2007年05月31日
_ [wine] Ch. Mouton Baron Philippe 1961 (Half)
本日も先日に引き続いてのハーフボトルです。今回はボルドー、それもボルドー最高のヴィンテージ1961であります。
「ムートン・バロン・フィリップ」です。その昔は、ダルマイヤックだったシャトーが、ムートン・バロン・フィリップに変わって、フィリピーヌさんになった時点で、女性形の、ムートン・バロンヌ・フィリップと名前を変えて、更に最近、元の名前に戻して、今はダルマイヤックです。以前は名前が変わったの年代を憶えていたのですが、とんと忘れてしまいました。(すいません)
名前が何度も変わっているので、面白がって昔オークションで古い時代のダルマイヤックと、バロン・フィリップを買って、各時代のワインを揃えてありまして、いつか4つ並べて飲もうかと思っていますが、実現していません。
流石にボルドーでして、先のブルゴーニュはレギュラーボトルのラベルをそのまま貼っていますが、この時代でもハーフ用のラベルです。
ワインは状態も良く、ハーフとは思えない素晴らしさです。暫く前、グリュオラローズの61を飲ませてもらった事がありますが、その時の事を想い出しました。非常によく似ていて、熟成していて広がりがあるのですが、テイストや香りは深淵。ボルドーの良さが最高に出ています。ブルゴーニュのある種直接的な官能性と比べて、思索的とも言えますね。さすがに61です。
_ [wine] Franz Hirtzberger Chardonnay Smaragd 1999
ついでですので、数日前飲んだ素晴らしい白ワインも紹介致します。オーストリアのヴァッハウの高名な作り手、ヒルツベルガーの、シャルドネのスマラクトです。(最近ではビオワインの会の関係で、ニコライホーフの方が有名になってしまっている気がしますが、、)
オーストリアのワインについては、ヒュー・ジョンソンとジャンシス・ロビンソンの「ワールドアトラス・オブ・ワイン」、日本での翻訳題「地図で見る、世界のワイン」(産調出版)のオーストリアの項を是非参照してみて下さい。実はこの章を翻訳したのは私です。(厳密には下翻訳、そのあと山本先生が短くして文体を整えた)
それまで、オーストリアのワインは飲んだ事もなかったので、翻訳するにはまずは少し飲んでみなければ、と神戸のAWAと言う所にオーストリアワインについての資料と共に頼んだのが、ヒルツベルガー他のワイン12本でした。殆どはすぐ飲んでしまったのですが、長らく残してあった最後のワインが、このシャルドネのスマラクトです。(スマラクトとはヴァッハウのワインに用いられているクラス分けの名称の一つで最高クラス、詳しくは前述の本を参考にして下さい)
当時ヒルツベルガーは数本抱き合わせで無ければ買えなかったので、他の葡萄の物(リースリングとグリューナ・フェルトリーナー)や、下位のクラス(シュタインフェーダーやフェーダーシュピール)から飲みましたが、どれも超一流の作り手による品格が備わっていて、本当に良かったです。
実はシャルドネはオーストリアでは結構珍しいかも知れませんが、とても素晴らしいシャルドネのワインでした。「いいワインだなぁ」と思いながら一人で全部飲んでしまいました。
ヒルツベルガーを各種一通り飲んでみて、どれも良かったのですが、一番印象深かったのは(前出の本にはリースリングなどに比べると高貴品種ではないと書かれている)グリューナ・フェルトリーナーの、それもスマラクトでは無く、少し下位のフェーダーシュピール辺りだった様に思います。いいワイン、非凡なワインは、ボルドーやブルゴーニュに限らず色々あるんだなぁと、何時も思います。でも我々にはトレースしきれませんね。