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xiphioの備忘録


2021年09月12日

_ [music] Leo Fall - Die Dollarprinzessin 各音源聞き比べ

昔、DVDで購入した1971年ユニテル製作のDollarprinzessin(邦訳:ドルの女王)ですが、その音楽の楽しさに、本当に何度も見たDVDとなっています。いや、更にその昔、学生時代終わりのヨーロッパ旅行でドイツで買ったLPが、この楽曲抜粋盤だったので、実はそれからと言えます。画像の説明

暫く前、CDのリッピングして画像データなどを検索している途中で、このDollarprinzessinの見慣れないCDを見つけました。見ると、2012年録音のミュンヘン放送管弦楽団のライブ盤の様なので、早速注文しまして、(海外発送でもあるので)忘れた頃に届きました。価格はほぼ同じになるのですが、MP3で良ければアマゾンですぐダウンロード出来たのですが、同じ価格ならそこはCD現物主義です。(リッピングも面倒なので、今後は変わるかも知れません)

知名度が有るとは言いがたいレオ・ファルのオペレッタDollarprinzessinですが、全く忘れられた作品ではなく、今でも探せば他に幾つか音源が有ります。昔アマゾンで検索しましたら、ダウンロードでしたら入手可能なのを見つけたので、早速購入して聴いてみましたが、それまで見ていたDVDの音楽と、もう全然違うのでとても吃驚しました!。

その何度も見たユニテル製作のDVDは、全曲ほぼミュージカル調な上にジャジーでもあって(更に最後はカントリー調にもなっている)、やけに現代的なのです。これは作曲年代を考えると明らかに変なので、結構アレンジはしてあるんだろうとは思っていましたが、まぁここまで激しく違うとは思いませんでした!。アレンジと言うよりは、これでは元の旋律を使ったリコンポーズ(再創作、ある意味新たな創作)に近いですね。

最初にそのユニテル版DVDの曲を聴いてしまっているので、その後に(ほぼ)オリジナルに近い音源を聴くと、最初は如何にも物足りなくて、もう聴いてられない気もしましたが、数回聴いていると、やっぱりこれがウィーンオペレッタだよね、と何だか不思議に納得します。
画像の説明

さて、届きましたミュンヘン放送管弦楽団盤、早速聴いてみましたが、まず思いのほか音が悪いです。ライブとはいえ2012の録音とはとても思えません。ノイズは無いものの、客席でカセットで録音したんじゃ無いかと思う位です。元のファルのこのオペレッタが、実際にはどんな感じで上演されて居るのか知るには良いのですが、演奏もそこそこです。

これだったら、モノラルだけど、以前アマゾンでダウンロードした(CD販売は無い)、ケルン放送交響楽団の録音の方がずっと聞きやすくて、演奏もまだ良い様に思います。(ただこのマスクのジャケットの写真、全く意味不明ですねぇ、、これでは「オペラ座の怪人」ですよ)

以前検索した時には、このケルン放送交響楽団盤と、抜粋で数曲だけですがFranz Marszalek指揮の物しか無かったのですが、今回、また別にフォルクスオパー盤も見つけましたので、こちらもダウンロード購入しました。買ってから分かったのですが、これ、抜粋と言うより、1幕だけのハイライトですね。

録音は古くて、同じモノラルのケルン放送交響楽団盤よりも音悪いですが、フォルクスオパーなのでそれなりの雰囲気はあります。ハイライトですし、それよりも1幕しか無いのが残念です。(これも、ジャケット画像が、内容とは殆ど関連無さそうな感じで、何だか良く分かりません)
画像の説明

全曲盤の2種類を比べるだけでも分かりますが、細かい所は結構違います。でもDVD盤は、楽曲だけで無くてその他もかなり違いまして、1、2幕では、他の音源では有るのに、DVDでは出てこない曲も幾つか有ったりします。結構カットが有るみたいで(特に2幕)、それに伴って台詞もかなり違っている様です。(ドイツ語解らないのでどんなだか不明ですが)多分ストーリー自体も、少し変わっていると思われます。

第3幕の違いは更に大きくて、そもそも、その他の音源ではDVDでは大活躍のドーラと言う役柄は出てきませんし、彼女が歌う「コロラド」と言う曲も、何処にも出てきません。色々見ていますと楽譜も手に入るリンクがあったので、ダウンロードしてみましたが(なんやかんやで3種類ほどあります)手に入れた楽譜を見ても載ってません。

もっとも、オペレッタなど、実際の上演に際しカットや省略は日常茶飯事だった可能性がありますので、ファル作曲時の大元の楽譜にはドーラ役もコロラドの曲も有ったのかも知れませんが、3幕を短くする為に省略するのが通例になって居るのかも知れません。まぁ、ユニテル盤の製作の脚本家や編曲者の創作かも知れませんし、もしかしたらファル作曲の他の所から持ってきた可能性もありますが、ここは私などには分かりかねます。

聴いてたら、またこのオペレッタにはまってしまいまして、ここ数日、元のDVDをまた見たり、手元にある音源(一応手に入る物はみんな集めたのだけど)を、何度も聴きなおしてみたりしています。本当に楽しいすてきな曲ばかりで、今となってはストーリーに幾らか問題があるとは言え、それでも音源が出たり、時折演奏されているのも良く判ります。個人的には、多少の改変は許容しますが、ユニテル制作よりももう少しオリジナルに沿った様な、新しいリプロダクションを見てみたいものです。