2009年09月28日
_ [wine] Vosne Romanee Beaumonts 1959 (Charles Noellat)
同じヴィンテージの他の2、3本のワインと一緒に買いましたが、このボトルだけは状態を問わない事として買ったワイン。届いたボトルは、かなり液面が下がっていて、そのコメントがつくのが解る感じ。普通だと売りづらいだろうなぁ、でも経験上、ここら辺りのこんなワインは、この程度液面が下がろうが、まぁ結構平気なんですねぇ。
右の画像が開栓前のこのワインの液面です、1、2杯のんだ後ではありません。このワインはこの4月に買ったのですが、やはり早めに飲むべきかと思いまして、夏が過ぎるのを待って、やっと本日開けてみました、、、、っと言ってもその開栓が問題だったのです。
このワイン、実は口が蝋封のワインでした。で、いつもの通り蝋封のワインを開ける為にカバーして、口の蝋を割っていたら、、、あらら、コルクがいきなり吸い込まれて落ちてしまいました。以前にも書きましたが、古いワインは内部が陰圧になっている事が普通で(なってなければコルクが弱っている)、コルクを開ける時には開封のショックでコルクが吸い込まれる事を注意しなければいけないのですが、蝋封だったので油断してしまいました。
普通だったら、私なんかは、コルクが落ちてしまった位ではそう気にしませんが、今回は、あろうことか、砕いた蝋とその上の何だか解らないけど乗っかっていた黒いゴミの粉を一緒にワインの中に引き連れて仕舞いました。ボトル内のワインの液面は、蝋屑みたいなので一杯です、どうしましょう??。
一応デカンタしてみましたが、どうやっても液面上に盛大にゴミ屑が浮かんでいます。まずエイヤと蝋粉とかのゴミを無視してテイスティングしてみましたが、うんうん、ワインは実に素晴らしい!、でも液面上のゴミはどうしようもありません。
そのまま飲むのはさすがに私でも気持ち悪いので、最後の手段です、珈琲用のペーパーフィルターで漉す事にしました。割と誰でも思いつくやり方ですが、「ペーパーフィルターで漉すと、なんか紙のテイストが付くんだよね」と言う、先人諸氏の意見を聞いた事がある私としては、未だにやった事が無い手法なのですが、今回は仕方ないですね。
使用したペーパーフィルターは無漂白のもので、そのおかげか、心配していた様な紙臭い所はあまり有りません。でもフィルターで漉すのでやはり空気に触れすぎで、最初に無理して飲んだ時に比べて、幾らか時間が経ったワインのように感じられます。
そう言う訳で出来るだけ急いで飲んだのですが、しかし細部は幾らかぼやけるものの、結局このワインはその位では簡単にはへたらない芯の強さと果実実を持っていますね、これは凄い!。ほぼ50年経って、コルクもこんなになっている状態でも、ワイン自体のテイストには「傷んだ」という所が全くないです。
ホントにまぁ、昔は何でこんな凝縮したワインが出来たのだろうかと、今更ながらに考え込んでしまいます。一杯ごと一口ごとに、驚きまた不思議に思うばかりです。この様な作りの古いワインは、最も深遠なミステリー小説の様な物です。