2017年10月25日
_ [music] サラ・チャン ヴァイオリン・リサイタル(紀尾井ホール)
毎年秋にやっている、健康診断(人間ドック)の為の上京。検査日前日の夜は飲み食いが出来ず、折角東京に来ていても他に楽しみが無いので、必ずコンサートに行っています。コンサートガイドを調べて、今年は、サラ・チャンのリサイタルに行きました。
昔、天才少女として名を馳せたサラ・チャンですが、1980年生まれとのことですから、もう30台後半、、早いものです。私は昔から名前と名声は知っていても、LPもCDも買った事が無く、聴くのは初めてです。
クラッシックの演奏家では、パンフ等に使用する写真は、若い時のをそのままずっと使うのが当たり前となっています。流石に少女時代のは使わないけど、パンフは20台のものと思えましたが、昔から知っているので、今もまだ随分若いと思いこんで居たので、舞台に出てきた本人を見てすこし吃驚。言っては何ですが、昔、エンタの神様でよく見ていたマジャ・コングを思い出しました。急いで年齢を計算してみて、納得した次第(時の経つのは早い)です。昔知り合いから聞いた話では、ヴァイオリンでも体力で弾く面があるらしくて、ガリガリのひ弱な人が弾くより確実に良い音が出るそうです。
バイオリンは演奏会の最初から大変音が美しく、演奏もまた見事です。気になったので幕間に楽器を調べたのですが、流石にガルネリだそうです。ガルネリにしては少し繊細な気もしますが、見事な美音です。聴衆の入りも満席で、演奏の受けも良かった様に見えました。
ただ私には、少し不満。演奏が、なんだか前へ前へするすると進み過ぎて、感情の落としどころが無い様に思えます。言い換えれば、優れた技量の演奏だけど物語が構成されずにするっと次に行ってしまう、なんだか剥き卵みたいな演奏です。テンポではありません、確かに全体的に早めの演奏ですが、遅い所もちゃんとあります、そうでは無くてフレーズとそれに付随する感情が、するりするりと抜けてゆく感じでした。これは後半の方の演奏、フランクで特に感じました。
全く同じ事を、アンコールで演奏された「愛の挨拶」でさえ感じましたので、もう単に私の嗜好の問題かと思われます。他の方には、概ね好評だったみたいですし。