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xiphioの備忘録


2014年02月10日

_ [wine] Montrachet 1996 (Drouhin, Marquis de Laguiche)

先月末より、白ワインを飲む機会が随分多いです。それも結構良いのを飲んでします。ドーヴネのフォラティエール位から始まって、トロ=ボーのコルトン、シレックス、ラモネ、書いていませんがコシュ=デュリも飲んでいます。この流れなんで、今日はラギッシュのモンラッシェを開けてみました。画像の説明

ラギッシュは好きなので、無理して結構買っていますが、何しろ「モンラッシェ」なので、何時もどこかに持って行って、誰かと飲んでいます。こうやって家で一人で飲んだ事がまだ無い事に気がついて、本日開けてみました。

色はかなり濃くなっています。この所何度か話題にしているプレモックスっぽいですが、それほど酸化テイストは有りません。この数年のうちに開けたこのワインは、どれもこんな感じで色が結構濃くて、プレモックスとまではいかなくても、ちょっと早いかなとも思います。

少し時間をおいたテイストからは、やはりモンラッシェの格がバリバリです。たとえば最近の人気の作り手の白ワインとか、ルロアの村名の白とか、それはとても美味しいのですが、ここらあたりのワインを飲んでみると「生まれの違い」を感じざるをえません。私はテロワール至上主義では無いのですが、、。

_ [music] 新垣隆:交響曲第一番 現代典礼

まぁ、今年になって一番驚いた事って言ったら「佐村河内守」の暴露事件でしょう。「発表した楽曲、実は自分で書いていませんでした」なんてのは、とにかく売れれば良いっていう商業化の激しい、ポピュラー音楽の世界では普通に有りそうな話ではあるけれど、自己表現(=自己主張)が中心の現代クラッシック音楽界ではあまり無い話です。逆に言うと、この「佐村河内守」のマスコミを含めた周りの売り方が、殆ど露出的商業化されたポピュラー音楽に近い物だったのでしょう。

以前から、芥川賞に応募の「交響曲第一番」、とても良い作品だとは聞いていました。CDもかなり売れているらしいので、興味もあり買おうとは思ったのですが(大友さんの指揮でもあるし)、今まで買わないで居ました。これだけ有名になれば何時でも聴ける、とも思って居たのですが、そればかりでなく、何か周りの取り上げ方が気持ち悪かったんですね。私、あまのじゃくですから。でも、彼の(でっちあげの)経歴や作曲エピソードは、「凄いなぁ」と思いながら、素直に信じていましたが。

それで、この事実です。作曲は新垣隆さん(新垣さんの1時間程の会見、全部見ました)。何はともあれ、まず思ったのは、これでやっとこの楽曲を聴く気になったと言う事。出荷停止らしいので、急いでアマゾンで注文しました。(現在、アマゾンには商品のページ自体が無い)それで、本日届きまして、早速今晩聴いてみました。

いやぁ、この曲、本当に名作ですね。予想していたより、ずっと素晴らしい名曲です!。色んな人がこの曲について評論していますが、確かに少々長くて、全体的に見てパッチワーク的な気もする。ちょっとゲーム音楽っぽい所があったり、2楽章や3楽章の最後の方は、確かにマーラー風だったりする(素人の私でも、そう思えてしまう)。でも、良いじゃないですか、マーラーの曲のコピーでないし、立派で見事な創作です。そういう方多かったと聞きますが、最後なんて本当に涙が出てきました。表題もウソ、作曲のエピソードもウソ、そうだと知っていても、曲自体はウソはつきません、多少「狙った感」は有りますが良くできた本物の名曲だと思います。(しかしまぁ、よく「HIROSHIMA」なんて副題をつけた物です。あまりにピッタリなのに更に驚きます。)

確かに、優れた現代作曲家の新垣さんからすると、本当に作りたかった作品では無かったでしょう。才能があり作曲技術にも精通した現代作曲家の人達にとって、「感動的に盛り上げて、お涙頂戴にする曲」にする方策というのは使い古された手法として有って、そういう焼き直しみたいなのは、どうやら恥ずかしくて書けない様です。

高機能な頭で「評論」する事しか能のない音楽評論家とか、何か新しい事を提示しなければ存在意義を問われる様な強迫観念に苛まれている当代専門家達とは違い、あまり何も知らない私の様な音楽愛好者には、やはり素晴らしい曲に思えます。行き過ぎた現代曲は、その人達には面白いのかも知れませんが、はっきり言ってついて行けません。音程だって、限りなく微分音にしない限り有限です、リズムの種類も有限と言って良いでしょう、ハーモニーもまぁ有限個しか無いでしょうね。その中で、長年多くの人が「今まで誰も作った事の無い様な音楽」を目指すと、だんだんよく分からない曲ばかりできあがるのは自然に思えますが、、

マスコミやネットの記事でも、スキャンダルを追うばかりで、今まで佐村河内名義で新垣隆さんが作った楽曲の行方を、誰も心配していないのはどうしてでしょう?。

今すぐは無理でしょうが、著作権も放棄するらしいですし、「新垣隆、調性音楽作品集」と言う録音を企画してもらいたいです。多分思うのですが、本人は凄く嫌かも知れませんが、この「交響曲第一番 現代典礼(旧HIROSHIMA)」が新垣さんの代表作と言われる様になる気がします。シェーンベルグだって、多分一番聴かれている曲は、浄夜だったりグレの歌だったりしますからね。