2021年09月20日
_ [audio] モバイルバッテリー、いや、ジャンプスタータをプリアンプの電源に
二階の書斎(もどき)のアンプも、一応季節によって3通り用意してあります。夏のアンプは熱を出さない事が最優先で、それにはデジタルアンプなんかが一番良いのでしょうが、持ってるのはオークションで買った古い機械ばかりなので、そうは行かないです。
夏用アンプはSAEの小出力な物にしています。プリはやはりオークションで入手した、バッテリー駆動の自作品です。何を思って、他の方の自作プリを落札したのか、良く憶えていないのですが。(多分、けっこう安かったのかと、、)
技術的な事は良く判りませんが、内部を見たところとてもシンプルで、目立った素子はほぼオペアンプ(シングルで左右)のみでです(OPA627に交換しました)。しかし、内部配線等の組み付けはとても見事で、かなりの熟達者かセミプロの製作と思えます。私などでは、まずこういった仕上がりにはならないでしょう。
当初、沢山の単一電池を半田付接続した木枠付きの電源部が付いてきましたが、もう電圧も出ていないので廃棄し、100円ショップの単三充電池を沢山買ってきまして電池ボックスに入れ、+-12Vの電源を作りました。(オーディオマニアなら、エネループにするところでしょうけど)
デスクサイドで、それほど音質を追求しない環境でもあるし、プリの良し悪しはあまり良く判らないのですが、殆ど熱くならないので、暑い時期専用として長らく使用していますが、そろそろ使用していた単三充電池が怪しい感じです。もっとも、膨らんできたり充電が終わらない物は、交換はしているのですが、、。
雑誌の製作記事では、最近はエネループでは無くカメラ用のバッテリーとかを使用している様ですが、それにしても安くは無いし、何個か連結は面倒です。安く、シンプルにあげたい、、で、何処でも売ってて安いモバイルバッテリーは使えないかと検討しました。2個利用して、+-5Vならば簡単そうです。それでもオペアンプは作動するでしょうが、できればもう少し電圧がほしいです。流石に4個利用は面倒です。
以前、12V駆動のモバイルディスプレイの為の電源として、携帯用として広く流布しているモバイルバッテリーを考えた所、まず5V=>12Vの昇圧ケーブルを見つけ使ってみましたが、これでは結局作動しませんでした。そこで素直に12V出力の物を探したところ、車用のジャンプスタータが良さそうなので購入。普段見慣れない端子のEC5に少し苦労しましたが、結局は問題無く使えました。
今回も安いジャンプスタータ2個で+-12Vが良いかな、と思っていたところ、新しいモバイルバッテリーのスペックを見ていると、USB-Aの出力の所に5Vの他に、9V、12Vの記載を発見しました。これは使えそうな気もしますが、しかしどうやって12Vを取り出したら良いのか、説明書をダウンロードして読んでみても分かりません。そこにテクニカルサポートと言う電話番号が載っていたので、電話してみましたが、電話でのお姉さんは「普通につなげると大丈夫です」と言うばかりでして、要領を得ないので諦めました。
自力で色々調べてみましたら、その5V以外の表記はQuick Chargeと言うものである事が判りました。現在はQC3.0という規格があって、通常より高い電圧で高速充電するんだそうです。
早速「Quick Charge 12V」で検索すると、12Vで出力させるための回路を作っている人がおられました。ただ、自分でそれを自作するのは大変なので、市販のケーブルが無いかと更に探しますと、QC2やQC3規格のモバイルバッテリーから12Vを出力させるケーブルが、幾つか見つかりました。「QCトリガーケーブル」と言うらしいです。千円少々と比較的安かったので、QC3.0対応のほぼ最廉価のモバイルバッテリーと一緒に買ってみました。
後で知ったのですが、USB-CでのPD(パワーデリバリー)でも、同様な「USB-C PDトリガーケーブル」と言うのがありました。規格上はこちらが少し上なので、PDにした方が良かったかもしれませんが、改めて、最近のモバイルバッテリーの進化ぶりを認識し直しました。
とりあえず勢いで買ってみましたが、トリガーケーブルにはQCで12Vにする為の回路が入っています。純粋にオーディオ用の電源として使うには、何だかその影響が気になります。なにせ、電源ってオーディオの要ですから。また考えてみますと、モバイルバッテリー内部にも色々な制御回路が入っていまして、オーディオ的にそれはどうなんだと、言う事にもなりそうですが、、まぁ当面気にしない事にします。
届きましたQC3.0対応の安いモバイルバッテリーにトリガーケーブルを繋げてみますと、キチンと12Vが出ました。これで使えると思い、コネクタを用意してプリアンプに繋ぎましたが、30秒ほどで電源が切れてしまいます。どうやら使用電流がとても少ない為(元々は乾電池仕様だったし)に、モバイルバッテリーの制御で出力が停止されるみたいです。そこまで考えが及びませんでした。
仕方ないので、以前買ったジャンプスターターの12V出力の方ではそういう制御が無い事を確かめた上で、安いジャンプスタータを購入しました。最初からこうしておけば良かったです。モバイルバッテリーの方が無駄になりましたが、また何かに使えるでしょう。
追加購入のジャンプスタータは、安くても一応携帯充電用途としてQC3.0に対応している物にしました。EC5のコネクタにまたまた苦労しながら接続ケーブルを作り、プリアンプに接続。こちらは問題無く使えています。ただ、以前に買った物はキチンと12Vだったのですが、今回の品は実測14V程出ています。それでもオペアンプの電源としては、概ね問題無いかと思います。
余談:USB充電の、電流電圧チェッカーと言うのがありまして、何個か常用しています。今回12Vトリガーケーブルと使ってみたところ、7Vしか表記が出てない物、そもそも表記が出ない物とかで、使用できない事が判明しました。昔に買った物なので、そもそも5V辺りにしか対応していないようです。少し調べてみますと、昔に出た物は大体7V位までの規格になっていました。とりあえず20V位まで測定できる、新しめのUSB電流電圧チェッカーを注文しておきました。