2006年09月01日
_ [music] ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲第一番
先ほどCS−PCMのミュージックバードのClassic7の新譜紹介で、表題のショスタコーヴィチのヴァイオリン協奏曲第一番を聴いた。今年はショスタコーヴィチは生誕100年だそうで、偉大な作曲家ゆえ、もう少し評判になって良いとは思うのだけど、なにせモーツアルトとバッティングしているのがつらいところ。
ショスタコーヴィチの中でも特に好きなのが、このヴァイオリン協奏曲第一番。もしかしたら特にメジャーって曲では無いかも知れないけど、この曲は本当に素晴らしい。そして、ヴァイオリンの演奏の違いがこれほど顕著に出る曲もあまり無い様におもうのだけど、どうでしょう。
歴代演奏の中では、何と言っても録音は古いが、献呈されたオイストラフの演奏がずば抜けて素晴らしく印象に残っている。余人にはまず到達し得ないと思える、高い精神性をたたえた圧倒的な演奏で、ただただ感動するばかり(音がもう少し良ければ)。
この曲を初めて知った、確かオイストラフの弟子の女流のモルドコヴィチ(だっけかな)の演奏もまた素晴らしい。特に2楽章での見事なテクニックに裏打ちされた実を持った前進性は見事だ。また以前放送で聞いた諏訪内の演奏も素晴らしい物だ。この演奏はさすがに日本の女流らしく、とても規範的で綺麗にまとまっている演奏だった。全体として非常に流れよく、常に端正で綺麗にまとまっていて完成度が高い。それでいて画一的にならず、音楽性が充分なのは本人の才能故だろう。他には確かジョシュア・ベルの演奏も聴いた気がする。車中でFMで聞いてよかったのでCDを買ったのだけど、車中で聞いたほどの印象は無かった様な気がする(多分それ以来聞いていない)。そのほかにもCDは有ると思うけど、現在の記憶にはない。
本日の演奏は、バイバ・スクリデという、やはり女流のヴァイオリニスト。全く聞いた事が無い名前だけど、東条さんの紹介によると「素晴らしいヴァイオリニスト」という事。1楽章の演奏は力強さは無いものの(と言うか大家オイストラフの様なのを求める方が無理かも知れないけど)とても繊細でデリケート、細部まで神経の通った良い演奏で、なかなか良いけどまぁ若いという感じ。流石解説通りだ。終盤の3楽章になると依然演奏は全く見事なのだけど、「少々とおり一遍的になってきたかな、ちょっと疲れてきたのかな、でもCDだけど?」と思っていたら、最後の拍手がありライブ録音である事を理解した。
ショスタコーヴィチは、どうも好きになれない曲有るけど、すっごく好きな曲も沢山ある。もっと色々ちゃんと聴く価値が有りますね。