2014年06月02日
_ [audio] SAE2400L、アンプのメンテ(2)
この所、時間があるときにはずっとやっていた、2400のメンテナンスですが、今晩やっと終わりました。
最初のレポートの通り、初めは電解コンデンサの交換、半固定抵抗の交換と調整で、私なんかの場合、普通これで終わりにするのですが、この2400は2台目という事もあり、もうちょっと徹底的にばらしてみました、
外国のアンプの場合、筐体の構造が結構ややこしい事が多いのですが、この2400Lはフロントパネルとそのバックパネルの固定方法ががややっこしいですね。何も考えずに前からネジを抜いてゆくと、間に入っているスペーサーが落ちてきます。不意に落ちてきた、小さなスペーサーを探すのが結構大変です。
アンプ部も同様で、ヒートシンクがまた手が込んでいると言うか、何枚ものパーツで出来ていますし、やはり何も考えないで、ネジを抜いてゆくと、下の基盤の間のスペーサーがやはりぽろぽろ落ちてきます。これもいちいち探すのが大変でした。
各部分の結線を紙に控えて、写真もとってから、外してゆきます。これは自身の備忘録なので、忘れると思うので書いておくと、アンプ部は、裏面のビスと、基盤からスペーサーが出ている所の底の2カ所のビスで主に止まっています。RCAピン、SPターミナルや裏の基盤のメンテをする場合でも、ビートシンクからバラス必要は有りませんし、終段TRを取り外す必要も有りません。終段TRが飛んでいない場合は、面倒なヒートシンクをばらす必要は無いみたいです。最初はそんな事分からないので、見える所から、とにかくばらしてゆきました。やっと終段TRが見えてそれも外して、ヒートシンクを取りました。結構複雑な構造になっています。
底の基盤を取り外して、まずRCAピンを交換、ケーブルも全て新しくしました。この個体はコネクタ部分の腐食が結構目立つので、入力からドライブ基盤へのコネクタも、先日大阪の日本橋のパーツ屋さんで同じ物を見つけたので、新しくしました。SPターミナルは、アース側が基盤から生えているターミナルに直接付いているという、これまた結構特殊な取り付けになっていまして、適当な物に交換、と言う訳にはいきません。幸い、手持ちにほぼ同じ形状だけど、ケーブルを通す穴が大きいSPターミナルが有ったので、これに交換しました。それとここだけ交換できていなかった、バイアス調整の半固定抵抗も交換します。ここのバイアス調整の部分だけは、持っている回路図とちょっと違っていまして、実機と抵抗値が違いました。また普通に取り付けると、向きが逆になるので、ちょっと足を引っ張って外を向かせました。あと、色々な所への結線も、圧着してある端子の腐食が気になりましたので、出来るだけ交換しました。私は圧着したままにせず、その後更に半田付けすることにしています。色々交換したので、時間がかかりました。
その後、ヒートシンクとTRのシリコンを綺麗にふき取ってから、新しいシリコンを付けつつヒートシンク部分を再構成。本当にこのヒートシンク部分は結構複雑になっていまして、ここだけでも結構な時間がかかりました。
この機種は、きちんと組み立ててしまうと、R側は出来ますが、L側のバイアス調整ができない配置になっています。仕方がないので、結線が届かない所は線で引っ張って、ばらしたままで配線しなおしてみました。何度も結線を確認した後、緊張しながら電源ON。とりあえずは普通に通電しましたが、いくら待ってもSPリレーが入りません(すごく、焦りました)。
色々確認しても間違いは無いようです。その後、リレー前までの信号を見てみると、アンプは正常に作動しているようです(これで、少し安心)。原因はプロテクト回路です。この基盤にはTRが4個ほどのっていますし、これが原因かもと思っていました。しかし、はずす前までは正常に作動していたはずなので、もう少し見てみますと、電源は来ているのですが、基盤にもつながっているアース側が電源側と通電有りません。RCAピンをシャシー絶縁タイプに変えたのが原因のようです。基盤のアース側にアース線を増設すると問題なくリレーが入る様になりました(良かったぁ)。
日を変えて、30分ほど通電の後、バイアス調整をやってみました。歪率を見ながら調整するのですが、実際あまり変わりません。部品を色々交換したせいか、もともと歪率もかなり低くなっているのでそれほど厳密にはやりませんでした(元の抵抗値ぐらい)。
アイドルのLEDが付かなかった点灯しなかった不都合は、ルーペでよく見ると半田クラックが有りましたので、再半田しますと直りました。
筐体の組み立ては結構大変です。特にフロントパネルです。後、なんといってもネジが多いです。やっと組み立てて、出来上がり。改めて測定しても、歪率もかなり低いですし、よく出来たのではないかと思います。