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xiphioの備忘録


2017年08月15日

_ [audio] 電源の歪率の測定

この間から、オーディオの電源を手持ちのオシロで時折観測していますが、いちいちプローブで測定するのも面倒なので、適当なセメント抵抗2個使って分圧して端子に出力させるアッテネータを作りました。およそ9V位になるので、そのままオシロに入れられます。画像の説明

加えて少し前、どうやって見つけたかよく憶えてないのですが、私も現在使用中のオーディオアナライザPANASONIC VP-7723Aが、何だか結構安かったので入札してみたら、落札してしまいました。

現在使用中のVP-7723Aは、今年初めに調子が悪くなりパナソニックで修理したばかりで(何と10万弱もかかる)、それ故調整済みです。それで今回落札した分は余剰分となりますが、届いた物をチェックすると結構状態が良かったので、オシロと並べて、オーディオ電源の歪率測定用として設置してみました。(中古で安く入手できたとは言え、元来はプロ用の高機能な測定器ですから、勿体ないと言えば勿体ない使い方ですが、、)

暫くの間、毎日歪率を測定してみましたが(時間は午後8時くらい)、平日はおよそ1.5%、休日になると0.7%と、一般にはどのくらいか判りませんが、これはなかなか優秀ではないかと思います。時間帯はあまり関係ないみたいで、土曜日曜や祝日の休日になると歪率が平時の半分程になるのは、興味深い所です。

少し調べてみましたが、現在売られています所謂クリーン電源と言われている物は、歪率が概ねゼロコンマ数パーセント位の様です。ちなみに昨年手に入れました、各種検査用の500Wの交流電源(所謂ジェネレータ式)は測定しますと0.5%でした。従って現状、何もしなくても休日ならばその位のクリーン電源を使用しているのとほぼ同じと言う事です。ただ、最近話題になりましたラックスやアキュフェーズの最新鋭のクリーン電源は、仕様では歪率が更に低く、0.1%以下となっていますので、これは流石と言えます。

オーディオ機器にとって、電源の品質は非常に大切だと認識していまして、私は最近まで、絶縁トランスやノイズカットトランスが、その電源のクリーン化に役にたつと思い積極的に導入していましたが、実の所、今までその効果を実感した事は有りませんでした。今回も200Vから100Vへの5KVAの大きなノイズカットのダウントランスを用意し、そのうなり音の軽減の為に木製の箱まで自作しましたが、出力電源を測定してみますと、歪率は壁コンセント直とほぼ同じで改善されてはいません。

ノイズカットですから、パルス状のノイズは改善されるのでしょうが、元々が歪率1%そこらの綺麗な波形の電源では、これらのトランスはあまり役にたたないようです。今回その事が良く分かりました。

結局、我が家の環境では、絶縁やノイズカットなどのトランスはどうやら無用な物の様です。大きなトランス、随分沢山買ったのですけどねぇ、、思い込みだけで行動せず、きちんと測定し、そしてそれに基づいて対処すべきでした。

そう言うわけで、折角用意した5kVAのトランスを使わず、壁コンセントからタップ介してプリアンプやメインアンプに繋いでいます。タップは3Pのしっかりめの普通のタップです。何万もする仰々しいオーディオ用タップと称する物は、どういう理由で何がどう違うのか、私には全く判りません。

大元にトランスを介するのをやめた代わりに、電源の歪み率を悪くする機器、つまりスイッチング電源を使っている機器の方を、絶縁トランスで分離する事にしました。具体的には、一番悪さしそうなPCやHDDやハブをまとめて絶縁トランスで離します、また他のDACなどのスイッチング電源のオーディオ機器(最近の機器はキチンとスイッチング電源のノイズ対策も出来ている筈ですが)もまた、別系統の絶縁トランスでアイソレートしました。

その様にして、全ての機器を電源に接続する前と後で、電源の歪率がほぼ変わらない事を確認しました。今後も設置や配線などを変える度に、一応電源の歪み率を測定してみるつもりです。