2008年06月25日
_ [wine] Ch. Cheval Blanc 1959
古いワインはコルクが弱くなって、横に寝かせておくと、少しづつワインが漏れてきて口がべとべとになったり、床にもれたりすることが結構あります。私の所でも、1、2年に一度くらいそういうワインを見つけます。先日見つけたのが、何と59のシュバルでした。この様なワインは、出来るだけ早く飲まないといけない訳で、暫く立てて置いてあったのですが、本日思い切って開けてみました。
開ける前の液面は、ミッドショルダーからローショルダーの間くらい。コルクは意外とキチンとしていて、液漏れしているワインだったけどネックに引っ付いても居ず、ちゃんと開栓可能。でも流石に50年経っているので、じわじわ引き上げる口からポロポロとコルクが崩れてゆく。最後少し落としてしまったのは、やはり仕方ないですね。
最初のテイスティングから、何と甘い!。流石に古酒っぽいちょっとシダーのテイストをもった深みもあるけれど、甘い果実実がその前にあって、まずはとても美味しい。傷んだ風な所が何処にもない事にひとまず安心しながらも、「凄いなぁ、50年近く経ってるのに、、どーやったらこんなワイン作れんだろう?」と真剣に考えてしまった、、。私の中で似ているワインと言えば、ブルゴーニュだけどバロレコレクションですね。
残念ながら私は飲んだことが無いのですが、47のシュバルは大変有名なワインで、このワインに100点を付けたパーカーさんは、確か、まるでポルトの様だとも評していると思いますが、、うーん、このワインはまさにそんな気がします。開けて1時間経っても(何故か)果実実がへたらない、なんだか残糖量が多い気がする、等々です。
その先に出たバロレコレクションのワインですが、私は何回か飲んでいますが、何本か飲んでて思うのが、「このブルゴーニュ、美味しいけど、やっぱり変!」って事です。まず、「ヴィンテージが30年代だろうが50年代だろうが、畑が単なる村名だろうが特級クラスだろうが、実質はそんなに違わない」って所でしょうか。確かに違いはありますが、それは本質的な物でなくて、状態の違いに依る気がするのです。複数本飲んでいる人にはそう思っている人も多いみたいでして、この間そう言う知り合いと飲んでまして、「絶対、ポルトとか何か混ぜてるよぉ」と言います。そう言われれば、私もそう思います。「でも美味しいから何も文句は無い」と言うのも共通した意見です。幾らするか判らない最近のロマネコンティより絶対美味しいです。
で、この59のシュバルですが、今まで結構飲んだ優秀な59のボルドーとはちょっと違う気がします。理由としては、「作られた時から、大変凝縮していた」か、「何かの理由により、液面が下がった分だけ凝縮した」か、「このロットのワインには、酒精強化的な要素が有る」でしょう。以前にも59のシュバルは飲んだことがありますが、様相は全然違いました(熱にあたったらしく、状態は良くなかったけど)。出荷の樽によって、中身の質が大きく違うことは当時良くあった事らしいので、それが理由かも知れません。
まぁ、なにはともあれ、ワインは目の前の1杯のグラスの美味しさです。開栓してからそう変化しないですが、パーカーさんならさだめし100点を付けそうなワインです。とても良いです、恐らく47のシュバルもこんな感じなのでしょう、多分2000のラトゥールより(飲んだこと有りませんが)こちらが絶対良いと思います。