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xiphioの備忘録


2017年05月21日

_ [audio] UREI 6300 の超簡単静音化

私はプリアンプ&メインアンプは、季節によって3系統分けて使っています。夏に凄く熱くなるアンプを使いたくない、と言う事も有りますが、オークションで、興味があってかつ適価以下と思えるアンプ(時折、あやしい物もあるけど)を色々買ってしまっていて、それらをそれぞれ使ってみたいのも理由です。画像の説明

冬用の凄く熱くなるアンプ、春秋用のそこそこ発熱するタイプ、夏用のあまり熱くならない物、と分けています。例えば、居間では、冬がクレル・KSA200、春秋がSUMO ThePower、夏がSAE A1001です。2Fでは、冬がヤマハB1、春秋が日立9500、夏がやはりSAE Mark XXX1Bです。ちょっと広くなったワークベンチでもそうしようと考えていて、冬用はA370−2なのですが、あい用として、またThePower、そして夏用にはUREI 6300を考えています。

この6300はかなり昔に買ったアンプですが、落札後、出品者が有償で電解コンデンサの交換などのメンテしてくれるとのことで、自分でしても良かったのですが、出品者がこの手のアンプに慣れている良く見かける有名な方だったのでメンテナンスしてもらった物です。(後日、基板を見てみましたが、斜めになっているFGをみて、自分でやりゃ良かったかな、と少し思いました。)前面の空気取り込み口のスポンジは、私が補修しました。

クラウンのPS400の換わりに、仮設置したらそのまま元に戻せなくなってそのままになりました。プロ用と言えるUREIのアンプですが、昔のワークベンチ小屋の時からずっと使っています。その様にとても気に入って常用していたUREI6300ですが、欠点はファンの音がうるさい事です。最初は静音モードなのですが、熱くなりやすいのか、わりとすぐに爆音モードになります。

このアンプで使用のファンは、普通の四角い枠に入った物で無くて、以前ファン交換を諦めた事が記憶に残っています。でも、この機会にどうにかしたいと思い、先日再び開けてみました。元々付いているファンは特殊ですが、サイズを測ると、普通のファンに交換できなくもありません。画像の説明

しかしこのアンプ、良く良く考えてみると、エアフローに少々無理があるのでは無いかと思います。前面から空気を取り入れて、背面近くのファンで、半分から下の基盤やトランスが入ったエリアに吹き込むのですが、吹き込んだ先の出口は、前面の前パネルとヒートシンクの結構狭い隙間です。ここから上部に上がりヒートシンク羽の間を通って背面に抜ける、、と言う設計の様です。要するに、上部前中央から入って後部で下部半分エリアに入り、その下部の左右前面から上部に行って背面に抜けると言う、合計一往復半もする事になります。結構隙間が狭い箇所も有るのに、この長いエアフローを1個のファンでやろうとしているので、かなり風量が強くないと計画通り上手く空気は流れないですよね。これではファンがすぐ全開モードになってしまうのも、当然かもしれません。

既存のファンを取り外したりとか、ファン交換の準備をしながら上記のような事を考えて居た所、ふと、基板やトランスそして配線の類いは全て下部にあるので、「もうこのままカバー無しの、ヒートシンクむき出しの状態で使用していいんじゃ無い?」と思うに至りました。そこで一旦取り外したファンを元に戻し、上部カバーを外した状態で暫く作動させましたが、ファンはずっと静音モードのままで音も全く気になりません。ヒートシンクむきだしのアンプなんて、コンシューマ用では既に当たり前ですし、配線類は全て内部ですので、そのまま使用しても全く問題無いと思われます。すごく簡単に事は解決しました。

ただ見ていると、空気吸い込み口辺りの頭が少し気になります。そこで、この真ん中だけの、カバーを作る事にしました。板金工作はあまり得意では無いのですが、アルミか鉄でL型のカバーを作るだけなので、まぁ簡単だと、、

考えた末1mm位のアルミで作る事にしてDIY店に行きましたが、無かったので1.5mm厚のアルミにしました。アルミなら、1.5mmでもカッターで切れるらしいので、長辺はカッターで、短辺はディスクグラインダーで切断しました。厚めなので、普通なら折り曲げに苦労する所ですが、以前買った「板金折り曲げ機」が役にたちました。ねじ穴が5つ必要ですが、やはり板金工作に慣れてないせいか、元々不器用なのか、ねじ穴が一度では上手く合いません。丸やすりでそれぞれ補正しました。画像の説明

やっと出来たので、本日塗装作業に取りかかりました。私は、塗装自体やった事が無かったのですが、色々調べて、ディスクグラインダーで400番で磨いて、更に手で600番の紙やすりで磨いてから洗浄。その後、まずプライマーを吹き付けました。こういうスプレー塗装を上手くやる一番の注意点は、「スプレーをかけすぎないで薄く何度か重ねる」と、何処でも書いて有ります。それを改めて肝に銘じてプライマーを吹き、一時間してからつや消しブラックのスプレーを薄く何度も塗り始めました。

ところが、結構上手くいっている、と思っていた最後の方、スプレーから大きな粒がボトボトと何個か吹きかかり、そこが思いっきり塗装の粒になってしまいました。塗装面は広くないので小さなスプレー缶を買って来たのですが、割とすぐ減ってしまい、残量が減った最後は霧状にならず、大きな粒が飛んでしまうみたいです。そんな事、何処にも注意してなかった様な、、。こういうのは、やっぱり実際に何度かやってみないとダメですね、教訓、「スプレー缶は大きめのを買いましょう」。

つぶ状の塗装むらが出来てしまったものの、一応キチンと黒に塗装できました。このカバーを付けると、見栄えがだいぶ良くなりました。ずっと使用していても、ファンは静音モードのままで音は全く気にならなくなり、非常に快適です。部品の交換などの特別な対処は全く必要ないのです、家庭で使用するのなら、UREI6300はすべからく上カバーを外して使用すべき、と言えます。

追記: 残念ながら前言撤回です。長時間通電していましたら、またファンが全開モードになりました。全体を覆うカバーが無いので、ファンが全開で回ってもそれによるヒートシンク冷却効果はあまりありません。しかし放熱フィンが外に出ているので、これ以上はあまり熱くならないと思われます。従ってファンを常に静音モードで作動させても大丈夫なのでは、とも思います(あくまで予想ですが)。その他対策を考えるなら、カバーをもう前だけにしてファンはむき出しにするとか(つまり、前からの見栄えだけ整える)、そしてファンを交換し風の向きを吐き出し方向に変える、とか、もうこのファンが付いている板自体を取り払ってしまって(簡単に取れるのです)ケースファンにする、とかです。一番良いのは、左右のヒートシンクの上に大きめの静音ファンを追加する事ですが、A級アンプでなく実際それほど熱くならないので、そこまで必要かは考え物です。