2008年08月30日
_ [wine] William Selyem Pinot Noir 2003
週に何度かワインを開ける訳ですが、どのワインにするかと言うのはなかなか微妙な判断で、平衡状態の飽和溶液みたいなもので、ほんのちょっとしたきっかけで、次の状態が決まってしまう物なのです。
今日は昼にワインスペクテーターが届きました。内容のメインはチーズで、あとブルゴーニュの白とそしてカリピノ等々です。で今日は、私としては珍しくカリピノ(カルフォルニアのピノノアールのワインの事です)にしてみました。
CAのワインは一時結構買いまして幾らか持っていますが(もう買わないと思う)ピノはそれほど買っていません。昔には、カレラ、それからABCその他フラワーズなどです。最近「カリピノはブルゴーニュを超えた」とか言う謳い文句(売り文句)をどっかで見た気がしますが、それはまず見当違いと言うか、全く筋違いの意見かと思います。CAの(現代の)カベルネもボルドーとは別物と思っていますが、ピノに関しても、ブルゴーニュの物と比べると、テイスト上それはより全く別物と言えます。比べる事自体が、どうもおかしい気がする程です。
で、その独自のワイン、カリピノですが、良いワインしか飲んでいないせいか、結構好きです。きょうのウィリアムセリエム、とても素敵で楽しめました。でも先にも書きましたが、ブルゴーニュワインとは別物です。最初は深く濃厚な甘みさえ感じます。あぁ、カルフォルニアだなぁ、とは思いますが、良い作り手のワインはそれに終わらず、テイストにしっかりした構成があって、かつアフターがとても深くて長くて誘います。CAのカベルネのワインと同じで、飲み頃は特には有りません、開けたい時が飲み頃ですね。
ついでに先日飲んだワインも記載しておきます。(備忘録です)
マトロ・ウィッターセイ(Matrot Wittersheim)のムルソー・シャルム1999です。私はそれまで全く聞いた事もない作り手でしたが、南大阪の酒屋兼ワインバーにお邪魔した際に、マスターより薦めてもらったワインです。話によると、ネゴシアン・ルロアが買い付けたワインだそうです。つまり、このワインがラベルをルロアに変えて、売られていたらしいですね。
薦めてもらったマスターは充分信頼に足る方だとは思いますが、情報の出所によっては怪しい場合もあるし、こういった類の情報はたくさんあり過ぎまして、知れば知るほどある意味疑心暗鬼にもならないではないので、私は常に有る程度割り引いてしか信用しないようにしていますが、確か1万円弱だったのでとりあえず買っておきました。
ちょっと早いかなと思いつつも開けてみましたが、確かに素晴らしかったです。ヴィンテージも良いですが、不用意に押し出しが強いだけと言うワインでなく(ムルソーにはありがちかも)、極めてスタイルとバランスが良く、洗練された美味しさ充分!。見事さでは、先般のドーブネのワインと相通じる所があって、確かに、このワインをルロアのラベルで売ってもそれは違和感は無いでしょう。見事な物でした。