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xiphioの備忘録


2017年10月26日

_ [music] エディタ・グルベローヴァ オペラ名曲を歌う(すみだトリフォニーホール)

毎年、東京での健康診断が終わった時点で、これと言って異常が無ければすぐ夜の食事の予約を入れて、美味しい物を食べに行くのを楽しみにしていますが、事前に上京中に開催されるコンサートを調べてみると、何とグルベローヴァのリサイタルが有るではありませんか。

検診の予定が決まって、すぐチケットを購入しました。しかし、確か何年か前、「もうこれが最後の日本での公演」と言う事で、東京まで「アンナ・ボレーナ」を聴きに行ったのですが、、(調べたら2012年の事でした)あの時は、その少し前の音友の巻頭に長いインタビュー記事が載りまして、「そろそろもう引退、日本に来るのも最後、、」などと、読んだ記憶が有ります。最近音楽情報に疎く、あまり良く知らないのですが、嬉しい事にその意図は覆された様ですね。(後で調べると、昨年2016にも日本でオペラやリサイタルをやっているみたいです、知りませんでした!)

恥ずかしながらこのコンサートに行って初めて知ったのですが、来月のハンガリー国立歌劇場の公演では、何とルチアを歌うってじゃないですか!。コンサート休憩時間にそのチケット販売するとのアナウンスがあったので、買ってしまいました。これで11月9日にはまた上京しなければなりません。

コンサートは素晴らしかったです。前回聴いたのが5年前で、既に御年70の直前、どうかなぁ、と心配は無くはなかったのですが、最初から安定した美声が出ていて、安心したのと少し驚きでもあります。間にオペラ序曲などのオーケストラ演奏が少し入るものの、長いアリアを殆ど歌いっぱなし、流石に声量はかなり落ちているものの(昔はその「威力」本当に凄かった)、そのかわり弱音からのデリケートな歌いまわしが冴えていて、上手いです。すっげーなぁ、と言うのが素直な感想です。これだけの難曲なので、流石にどの曲も無傷と言うわけにはいきませんが、後になるほど力を増してゆくのには驚きです。

アンコールは2曲、アデーレも歌ってくれましたが、これがまたとても素敵です。確か来年ぐらいでデビュー50周年ですので、それくらいでオペラの舞台からは去るかも知れませんが、歌曲とか、こういった曲ならばまだまだ完璧なので、その様なリサイタルはずっと続けてもらえるかも知れません。