2017年03月04日
_ [wine] St Nesbit 1990
ワインを長らく楽しんだ人には、それぞれ特別大切にしたいワイン(銘柄)が有ると思うのだけど、どうでしょうか、
幾らかの人は最初の頃に飲んだ印象深いワインだったり、また幾らかの人は美味しかったグランクリュと呼ばれている特別高価なワインだったりするのかもしれないですね。私にもそれは幾つかあるのだけど、その一つが、この、ニュージーランドはオークランドのワイン、サン・ネスビットです。
90年代半ばに一度生産を中断し、その後のワインは未試飲だけど、今の物を追う気は既にあまりなかったりします。
久しぶり、本当に久々に開けたサン・ネスビット90です。実はもったいなくて暫くの間、開けられなかったのです。
以前に飲んだ4本は、素晴らしく上手く熟成したボルドーワインの様相だったけれど、それから10年以上して開けたこのワインの最初のテイストは、「結構酸が強い!」でした。元々時の針が進み気味のワインだったので、さもありなん、既に下り坂か、とそれはある程度納得でした。
でも暫くすると、ギスギスしたところが無くなって、とても楽しめるワインに、、でもこれ、カベソー&メルロじゃないですよね、とてもサンジョベーゼっぽいです。以前飲んだこのワインに有ったと思われるシダーのテイストは無く、バックボーンの酸が顕著なので、そう思うのでしょう。
もう少し時間が経つと(この日記も、飲みながらの「ライブ」で書いています)、複雑さがブンと増して、更に力強さも持ち始めて、きわめて魅力的なワインと変容します。あれあれ、まぁワインはやはり不思議です。でもやっぱし、これはカベソー&メルロの感じじゃないです(でも本当はカベソーとメルロらしいのですが)。
もう殆ど最後の1杯なのですが、香りが、そう香りがここに来て極めて魅力的です。最初開けた時は、もう下り坂のワインで余命も短い、って感じでいたが、今だと「これからまだまだ充分」と言う感じさえします。香りからセパージュを察するに、カベソーやメルロはやはり無いですねぇ、、オーゾンヌっぽい?、で少しシラーっぽい?、、そんな感じです。でも、本当はカベソー&メルロなので、どれも完全に的外れなのですけれど。