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xiphioの備忘録


2007年11月16日

_ [book] 「春ノ波止場デウマレタ鳥ハ」

今年も人間ドック、行ってきました。今年は某雑誌で紹介されていた、出来たての六本木ミッドタウン病院で受けてみました。昨年のような、病院で一泊するようなスケジュールでは有りませんでしたが、検査項目もそこそこ多いのにしました。

新しい病院だからか、診療場所がかたまっているからか、管理が良いのか、朝9時半と言うことだったので、9時過ぎに行きましたが、それから、待合い場所でゆっくり座っている間など殆どなく検査が続き、昼過ぎには終わってしまいました(夕方までかかると思っていたのですが)。どうせ待ち時間が多いだろうと、雑誌を持って行ったのですが、全く読めず。すぐ呼び出されるので、待合い場所の新聞もろくろく読んでられなかったです。

検査結果は3週間後だそうですが、夜にワイン会を予定していたので、とりあえず胃カメラで生検があると困るな、思っていましたが当日の所は何もなくてちょっと安心しました。

胃カメラの為に、前日の午後6時から何も食べられません。その前日の夕食も、空港でしょぼい弁当を食べただけだったので、ずっとお腹が減っていました。前日の夜は、折角六本木に出てきているのに、飲み食いが出来ず、行くところもないので、部屋で本でも読もうかとABC(青山ブックセンター)に寄りましたが、今回は時間制限が無かった事もあり、2時間以上は居た様です。店を出たら11時を大分回っていました。画像の説明

大きな本屋に入っても、興味有る本を何処にも見かけない事が有るのに、ABCに行くと何故か好みの本がぞろぞろ並んでいます。ABCは私が東京に居た時代から有りますから、結構老舗なのですが(周りのビルはがらっと変わってしまった)、恐らく唯一無二の最高にセンスがよい本屋です。先週少し寄った時は、2万円ほど本を買ったので送りましたが、本日は今夜読みやすそうな本を幾つか。

その中で、マンガ本が一冊、高野文子「おともだち」。傑作「春ノ波止場デウマレタ鳥ハ」が収録されています。昔、プチフラワーでこのマンガを初めて読んだ時(1983年らしい)、何とも素敵で、何ともほの悲しくて、しばし呆然としていました。100ページ程度の長めの短編としては、少女マンガでは出色の作品でないかと思います。(もしかしたら、読む人を選ぶかも知れませんが)

巻頭100ページにこのマンガが掲載されたプチフラワーは、確か何処かに仕舞ってあるはずですが、懐かしくなってつい買ってしまいました。今更ながらに、絵、上手くて素敵ですね。でもそれだから、初出のプチフラワーに比べて、少しばかりサイズが小さいのが、ちょっと残念です。

_ [wine] Charles Krug Cabernet Sauvignon 1959他、人間ドック後の夜のワイン会

折角東京に出てきているのですから、人間ドック終了後の夜とはいえ無駄には出来ません。以前から少しずつ西麻布のスイスシャレーにワインを運び込んでいまして、その夜に皆でワインを飲む会をする事にしました。昨年ブルゴーニュに行った時に、ガイドしてくれた鈴木さんが丁度日本に帰国中の為、彼を呼んで、あと友人数名で、私が持って行ったワインを飲みました。当日飲んだワインは以下の通り。余所で飲んだワインなので、ラベルの画像は有りません。

Santenay 1er cru 1959 (Chapelle & Fils)

Charles Krug Cabernet Sauvignon 1959

Chateau Latour 1975

Chateau La Mission Haut Brion 1989

Moraga Bel Air 1993

59のサントネイは割と最近買った物。ラベルも新しくリリース自体が最近と思われます。皆の話では、このラベルで暫く前にこの手の古酒が出回った由。私が買ったのはその一部ですね。でもとても素敵でチャーミングなワイン。皆さんの評判も良かったです。

本日のワイン会を終わっての、皆さんの一番の印象は恐らくチャールズ・クルッグの59でしょう。カルフォルニアワインの1959ですぞ。飲む前から、これ多分美味しいよ、と言っていたマダムは流石です。普通の人は「大丈夫?」と思うだろうけど、実は違うんだなぁ、この頃のカルフォルニアのカベルネは実にクラッシックな良い作りをしていて、ボルドー優秀どころが持つフィネスには少々欠如するものの、実に堅実な良いワインなのです。この頃のCAのワインと言っても、作り手はそれほど多くなくてBV(ボーリュー・ヴィンヤード)のPV(プライヴェート・リザーブ)とか、あとイングルヌックあたりですが。これは結構昔に買ったワインですが、買ってすぐ飲んだ最初のボトルの記憶からすると、このボトルは私の予想を超えて元気。まず普通に50年近く熟成したワインとしてはとても色が濃い、最初は香りはあまり立って無かったけど、後で飲むと香りもテイストも開いてきていて、とても素晴らしかった。でもその頃にはグラスには少ししか残って無くってちょっと残念、本当はデカンタした方が良かったワインでした。

後のラトゥール75もミッション89も、まぁ名前通り評判通りの素晴らしいワイン。やはりミッション89は受けますね。モラガ93はこの中では明らかに異色のワイン。如何にもカルト・カルフォルニアワインがプンプンのテイストですが、不用意に重くなくこれはこれでストラクチャーもインパクトもあって素直に美味しいと思います。私自身はモラガは結構好きです。

実はこれだけ飲んでベロンベロンになりながらも、その後友人に誘われてワインバー二軒はしごしてきました。一軒目めは銀座の針井さん所、知っている人は知ってる東京一ディープなワインバー(関西や地方にはこんな所結構あるんですが)。狭い店ながら知り合いが居たりして、、この世界はやはり狭いよね。二軒目は私に合わせてクラッシック音楽ファンの為のワインバー!(有るんだねぇ、余所には無い)、残念ながら私はここらが限界で一杯の白ワインもろくろく飲めずに退散、ちょっと残念だったので、ここにはまた行きます。