを聴くのは実は初めてです。演目はチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲と、ラヴェルの展覧会の絵です。有名曲の2本立てですが、両方とも好きなので楽しみにしていました。

指揮者は、リオネル・ブランギエという、あまり名前を聞いた事がない人。パンフによると現在トーンハレ管弦楽団の音楽監督も務めている様だから、将来有望なかたなのでしょうが、まずは、兎に角今回はヴァイオリンのアラベラ・シュタインバッハーです。

とても評判の良い演奏家で録音も多く、私もSACDで結構持っています。録音からの印象は、テクニックも正確で模範的と言う感じでしたが、実際聴いたライブでの演奏は、結構熱が入ったもので、とても良かったです。最初ちょっと鳴りもそこそこだったヴァイオリンも、直ぐ美音で美しく、(本当にどうか判りませんが)やっぱしストラドかなぁ、と思いつつ聴いていました。徳島でこういう演奏聴けて良かったです。

しかし、音楽演奏家の底辺が広がって、最近では、演奏が素晴らしいだけでなく、容姿も美しい、そして性格もとても素敵らしいと言う、「二物」だけでは無く「三物」まで備えた方がいるので驚きです。音楽家は、もう演奏が上手いだけではやってゆけないかも知れません。

ここのホールは、所謂「音響」と言う点では、相当悪いです。徳島市内のイヴェントホールの様に音がスカスカなのでは無いのですが、私の席が比較的前の方だからかも知れませんが、音がかなりストレートに聞こえます。オケの各パートが、混じらずにストレートに直接耳に入る感じです。ソリストの居る、ヴァイオリン協奏曲ではそこまで気にならなかったのですが、次の展覧会の絵では、「かなり」、気になりました。

音響の良い音楽ホールでしたら、ずっと楽しめた筈だと思うのですが、オーケストラの各パートが奏でる各フレーズが、そのまま耳に突き刺さる気がします。N響の方には失礼かも知れませんが、オケが上手い下手ではなく、「うるさい」と思ってしまいました。まぁ地方の演奏会だから、ある程度オケの自由にやらせたのかも知れませんが、指揮者も、もう少し押さえる所は押さえて、まとまった演奏にしてほしい気もしました。前述の通り、コンサートホール自体の問題かも知れませんが、、