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xiphioの備忘録


2011年12月14日

_ [wine] Gevrey Chambertin 1949 (Gauthier Freres)

今開けてから(いや違うなぁ、正確には「デカンタしてから」です、理由は後述)45分位でしょうか、こりゃぁ、もう、これって、バロレ・コレクションの域ですねぇ、万人に受けるかどうかは疑問ですが、完全に私の好みです、いいですね。ほのかな甘みを伴って、優しく綺麗な酸をまとった洗練されたテイストと、その口蓋に残る美しい長い長い余韻がその特徴です。こうやって暫くグラスを置いて文を書いている間も、長くずっーと鼻の周りに残るチャーミングな香りは、魅力的な事この上ありません。画像の説明

このワイン、最初は結構キビシかったのですよ。最初のテイストでは、このワインが時間を於けば、チャーミングなワインになるのか、骸骨の様なワインになるのか、今回だけは私にも判別出来ませんでした。良い方にころがってくれて、感謝感謝です。

ここまではライブ記録でした。後は飲んだ後での報告。

このワインはつい先日買って届いたものです。リストで選んだものですが、届いてみるとこのボトルはかなり液面が下がっていました。横にするのも怪しそうだったので、すぐ飲む用にと、斜めにしておいたのですが、1、2週間してから飲もうと持ってきますと、何だか液面に浮いています。よく見るとやっぱりコルクが浮いていましたぁぁ、あーまたです。古いワインは内部が大概陰圧になっていますので(と言うか、なってないと怪しい)、この度はコルクが弱っていたのと、輸送とその後の温度変化でコルクが吸い込まれてしまったのでしょう。オークションや**酒販、また**コレクションではなく、ちゃんとBBRから買った物なので、もし届いた時にコルクが落ちていれば、返品していたかも知れません(確か3万円程していますので)。飲んだ結果とすれば、返品しなくて正解でしたけど。(そーいや、ワインは結構古いのまでかなり買っていますが、一度も返品した事はないですねぇ)

40年ぐらい以上古いワインを開けた人はご存じかと思いますが、キャップシールを取ると、コルクの上に、黒い土みたいな砂みたいなのが沢山積もっています。由来や正体は何だかわかりませんが(黴が土の様になったものなのかな?)、何だかとにかく泥みたいで汚いです。コルクが自然に吸い込まれてしまうと言うことは、その土みたいなのも吸い込まれてしまって居るわけです。ですから、液面に沢山その粉が浮いていて、正直とても気持ち悪いです。

こういう場合は普通にはデカンタ出来ません(粉が混ざってしまう)、コーヒー用の紙フィルターで濾す方法もありますが、古いワインには余り使いたくないしその変な粉が溶け込まないとも限りません。それで以前も使いました、ホースによるサイホンで瓶の下の方からワインを吸い出しました。この方法ですと、ワインをあまり痛めることもありません。当然底に溜まっている澱も吸い出しますが、液面に浮いている気持ち悪い粉が入らなければそれで良いのです。

そういう方法でワインをデカンタしてから飲み始めたのが、冒頭のコメントです。栓は何時かわかりませんが先に吸い込まれてしまっていますので、「開栓後」とは言えなかったわけです。しかし、その後も15分、30分でワインはかなり変わりましたから(最初、酸も立ち痛んだ風だったけど、そのうちチャーミングなすばらしいワインに変容!)、キャップシールだけで空気結構遮断されていたんですね。

「飲もうと見てみるとコルクが落ちていたワイン」って、これまで何度かありましたが、それらも、まずまず美味しかった記憶があります。コルクが落ちてしまって事実上半開栓状態に成っているような、危ない事この上ない様なワインでも、結構大丈夫なんですね(私の場合1:2位で、美味しい場合が多いかな)。やっぱりワインって分かりません。