2007年03月31日
_ [wine] ブルゴーニュ古酒ワイン会(その1)
昨年8月にブルゴーニュを訪れたのですが、その折、ボーヌのショップで古いブルゴーニュワインを結構買ってしまいました。最初行く時は、「現地に行ってもワインは買わない」と堅く誓っていたのですが、生まれ年の59とかのワインを見ると、脆くも決意も崩れ、勢いでずいぶん買ってしまいました。冬になってから現地発送してもらいましたが、当方現在セラーに全く余裕無しなので、届いて確認後すぐ東京の知り合いのレストランに発送。落ち着いた頃の今頃にワイン会をやったわけです。
実は、特級とか1級とかの特別なワインはほとんど無いのですが、まぁ信じられない様なワインでしたので、今回は特別少々大きめの画像でアップします
まずは3月31日、6名でご覧の6本です。
[1] Meursault 1959 Selection Nicolas Potel
[2] Beaujolais "clos de l'amandier" 1957
[3] Moulin a Vent 1949 Peyret Freres
[4] Savigny Vergelesses 1966 Bouchard Aine & Fils
[5] Nuit Saint Georges 1959 J.Thorin
[6] Pommard 1959 J.Thorin
最初のムルソー1959は、ショップで並んでいるのを見てびっくりしました。別に59で無くても、これくらい古いブルゴーニュの白は非常に入手困難で、もし有ってもモンラッシェとかでとても高いし、状態もまぁ怪しいのが多いです。それがニコラ・ポテルの新しいラベルで、何本も並んでいるのには(10本ぐらいは有った様な)、さすがブルゴーニュに来ただけは有るかも、、と思ってしましました。
このワインは、ラベルで見た通りで、多分ニコラ・ポテルがそこらのムルソーの作り手の蔵に眠っていたワインを引き上げて売っているのでしょうが、自分のラベルを付けているからには、当然中身は確認して有るはずで、安心出来ますね(少なくても絶対飲めるワインだね)。
48年経っているムルソーですから、色調ははかなり金色になっていましてクリアーでとても綺麗です。香りはちょっと閉じ気味で、そこは古い白なので幾分ひねた香りがしますが、全体的には悪くはないです。テイストも最初は閉じていますが、少ししますと幾らか開いてきますが、基調としてはドライで明らかに飲み頃は過ぎています。でも今でもまぁまぁ飲めて、それなりに美味しく楽しめるだけでも有り難いです。
次のボージョレ1957は、恐らく今回2日間で飲んだワインの中で、一番変なワイン。ヴィンテージもそこそこだし、何やら葡萄畑名が入っているけど、なんと言っても普通のボージョレだし、薄く飲めなくなって居ても誰も咎めないでしょうね。開けた最初は、結構怪しい香りがしたのだけど、この2日間で飲んだワインの中で、何と色が一番濃い!。若い紫系の濃さではなく色が深い(少々くすんでいる)色の濃さ、思わず「何!、これ?」と言ってしまいましたが、、本当に何なんでしょう?
私は飲みながら、酔ったついでに、「絶対アルジェリアあたりのワインとかが入っているんじゃないか、、」とか言ってたと思いますが、今回開けた赤ワイン(実は出所は同じベルギーのセラー)は全体的に非常に色が濃く、驚異的に健全でした。その中では、色は濃いものの、少々バランスの崩れたワインでしたが、私などにはまだまだ充分飲めるワインでした(でも、確かに他のワインとは異質な感じはしました)。
複数種類出るワイン会でも、私は目の前に来たワインは(美味しいと)ついつい全部飲みきってしまうのですが、最後まで少しづつ残していた方の感想では、最後に飲んでみたらとても良かったそうです。残しておけば良かったです、、
次がムーラン・ナ・ヴァン1949。先のボージョレもそうですし、この後のワインも皆そうですが、今この様な銘柄のワインは所謂デイリーワイン、長期熟成させる事はもともと考えていないものですから。よくまぁこんなワインが状態良く残ってた物だと思います(それを言うなら、買った方も買った方なんですが)。ただ今のワインを幾ら状態良く置いてあっても、こんな風にはならないんじゃ無いかなぁ、、
この単なるムーラン・ナ・ヴァン、この2日のワインの中で、最も素敵なワインでした。私はこのワインが一番好きでした。色は本当に上手く熟成したピノの綺麗な色、香りは本当に綺麗に広く立つし、テイストもまろやかで複雑さもありとても美しい。どう考えても、良いヴィンテージの作りの良い上質なブルゴーニュワインが見事に熟成した典型だと思えるのですが、、ムーラン・ナ・ヴァンですから葡萄はやはりガメイなんでしょうねぇ、どうも信じられないのですが、、。
後半は珍しい、サヴィニー=ヴェルジュレス1966です。昔はこういうACが有ったんですね、全く知りませんでした。今はサヴィニー=レ=ボーヌかペルナン=ヴェルジュレスですよね。
その後、ニュイ・サン・ジョルジュ1959、最後にポマール1959となりました。どれも単なる村名ワインなのですが、3本ともとても色が綺麗でまた濃いです。どう見ても80年代以降にしか見えません。
テイストも非常に健全でみごとです。どちらかと言えば、59の2本の方が優れていたようですが、実際ここらになりますと、酔いも少し回ってますし、皆さんとのお話がとても楽しく、ワインもどれも美味しく、細かく「ニュイはどうで、ポマールの方はこうで、」などと考えて飲んでいませんので、解説出来るほど憶えていません。食事もワインも美味しく、友人達との会話も本当に楽しかったです。