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xiphioの備忘録


2010年03月07日

_ [audio] Lo-D HMA9500 修理記録備忘録

日立のHMA9500は、CANタイプのFETを終段にした、今でも大変人気のあるアンプです。オークションでも昔から高くて、作動品なら8、9万円はしていました。まぁ、さすがに最近は少しは安いみたいです。

整備がし易く裏を開ければ基盤に簡単に手が入れられる事や、ヒューズ抵抗を数カ所使用していて終段まで飛んでしまう事が少ない事により、プロテクトがはずれない不動品でも結構していまして、だいたい6万円位はしていました。画像の説明

暫く前に、「プロテクトははずれるが、電源確認のみ」と言う個体を、それよりは少し安く買ってしまいました。さすがに、最近全体的に価格が幾らか下がっているようです。買う前に「プロテクトがはずれるのに音出し確認をしていないのは怪しいな」、とも思ったのですが、危惧したとおり片チャンネル(R)から音が出ません。どうもリレーのせいでは無さそうです。「やっぱり故障機体か、どうしよう」と思いながら、とりあえず裏を開けて良くみてみますと、R側の基盤の端が割れています。

割れた原因は、輸送中の衝撃で足を取り付けている底板が拉げ、内部のヒートシンクを押して、そのせいで基盤が割れた様です。ネジ止め付近から3つに割れています。まずはそのせいで音が出ないみたいです。この様な機構的障害でしたら、あまり電気回路の知識のない私にでも直せそうですので、とりあえずこの基盤を修復すしてみる事にしました。

ネジ止め付近なので、割れた基盤をひっつけただけでは強度的には無理があるので、更にその上からグラスエポキシの基盤を貼り付けることにしました。その部分のパーツはリード線が足らなくなるので、交換です。裏のパターンは当然切れているので、線を這わせて修復します。回路図を手に入れたり、部品を手配するのに時間がかかりました。抵抗1個、と言うのが、当方のような田舎ものには、一番大変です。画像の説明

用事のない日曜日に作業にかかりました。私などのような、あまり経験の無いものには、時間はかかっても、とにかく慌てず丁寧にゆっくりする事が大切と思います。割れた基盤を修復して、音を出してみますが、音が出る事は出ますが、酷く歪んでいます。やっぱり簡単には直らないかと、その日はそれで終了。

あれこれ考え、手に入れたマニュアルのバイアスの調整を見てみますと、バイアスが調整出来ません。このアンプはヒューズ抵抗が劣化する事が多いらしいので、次はまずそのヒューズ抵抗を交換してみる事にしました。また部品集めですが、手に入らない抵抗値のものは仕方ないので、普通の抵抗にしました。またまた用事のない休日に交換にかかりましたが、どうやら一度交換した形跡があります。取り外した物も正常なものでして、案の定、抵抗を交換しても症状は全く変わりません。そこで、しばし中断。

私はアンプの回路図なんて見てもあまり理解は出来ないのですが、暇な時に眺めていましたら、やはりTRが原因である可能性が高いです。そこで怪しそうなTRを数個交換する事にしました。昔ならこんな地方住まいの者が、古い型番のTRなんて入手することは困難だったでしょうが、今はインターネット経由で買う事が出来るので、本当に有り難いです。折角なので、電解コンデンサと、可変抵抗も交換するべく、部品を集めました。

それから暫く経った用のない休日、一気に部品交換してしまいました。電解コンデンサはちょっと張り込んでKZを使いました。何度も確認した後、通電しますとちゃんと音が出るようになりました。何とか故障箇所は修理出来たようです。

その後また1日使って、Lchの方もメンテしました。同じく電解コンデンサと可変抵抗の交換です。TRは迷ったのですが、片方が劣化していると言う事は、もう片方も怪しいので交換しました。こちらの方もヒューズ抵抗は交換した跡があったので、交換しませんでした。その後、歪み率を測ると小出力時に安定しません。振動を与えると、更に激しく揺れます。SP接続リレーの接点が良くないみたいです。

リレーは交換が原則です。ただ、ここで使われているリレーは電圧が48Vと高いし(今では特殊)、足が基板用の物でも更に細い物で普通には売ってません。頼めば作ってはくれるみたいですが、数ヶ月かかるようです。有り難い事に他のアンプと違って、このアンプは基盤に付けたまま簡単にリレーのカバーが取れますので、基盤に付けたままリレーの接点を磨いておきました。そのうち交換した方が良いでしょう。画像の説明

あと残っているのは、電源基盤のメンテナンスです。この個体は割と初期の物らしく、電源基盤の電解コンデンサにバイパスのフィルムコンデンサが並列に入っていません。某修理HPの画像を見ると、その後の物は、如何にもあとからとってつけた様にコンデンサが並列に入っています。ついでなのでその画像を参考にして、同じようにする事にしました。容量はたぶん2.2uみたいなんですが、大きさからして4.7uがつきそうなのでそちらにしました。

電源基盤の4つの100V 470uの電解コンデンサですが、普通はFGなんかにするみたいですが、足のピッチも合わないし(もう一つの穴が使えるけど)どうも不格好なので、元のと同じ径の200V 680uのコンデンサ(高さは半分くらい)を用意しました。足はスナップインとか言う、ちょっと太い物なので、ルーターで丁寧に削って使いました。その他の電解コンデンサとヒューズ抵抗を交換して、終了です。でも1日かかりました。

そして本日、衝撃で、足の辺りが拉げて仕舞っている底板を、叩いて打ち出して平らにします。あとFETのシリコンをちょっと追加してつけなおします。そして0点とバイアス調整。歪み率を測ると、電源基盤をメンテする前より良くなっています。綺麗に拭いて汚れを取ってから、愛用している呉の防湿防錆スプレーのマリンを吹いてとりあえず上がりです。

本当は、あと電源ケーブルと、SP出力端子も交換したい所なんですが、しっかりハンダ付けしてあるのを、取る気があまりしないので、とりあえずはここまでにしました。

マランツの3300とTRIOの700Mを看ていた間を除いて、買ってから数ヶ月、裏蓋を開けてずっと作業机の上におきっぱなしでしたが、やっと組み立てられました。まだあまり聴いていませんが、流石に良い音の様に思います。