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xiphioの備忘録


2017年05月28日

_ [audio] オーディオ機器電源の波形観測

このところ、新しい部屋の片付けにやっと目通しがつき、遅々とはしているのですが、以前買ったものの使う機会が無く、お蔵入りだった機器の設置&環境設定が進んでいる事も有り、オーディオ系の日記が多いですね。

昨晩から、昔買ってそのまま長い間棚に置いてあったままの、WONのハンディデジタルオシロスコープ PDS5022を使って、電源の波形を見てみました。このオシロ、買った時から殆ど使っていません。ハンディタイプなので、使うとしたらこういう用途が良いかなと、思っていました。

雑誌によると、最近なんだか電源コンディショナー系の新製品が出ていて、それがまたえらく評価が高いので、電源を少し見てみる気になった訳です。以前、測定器の電源をアイソレートする必要性から、トランスに目を向け始め、それから200Vからのダウントランスとか、ノイズカットトランスとかを結構集めてしまいました。回りは結構トランスだらけです。

一時期、オーディオ機器の電源の「極性を合わせる」とか言う事が推奨され、やろうとしたけど結局面倒なので、アイソレーショントランスで浮かしてしまえば気にしなくていいんじゃ無いかと勝手に理解し(とても怪しいですが)、1.5kw以上の大きなトランスをあちらこちに置いています。それでも、トランスって、それほど気にならないものの唸りはするし、実はあまり効果の程は感じていませんでした。

入力100Vはちょっと大きいのですが、プローブで1/10に出来るので、それを利用して測定。その前に、ショートしてしまうと困るので、ハンディオシロの電源をアイソレーショントランス経由にしておきます(これは大事)。

まず、手近なコンセントからの100Vを見ましたが、とても綺麗な正弦波です。その次に、電気やさんにわざわざ200Vコンセントを設置してもらって、そこからノイズカットトランスで100Vに落としてあるオーディオ用タップを見てみると、、ちょっと歪があります。普通のタップのがとても綺麗で、オーディオ用に用意したのがこれでは困ります。どうりで、今まで効果を感じなかった筈です。うちは地方の農村地区だし、それにここは別棟と言う事も有るのでしょうか、元の電源自体がとてもクリーンだった訳なのですね。雑誌記事の様な劇的な効果があるのならば、元のが相当質の悪い電源だったのでしょう。

200Vから100Vにした方も、使用しているコンセントを全部抜いてしまうと、波形は綺麗になるので、どれかの機材が悪さをしている模様です。調べてみた結果、一番影響が有ったのがDAコンバータのRosetta200、次がUSB・DDコンバータやパソコン関係のDCアダプタが集まっている電源線です。よく言われている事ですが、やはりスイッチング電源は良くないです。手元のを見る限りでは、他の電源にもノイズをまき散らす様です。ノイズを軽減するために、ノイズカットとかのアイソレーショントランスを通しているのですが、その後の一緒のタップの機器が原因では全く意味ありません。これを機会に、DAコンバータはパイオニアのU−05に交換し、パソコン関連のスイッチング電源の機器は100Vからの電源ラインに変えました。(だからといって、私の耳には音が見違えて良くなったとは思えない所が情けないですが)

興味深いのは、悪さをするスイッチング電源の機器も、トランスを通していない100Vの壁コンセントからの場合は同じタップにもそれほど大きく影響を与えない、と言う事でした。トランスでアイソレーションした後のエリアでは、結構影響有ったのですが、、。

何にしろ電源ラインの状態に関しては、オシロで波形を見れば一目瞭然なので、あれこれ良く分からない機器を信仰する必要が無いので楽です。ただしこれは静的な特性で、動的特性については分かりませんが、後は充分な容量があればそれで良いかとも思いますが、どうなんでしょうか。でも電源の波形をオシロで見るくらい事、面倒がらずもっと早く実行していれば、大きなノイズカットトランスを何個も買わなかったかも知れません。