2013年09月03日
_ [misc] 「魔法少女まどか☆マギカ」
先日久しぶりにレンタルDVD店にゆきますと、「魔法少女まどか☆マギカ劇場版」のDVDが2枚並んでいました。噂に聞く「まどマギ」ですが、どんなアニメだか殆ど知らなかったので、早速、劇場版を借りて帰り、すぐ見てみました。普通の人には「今頃見たんかい、遅いわ!」って所でしょうが、最近情報に疎くて劇場版が有るのも知りませんでした(新海さんの新作も、この時にレンタルDVDを見て、やっと気がつく有様)。数日後、返却と共に、隣に並んでいたTV版のDVDも全部借りて帰り、そちらもすぐ見てしまいました。
噂に違わず、と言うか、流石に引き込まれる見事な出来のアニメですね。この秋に、続編が劇場版で出るそうです。大変楽しみです。
この「まどマギ」、まず【第1】にシナリオが非常に良く組まれていてす。言い換えれば、殆ど無駄な部分が無く話が進行します。考えればTVでも12話しかないんですよね、つまんないアニメでも普通20話以上は有ったりするのに。だから今回TV版をまとめて劇場版を作っても、殆ど削るところが無かった様に見えます(仕方ないので冒頭の夢の部分を削った感じ)。まどマギは制作の都合上、企画が出来てから制作に入るまでに暫くあったらしいですが、それも構成の成熟にプラスしたのでしょうか、ともかく最終話までのプロットは全部出来てから制作に入ったらしいですから、完成度が高いのも頷けます。
世界観やその物語については、私には、正直そんなに革新的だとも思いません。確かにヒロインが次々死んじゃうし、いつも苦悩と悩みにさいなまれている1ヶ月で、ちょっとダークっぽいですが、それは他のアニメでも良くある話です。特に良い出来とか感動的なストーリーとか、ともそう思えません。枠組みやお話的には、私の知っている範囲では、たとえばレイアースあたりと、それほど違わないんじゃないかと思いますが、、。
しかし物語進行の完成度と言うか、その集中度は全然違いますね。多くのアニメと違って、オリジナルストーリーと言うのもあるのでしょうが。
【第2】には、美術と演出が見事で、とても印象的です。魔女の支配する異世界を象徴する、劇団イヌカレーのコラージュの雰囲気はもちろんですが、それ以外でも、インキュベーターが介在したからこそ出来上がったと思える、一都市にすぎないであろうこの市の、実在感の乏しいSF的環境と、それだから出来上がる裏の部分とかの、美術的な表現が見事だと思います。演出も、先にあげた美術を含めて、アニメならではの表現を充分に尽くしている感さえします。各場面が、とても印象的ですね。
【第3】に、音楽が極めて魅力的です。ClariSが歌う主題歌なんかは、普通のアニメっぽいですが、梶浦由記さんが作る、色々な効果音楽や挿入曲、そしてエンディングテーマがまた、大変印象に残ります。この音楽の発注は、脚本とかが全部出来てからされたみたいですが、そうであっても、たとえばエンディング曲の「Magia」などは、このアニメの雰囲気全てを決めてしまっている気さえします。
色々な要素が集まって、今までのこの手のアニメとは全く「モード」が違う、「とても印象的」なアニメに仕上がっています。作ってる側の熱意も、良く伝わってきます。調べてみると、二次作品、派生作品等々も多数、世に受けるのも当然ですね。
まどマギと同じく、深夜に放送される(だから主な視聴対象が、青年以上)深夜アニメが人気だそうですが、これくらいのクオリティを持っているのでしょうか?。最近昼夜を問わず、TVという物をを殆ど見ないのであまり分かりません、時折話題になっているタイトルなど聞きますが。私などが以前に見ていた、昔の名作とされるアニメも、今見てもやはり面白いのですが、作画や演出そして音楽など、作品としてのクオリティを考えると、やはり隔世の感があるのは否めません。