2017年10月04日
_ [wine] Pommard Rugiens 1928 (Collection du Docteur Barolet)
バロレ・コレクションのワインを飲むのは久しぶりです。このボトルは2000年にサザビーズのオークションで落札した物で、ラベルにもあるとおり、Francois Martenot出しの物です。
とても有り難い事に、私は何度かバロレ・コレクションを開けた事がありますし、また飲ませて頂いた事もあります。これほどの貴重なワインなので、いずれも数人での会で飲んでいるのですが、今回は特別で一人で1本です。(こんなワイン一人で飲んでしまってゴメンナサイ、、)
ヴィンテージは何と28と言う、ほぼ90年前のワインです。液面は幾らか下がっていますが、年代を考えると悪くは有りません。開栓はデュランドで行います。キャップシールを取ってみますと、古いワインでは時折ある事なのですが、黒いのが瓶口の上まで少し盛り上がっていて、そこがかちかちになっています。デュランドのスクリューは素直に入りますが、プロングの刃の方が、その様に瓶口の上まで堅く盛り上がっていて入りません。上部をナイフで少し削り取ってから、プロングの方を差し込み、無事開栓。私の様な古酒好きには、やはりデュランドは重宝します。コルク下部は綺麗なものですが、上部分は炭化している様な感じです。それでも萎縮していず、むしろ堅く栓が出来ていて、状態は良さそうです。
28ですから、さすがに色は薄めです。最初なので香りはあまり感じませんが、一口目のテイストから、ふわっとした甘みが印象的でチャーミング、そして美しくエレガント。古いワインは、開栓直後は揮発性の酸の様な物を感じる事が多いのですが、最初から魅力たっぷりです。これで本当に28なのかと、思わず口に出てしまいます。
開けて直ぐなので、香りはまだ殆ど立っていませんし、テイストの広がりもそう広くありません。でもテイストの真ん中が少し厚く果実実が有って安定、、あぁいつものバロレです。畑が何処だろうが、ヴィンテージが何年だろうが、いつも殆ど同じ様な、そうこんなバロレテイストです。
2杯目では、バランスが整ってくる感じで、テイストに広がりが出てきます。アフターも長くなって来ました。
3杯目くらいで、最初に感じた甘みが減じ、酸を若干感じる様になりました。厚みよりも構成感を感じる様になり、私には少し酸がある方が好ましく思えます。アフターは更に長くなり、香りにも広がりが出てきました。
その後、酸を次第に感じる様にはなるけど、テイストは深く、余韻は更に長くなり、偉大なワインと判断。今まで飲んだバロレ中でも、これは特に素晴らしいと思えます。尤も、これは時間をかけて一人で飲んでいますが、今までは会で開けているので、普通は1杯、よく飲めても一杯半位しか味わえませんから、比較するのは無理かも、、
ボトル半分少し位を、50分ほどかけて飲んでいます。ほぼ全開状態で、素晴らしい。最初感じたほのかに甘い果実実は既に無いけれど、その長い余韻と複雑なテイストにボーっとします。