2009年01月06日
_ [wine] Grands Echezeaux 1988 (DRC)
私も1ヶ月先の誕生日で何と五十歳となるのですが、ふとワインを十全に楽しめるのも十年と少しかなぁ、なんて思うにつけ、今まで勿体なくて飲めなかったワインの幾らかでも早めに飲んでしまおうかしら、、などと思ってしまう訳です。
そんな中、ふと「え、DRCのワインって、どんな感じだっけ」と思ってしまいました。そう言えばここ数年は飲んでしません。以前から高い事は高かったのですが、今みたいに「飲む代物では無い」くらい高価なワインになってしまった状況では、新たに買う事は絶対無いにしろ、昔買った物も何だか飲めなくなってしまうのですよね。
そうは言っても久しぶりにDRCも良いな、と言う事で、誕生日一ヶ月前記念に飲んでみる事にしました。数日前にヴォギュエのミュジニー88を開けたので、比べるのも面白いかな、と同じ88にしました。
このボトル、開けた時から芳香がなまめかしく立って魅力的です。開栓時のテイストも、香りに沿って滑らかで妖艶、グリセリンが高い感じがします。しかしその分、テイストの構成力複雑さは余り感じず、この間のヴォギュエとは結構対照的と言えます。
最初から超複雑なDRCも当然あります、が、そう、なんかちょっとこのこうヌメヌメっとした所、そして最初は脆弱にも思えたバックボーンが奥底にカチッと有ってテイストがふらついていない感じ、そう言う所がDRCらしいかな、違うかな。実は最初の「ヌメヌメっとした所」は私の知り合いの受け売りです(多分)。むかぁし、殆どDRCを飲んだ事の無い私が、当時沢山DRCを飲んでいた彼に、「このどういう所が、DRCっぽいの?」と聞いた返事だったと記憶しています。
今では絶対あり得ない、彼の知合いの某飲食店に行った時にいきなりブラインドで出された赤ワイン、彼はDRCと当てました。私は全く判らなかった、、今日のワインの最初の感じは、その時のワインのテイストを強く連想させ、かつ想い出させてくれます。もう十年以上前の事なのに変ですね。その昔ブラインドで出たワイン、確か80年代後半のロマネコンティでした。
さて、開栓後一時間近く経つと様相は随分変わります。ストレートな所が無くなり、その代わりその黒光りするバックボーンが出てきます。香りは複雑さを纏い、型としてはとても見事だとは思いますが、素直に美味しいかと言うと、「えっとぉ、それはどうかな」と思います。ですから、「DRCは充分古いのが良」と言う方が居るのでしょう。しかしながら、やはり見事なワインです!。DRCは多分、ブルゴーニュの作り手の中で、その素晴らしさが一番判りにくいワインだと思うのですが、如何でしょうか。