2022年03月29日
_ [misc] 外国語の詩、エリュアール、ポオの訳詩
万年筆やガラスペンなど、インクペンによる筆記が結構面白くて、所謂横文字と言うやつの詩の書写をし始めました。(実は原稿用紙まで用意して日本語の詩も書いてみたのだけど、書いた字が汚くて、やる気が失せてしまいました)
とりあえずフランス語の、ノストラダムス、そしてエリュアールの幾つかの詩を選んで何度も書き写してみました。最初は、辞書を傍らに、意味のよく解らない単語を調べながらです。
最初の頃は、何の事じゃい、と思っても、何回も、毎日書写していたりしますと、何だか、その詩の内容が解ってきますね。エリュアールなどは、「難解」とか書かれている事がありますが、(確かに素直な文ではありませんが)詩を創作させたその想いは、割と素直である様に見えまして、書き写しているこちらも、少し気持ちが高ぶります。
先の備忘録にも書きましたが、そこで時折それらの詩に付けられている日本語訳を見てみますと、フランス文学の専門家の方の訳の筈なのですが、何だか、少し違うようにも思える所が多いです(と言うか、単純な自動翻訳にとても近い)。これで翻訳したと言えるのでしょうか??
幾つか、エリュアールの詩を読んだ後、外国語の詩と言えば、私にとってはこれです、ポオの「Dream-Land」です!。
もしかしたら、傍目からは情けない話なのかもしれませんが、私はこの詩は内田善美クンの漫画で知りました。ポオの"Dream-Land"、「夜という妖怪が・・・」で始まる、あの詩です。漫画に影響されて、「ポオ詩集」も当時すぐ買いました。
少し長い詩なんですが、その訳詞を読んでみましても、冒頭はまだしも、途中からどんどん不整合で曖昧、意味不明になってしまいます。当時から最近まで、まぁそんなもんなんだろうなぁ、と長らく思っていました。
今回、原文をプリントして、やはり辞書で単語を引きながら、一節づつ何度も書写しています。それで、改めて思うのは(と言うか、驚いてしまう事に)、日本語訳を読むのとはずいぶん違うよ、これぇ、と言う事です。
大体、最初の「妖怪」と言う単語からして、該当の原文は"Eidolon"です。エイドロンを普通「妖怪」と訳して良いのかぁ?、つーのがいきなりの疑問だったりします。更に"Thule"と「チ・ウ・レ」と読ませるのは、妥当なのか???。
次の節の頭でも、"Titan woods"は「巨人族の森」なのかぁ?、普通に「巨木」じゃいけないのか?、これだと此処ら辺りには「巨人族」なる者が住んでる事になるけど、それはそれで良いのか???、で、ここらあたりで、本の日本語訳を追うのをやめました。
昔から何度も読んでいるこの日本語訳は、結構格調高い文章にはなっているのですが、高校レヴェルの英文学の知識しかない私には、実際偉そうな事は何も言えないのですが、原文を読んだイメージとはずいぶん違うように思います。
また、原文は各所で韻を踏んでいまして、非常にリズムも良いですし、ついでに見通しも良いです。