2022年02月06日
_ [misc] 万年筆から、フランス語詩の訳詞(1、高校入学祝いに戴いた万年筆2本)
本当に、何がきっかけになるか、わからない物です。最近、少しはまっている、ペン(万年筆とかインクを使う物)と、フランス語の詩の訳なんか、、元をたどれば、蔵の建て替えになるのですから、、
古い蔵がもう寿命で、建て替えなければならなくなって、まず必要なのが、蔵の中の物の移動です。やる前はウンザリするような事ですが、やんなきゃ何も始められないので取りかかります、大きな古いタンスとか、ちょっと見て今後共使いそうでないものは、潔く捨てることにしました。捨てるといっても、今回は蔵に放置しておけば解体の業者さんがまとめて廃棄してくれるのですが、、
そんな中、沢山出て来た段ボールの中の一つ。中身は、私の昔の机の中身です。子供の時から、多分高校生まで使った古い机の中身をまとめて入れた、段ボールです。今となっては、どうしようもない物が多いので、半分ほどはそのままにして、他の物と一緒に捨てる事にしましたが、取り上げた幾つかの中にあったのが、2つの箱に入ったままの未使用の万年筆。決して忘れてた物ではなく、勿体なくて使えなかった物です。確か高校に進学した時に、1つは親戚の叔母さんからで、シェーファーのスターリングシルバーの高級そうなペン、1つは知り合いからもらった物で、こちらもパイロットの良い物です。
また、ほかの文房具と共に、万年筆があと2つ出てきました。共に所有していることはキチンと覚えています。一つはモンブンランですが、来歴等は今ひとつ記憶が定かではありません、もう一つは、中学に入った時に雑誌「中1コース」の付録に付いてきた万年筆で、今見るとパイロット製の様ですが、初めての万年筆だったので中1の頃は結構大事にしていた様な気がします。
高1の時に頂いたのだけど、勿体なくて使えなかった未使用箱入りの万年筆ですが、48年ほど前の物のはずですが見た感じとても綺麗ですし、既に今となっては、勿体ないも何もないでしょう、とにかく一度使ってみようかな、ということになりました。
蔵の段ボールに入れずに、ずっと手元にある万年筆も幾つか有りまして、中学の時に父から貰った、初めての高級万年筆であるスターリングシルバーのパーカー(調べてみると、「パーカー75」と言うモデルでした)。確か、当時父が何かの会のお土産として多く用意した品のおこぼれだった気がします。私の妹二人も同じ様に同じパーカーを貰いましたが、おそらく未だに持っているのは私だけでしょう。あと、父の所有の万年筆2本、1つはペン軸は貰ったのと同じパーカーですが外装が金ピカの物、それとセーラーのちょっと太軸のもので、派手さはないけどしっかりとした良さそうな物です。思うに、父は多分文章を書くのはとても苦手だった様ですので、持ってはいてもほとんど使ったことはなかったと思われます。
で、ペンを使って何を書くかですが、そこで、掃除で出てきた未使用のフランス語練習帳(トレーニングペーパー)です。単語や文章を実際にドンドン書き込んで憶えるタイプの練習帳ですが、確か昔フランス語を習い始めた時に、ほぼ同じ練習帳を1冊やったことがあります。ちょっと探してみましたが、現在ではこの手のトレーニングペーパーは出てないんですね。とにかく書いてゆくってのも、外国語を憶えるのに一つのやり方と思うのですが、、
確か昔はシャープペンシルで書き込んだ気がしますが、この年になるとペンでしょう、と手元の万年筆で書き始めてたら結構楽しくて、1度に1項目の2ページしか根が続きませんが、時折やってました。父にもらったパーカーはペン先がXF(今の表記だと極細のEF)なので丁度良かったのです。それに4、50年前に頂いて勿体なくて使えなかった万年筆を、初めて使ってみました。シェーファーのインクカートリッジは探したら出てきたので使いましたが、どうもかなり古かった様で、インクがうまく出ません。遠くの文具屋さんまで行って、新しいカートリッジを買ってきまして、水で内部を洗浄してから取り付けますと、やっとちゃんと書ける様になりました。多分2本ともペン先は細字なんですが、でもこの練習帳の欄は、結構小さいので、そこに書くには、パーカーのXFの方が良いですね。
別記事でも書きましたが、普段使いのボールペンは、ずっと前から三角軸の物を選んで使って居ます。長らくそうしていると、だんだん三角軸のペンを見かけると、使うかどうかは別にしてとりあえず買っておく様になりまして、最近では何だか収集っぽくなってきました。今までは「三角が使いやすいので気に入って、、」だと自分でも思っていたのですが、もしかしたら、そのルーツは中学の時初めてもらった、このパーカー万年筆なのかもしれません。このパーカー75と言うモデル、握り口が三角になっていますから。
_ [misc] 万年筆から、フランス語詩の訳詞(2、フランス語の詩)
新しい万年筆は、フランス語練習帳の書き込みにはちょっと不向きみたいなので、他のフランス語会話本の例文とかを写して書いてみましたが、内容が割とつまらないので、フランス語の詩でも書写してみようと思い立ちました。フランスの詩人、、って考える、一番に思い浮かんだのが、そりゃ、ノストラダムスです!。ノストラダムスの予言集は、確か「諸世紀」って名前で本を買ってあったはず、多分原文も載ってたはず、、と本棚から取ってきました。
一番最初の詩を写そうとしましたが、原文の方の印刷がとてもわかりづらい、、それで、こんな物どっかネット上に有る筈、と検索してみると、、日本語でも沢山の情報が有りまして、とても勉強になりました。私が、これが原題だと思っていた「諸世紀」って名前自体も、その訳も多分に怪しいと言う事などなど。この本は、原詩も載ってるし、学究的に見えて割と信じていたのですが、今回実際に内容を少し調べたりすると、素人目にも翻訳等々、結構怪しいですねぇ。とにかくどれもあまり信用できない、ってのが良く判りました。
なので、各所の解説を読んでみて、それぞれ自分で納得のいくところ、いかない処、などとりまとめて、はっきりでは無いけれど、自分なりの訳を考えてみたりしました。特に、最初の2編はイントロダクション的で、自らの予言集についての解説なので、特に興味深いですね。
ノストラダムスの他に選んだのが、ポール・エリュアールです。私は今まで、あまり詩集などは買っていませんが、ポール・エリュアールの「神々の不幸」と言うイラスト付き詩集を、かなり昔に買っていまして、この手の本にしては珍しく、割と頻繁に手にしています。マックス・エルンストが不思議なイラストを付けた、意味不明摩訶不思議な文章の詩集で、購入のきっかけは、恐らく、内田善美くんの「ソムニウム夜間飛行記」の影響を受けて、よく似た様な本を手にしたのかと、思われます。
"Paul Eluard"で検索しますと、幾つかの詩が見つかります。どっかで見た様な「悲しみよこんにちは」と言う詩が有ったので、この原詩を書写する事にしました。それで、いきなり思ったのですが、タイトルが全然違いますよね。原題は"A peine defiguree"で、普通に訳せば「かろうじて傷はない」と言うところ、色々やってた時、確かどっかの自動翻訳で「ぎりぎりセーフ」って訳が出た記憶がありますが(再現できなかった)、なかなか素晴らしい訳ではかなろうかとおもいます(ちなみに自分で訳すなら「何とか大丈夫」って所でしょうか)。「悲しみよこんにちは」ってのは本文に出てくるのですが、これを題にすえて、日本語受けして、どうだ、って気持ち、わからなくは無いですが、そこまでやって良いのかとも、、
少しひねってますが、エリュアールでは割と素直なので、普通に訳せばそれで良さそうで、実際、"某氏訳"、とDeepLでの翻訳は、タイトル以外はほぼ同じです。始めはあまりピンと来なくても、各単語とかの意味を調べた上で、何回も書いていますと、何だか、解った様な気になるのが面白いですね。
続けて検索しますと、先の当方所有の詩集「神々の不幸」の中の、幾つかの作品の原文が見つかりました。ちなみに、この作品は、私が買ったのと違う出版が、タイトルは「不死者の不幸」とちょっと違いますが、アマゾンで見つかりまして、注文しておきました。まず最初の"Les Ciseaux et leur père"をちょっと大きめなフォントでプリントしました。そして、同時に自動翻訳もさせてみました。
原詩をペンで書き写しながら、また辞書を傍らに、文章をよく見てみますと、何だか、全然違う!、何がって、翻訳とです。まず、本のタイトルは"...IMMORTELS"で普通に訳せば後で買った本と同じで「不死者の不幸」となります。"IMMORTELS"、これを神々と訳すのは、どうかと、素人ながら思います。内容がそれにぴったりだったら、まだ良いのですが、それもどうでしょうか??
それから、最初の"Les Ciseaux et leur père"ですが、長らく翻訳で、冒頭「子供は病気だ...」と書かれてるの読んでいました。翻訳を読む限りにおいて、以下の文章とも全く整合しないので、ここらの詩は、いろいろな単語や文章を意味もなく偶然に組み合わせて、その違和感を面白いと楽しむものかと思っていました。彼らは、数人で各別に即興で作った文章を、適当に組み合わせて遊んでいた、とも聞いたことがありますから。それなので、先に、「意味不明摩訶不思議な詩集」と思ったわけです。でも原詩では、ここ"le petit est.."です。
普通に訳せば「子供」なんでしょうね、確かにGoogleでもDeepLでもそう自動翻訳されます。でも、これは違うでしょう、一瞬アスカの声で「あなたたち○○ぁ」ってきこえた気さえしました。ちなみに、手元の翻訳本2種と、GoogleとDeepL、それぞれ細部は若干違いますが、概ね同じ様な訳です。専門の文学の先生でも、エリュアールなどでは意訳はしないで、あえて直訳風にするのがこういう本の翻訳の流儀なんでしょうか?、、私にはそうとしか考えられません。
_ [misc] 万年筆から、フランス語詩の訳詞(3、更にペン、追加)
万年筆の方ですが、何でもメールで済ませられる中、今時分、万年筆なんて誰も使わないだろうし(数百円のが出てるのは知ってますし、100円ショップにも出ていますね)、昔からの良い物が安く出てないかと少し調べてみますと、、専門雑誌も出ていますし、最近割と人気みたいです。見ている内に私も欲しくなりまして、そう言えば昔ペリカンのが欲しいと思った時期があったなぁ、などと思い出しました。雑誌のランキングでは、そのペリカンのM800が一番人気と知り、検索。買えない金額ではないなぁ、と思い、そこで限定品のストーンガーデンを見つけたので買ってしまいました。細字のFなのに、中字並みですね、でも書きやすい、さすがに噂通りです。
さらに、見た目にほぼ一目惚れのカラン・ダッシュのレマン・キャビアも買ってしまい、さらに、昔カリグラフィに憧れてたこともあり(シェーファーの安いカリグラフィーペンセットを昔買っています)、スタブのペン先があり事を知り、TWSBIのガンメタのスタブのペンを買ってしまいました。
私は昔から、インクの色は黒一択だったのですが、ほかのも楽しいかな、と、文具屋さんで残ってた風なガラスペンと、緑基調と青基調の小さなインクとを共に購入。ついでに雑誌で見かけて惹かれてしまった、ドリログも通販で購入しました。古典インクも使ってみようかな、と、現在注文中です。一行ずつ違う色のインクを使って、ガラスペンなんかで、ノストラダムスの4行詩などを書いてみるのは、結構楽しいです。写経みたいなもんかなぁ、と思います。
結構ペン万年筆にはまっているかもしれませんが、何せ私は字が下手だし、漢字もなかなか出てきませんし、書いても基本見栄えが悪いので、何か書きたくても出来ることは限られている気がします(日本語書くと字が汚くて嫌になります、まだローマ字の方がまともに見えます)。筆記用具もこれ以上有っても仕方ないので、このくらいで終わりかなとは思いますが、、