2017年05月07日
_ [audio] 交流電源、東京精電 CVFT1-D500のファン交換
連休も最終日。本日は特に予定も無かったので、幾つか、予定していた電気機器のメンテナンスしてみる事にしました。
まず午前中に、暫く前にオークションで買った、5Aの交流電源CVFT1-D500のメンテナンス。メンテと言っても、こちらの機種の方は比較的新しい物で、今急いでやらねばならない様な事は無いのだけど、背面に2個有るファンがやはり少々五月蠅いので、その交換を考えてファンの規格を見てみた所、なんとまぁ、どちらも丁度手元にある物だったので、いきなりすぐ実行する事になった次第です。
この機種、入力電源も出力も、こういう機器には良くある単なるハモニカターミナルに成っているので、まずY型端子に加工した入力の電源ケーブルを作らないといけません(動作確認は非常に簡易なケーブルで済ませた)。1から作っても良いのだけど、手元に既存の電源ケーブルが山の様にあるので、その中から容量が大きめの12Aの物を選び、機器側のプラグを切ってYラグ端子に加工。簡単な作業だけど、30分ほどかかりました。
その後筐体を開けてファンの交換です。途中一箇所、筐体のネジが外れずネジ山が潰れてしまったので、電動ドリルを取り出し、ネジの頭を飛ばして取り外し。ファンの交換は、取り付けのネジが結構外しずらく、結局裏パネルのネジまで取り外して、パネルをずらしながら作業しました。
ドライバが入りずらくて少し手間取ったけど、何とかファンの交換は完了。電源の接続は、大きい方のファンはコネクタではなくて元々半田付けしてあったので、外して元の通りに、小さい方はケーブル途中を切って半田で繋いで処理しました。
なんやかんやで、こんな作業も1時間半かかりました。こんな簡単な事でこう時間がかかっていては、、この様な事を仕事にはできないですね。
新品に交換しても、ファンの音は結構うるさいです。この機器をオーディオ用のクリーン電源として使うなら、ファンコントロールでもつける必要が有るでしょうが、今の所その予定もないので、とりあえずこのままです。
_ [audio] プリアンプ、AGI 511のメンテ
このAGIも、暫く前にオークションで買った物です。AGIは数年前にも一度落札したことがあったけど、それは完動品で有った事もあり、そのまま仕舞い込んでしまいました。今回、何だか安かったので、終了前に試しに入札してみたら、何とそのまま落札してしまったのでした。
「電源が入る事だけ確認」と言う品だったけど、届いた物を確認すると、Rchから出力が有りません。この機種に良くある、RCAピンの接触不良かとも思ったけど、どうやら違うみたいです。前の所有者も筐体を開けてみたらしく、筐体のネジが1個有りません。安かっただけに、結局ジャンク品だった模様です。
そこでいきなり修理できるほどの知識はないので、そのまま暫く置いてあったのだけど、他の方のオペアンプを交換したブログを読んで、恐らくオペアンプが原因では無いかと思い立ち、午後からは、AGIのメンテに取りかかってみました。
AGIで使用しているオペアンプは、LF357N と言う物です。基盤を見たところソケットなど使われていないので、直に半田付けされているのかと思っていたのだけど、どうやらそのまま交換できるらしいので、試しに引っ張ってみたら簡単に抜けました。左右のオペアンプを交換すると、今度はLchから音が出なくなったので、オペアンプが原因と特定できました。(オペアンプ交換だけで済んで、良かった)
ちなみに、元々のLF357Nは探してみたけれど、今は売っている所はあまりなさそうです。汎用のシングルのオペアンプに交換可能みたいなので、昔買って所有している物の中から、左右共に、とりあえずOPA277というオペアンプに交換しました。これで一応音も出ているし、修理は完了です。良く憶えていないけど、このOPA277は、多分、昔初めてオペアンプなる物を知った時、「高精密」という謳い文句に惹かれて試しにRSで買ってみた物かと思います。でも後で、オーディオ用として評価の高い物も試してみたいです。
ついでに、電源のレイアウトを変更する事にしました。このAGI、フロントパネルに Power と言うスイッチが有るけど、プリアンプ自体にはSWは無く、コンセントを差した時点で通電しています。SWが無いプリアンプは結構有るけれど、「Power」と書いている立派なノブが有るのにこれでは、非常に紛らわしいです。充分判っているつもりでも、ついつい電源ONのショックノイズをSPから出す事があるかもしれません。それでは困るので、今回設計者の意図を無視して、Power ON でプリアンプ電源が入る様に配線を変更しました。
ひとまず今回はこれで完了で、試聴。手元にあったオペアンプOPA277は、あまりオーディオ用に使う機種では無いかも知れませんが、聴いていますとなかなか良いのでは無いかと思えてきました。AGIはRCAピンの交換は必須ですが、それには部品も手間も必要なのでとりあえずは後回しです。それより問題はボリュームです。
この個体、片チャンネルから音が出なかったものの、状態は比較的良くて、基盤も綺麗だし、VRにも入力切替SWにも、接触不良が全く有りません。それはとても良かったのだけど、測定器で歪み率などを測定してみると、Rchに比べてLchの出力が明らかに少ないのです。数%位の差は良くあるものだけど、もっと違っていて無視出来る範囲を幾らか超えています。AGIのバランスつまみを、左に20度ほど回して丁度良いくらい。増幅系が原因なら、私には対処できませんが、試しに入力信号を小さくして、メインVRを右に回しきると、ほぼ同じ出力になりましたので、この2連VRのLRバランスが原因のようです。折角ガリもない状態の良いVRなのに残念です。
夜になって、パーツを検索。まず、シングルのオペアンプですが、やはり評判が良いのは OPA627BPなので、RSで検索。何と、OPA637BP(よりハイスピードらしい)と言うのも有るみたいなのでこちらも一緒に、高いけど両方2個づつ注文しました。こういう超有名パーツは下手に安いのを買うと偽物の可能性も有るらしいのですが、RSなら安心でしょう(、、だと思う)。
オーディオ用50k2連VRは、本当に交換すべきかどうか悩ましい所。どうせ交換するなら高品質な物にしたいですが、良い物は数万円していて、安く落札した本体よりも高い。AliExpressで、良さそうな24ステップのデテント型アッテネーターを見つけたのだけど、中国製は信頼性の問題があるし、でやはり思案中。
追記1: この様な機器を看る場合、まずは回路図を手に入れる様にしています。知識がないので、どちらにしろ大した修理も出来ませんし、回路図が有ったからと言ってそれほど出来る事は変わりませんが、逆にだからこそ手に入れられる資料や情報は揃えておきたいと思っています。以前、修理を頼んだプロの方と色々話をしてきて、私もそうするようになりました。プロの方も、プロだからこそキチンと資料は揃えるそうです。
AGI511の回路図も最初見つかりませんでしたが、丁寧に探すと見つかりました。それを見て、少しびっくり。この511って、ライン入力からバランス・VRと通って、すぐオペアンプに入り、そのまますぐ出力です。ライン信号の能動部品は、実にオペアンプだけなのです。発売当時も評判良かったですし、現在でも概ね高評価なプリアンプですが、このシンプルさがかえって良いのかも、、です。何にしろ、回路図を見る限り、オペアンプがおよその音を決めていると言って良いのでは無いかと思います(それと、バイポーラの電解コンデンサが直列で入っていますので、そのコンデンサくらい、あとはVRか)。電源部分を除くと、基盤の2/3以上はフォノイコライザー回路ですね。以前、この機器をフォノイコとして使っていると言う人が居ましたが、正しい使い方かも知れません。
追記2: オペアンプが届いたので、OPA627BPに交換しました。発振などしていない事を確認してから、元の木箱に戻して試聴。やっぱり、こっちの方が良いみたいです。バランスのVRを通しても、歪率の変化は殆ど無いようですから、せっかくガリが全くないVRなので、交換しないでそのまま使う事にしました。(その代わり、普通に使用する辺りで、およそ同じ出力になる様なバランスVRの位置にマークを付けました)