2012年01月04日
_ [misc] 「星を追う子ども」
年末にDVDレンタル屋さんに行ってみると、新海誠さんの最新作「星を追う子ども」のDVDが出ていたので条件反射的にレンタル。
本日やっと全編視聴、まだ一通りしか見ていないけど感想とすれば、前評判通りまずまず良いです。特に最初の部分と、後半が良いですね。事前に読んだ評論では「ジブリ的」と評される事が多かった作品ですが、実際に見てみると、まず思うのは「やはり新海節」です。それは映像ですよね、相変わらず(さすがにパターンが見えちゃいますが)美しいです。
そして新海作品をずっと見てきた私としては、今回はこういうファンタジー世界物にしてみました、と言うだけで、それがジブリ作品と似てると言われても、監督はちょっと困ってしまうのでは無いでしょうか。この作品を全部見て、単にジブリ的って評する人は、割と狭い見方しか出来ない人ではないかと思うのですが、どうなんでしょう?。
で、一回見ただけのファーストインプレッションとして、正直出来としては75点って気がします。ストーリーとしては(言っちゃ悪いが)ありきたりなファンタジー物で、それとしては今迄結構独自色が強かった新海作品とは違いまして、その点ついつい既存の宮崎作品と比べてしまうと、やはり完備度は75%です。
ストーリー以外で気になる事は、ちょい細かい事ですが、前半の時代設定がぴしっと決まってない気がします。オート三輪が出てるのに電子ジャーがあったり、タイプライターで原稿書いているのに、軍の装備やへりがやたら近代的だったり(実は何とか許容範囲なのかも知れませんが)、、なら別世界物とするにしても、タバコが(固有名詞の)ハイライトだったりするので、どうもそうしずらいし、、って感じで中途半端です。お話自体も、あとでちょい考えてみても「ハテナ、ドーシテ」が多くて全体の纏まりとしても、やはり75ってところですか、、
作風の影響としては、一般的評論とは違って、ジブリ的と言うよりも「もののけ姫」的、またエヴァ的な所もちょいと有るかなぁ、というくらい。(といっても現在、これらの影響は何にしろ避けられない)あと見終わった後で感じた事ですが、「音楽があまり印象的ではない」って事もあります。終わってゆっくり聴いたエンディングテーマは、別にどーって事無いJポップスみたいでしたし。他の所の音楽は天門さんなので、気にならなかったって事は、それなりに良かったのでしょう。でも今までは、音楽の力で持って行ったところも結構あったので、それが今回は希薄でしたかねぇ、もう一度見直せば、印象、変わるかも知れませんが。
どちらにしろ、宮崎さんが監督をしていない最近のジブリ作品の、確かに良く出来ているけどそれまでの「キラメキ」が無いアニメに比べて、何かこう素敵です。宮崎駿以後のアニメ界の期待のNo.1は、今のところやはり新海誠さんではないかと思う次第です。
後述:ちょっと後で気がついたのですが、「ほしのこえ」でミカコがゆくシリウス星系の衛星の名前、「アガルタ」なんですね。もしかしてお話繋がっているかも、、でも、さすがに今後あらかさまにそうする事ないでしょうが、制作の内ではそんな心情が有るかも、、ですね。