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xiphioの備忘録


2019年02月23日

_ [audio] SAE2400L やっと直りました、、

昨年暮れにLchから音が出なくなったSAE2400Lですが、その時はファンが止まってしまった影響かと思いましたが、元に戻して1ヶ月もしないうちにまた音が出なくなりました。

また開けて確認したところ、やはりリレー関連ではない模様、LとRの入力&ドライバ基盤を入れ替えると、今度はRchから音が出なくなる事から、原因はこの入力ドライバ基盤にある事がはっきりしました。

始めて届いた時もこの基盤が不調の原因で、その折は足が真っ黒になっていたコンプリの複合TRを交換したら直りました。その時に買ったTRの残りがまだ有りましたので、再び新しい物に交換してみましたが、今度はここのTRが原因ではないようです。画像の説明

L側の基盤は隣にトランスがあってアクセスしづらいですが、R側は蓋さえ外せば通電中でも簡単に電圧等が測れて、とてもメンテナンスしやすいです。それで、今回はL側の故障なのですが、交換してR側に持ってきて、この状態で色々チェックする事にしました。

この様に割とやりやすい状況ですので、修理とか少しやる気になったわけですが、そうでなければ手持ちのTRを交換して駄目だった時点で、次の修理の簡単な方策が思いつかないので、諦めていたと思います。(無理にこの2400を使わなくても、使おうと思いながらもお蔵入りになっているアンプはまだ有るので)

やはり半導体が怪しいかなと、ダイオードとか外してチェックしてみましたが問題ないようです。おまけに今回は症状が面倒で、時折正常に戻ったりします。一度、数日間正常だったので、そろそろ元に戻そうと蓋をしてねじを止めた時点で、音が出なくなりました。

動作が正常な状態では、測定等では修理箇所も特定出来ないのですが、こんな様な状況は、概ね半田クラックとかの接触不良が一番疑われるので、ルーペで基板を丹念に見直してみましたが、半田はどれも綺麗に出来ているようでした。そのほか、各パーツを軽く叩いてみたり、またゆすってきたりしましたが、変化は確認出来ませんでした。

一応、とても見づらいですが回路図はあるので、解らないながらも実際の基板と併せて見ていました。そこで、基板の表と裏と写真を撮って、画像処理のソフトで、パターンが出ている裏の方の画像を左右反転させて、調節しながら表の画像と重ねると、すごくわかりやすい画像が出来る事に気がつきました。これをやっておくと、基板を透かしたり、表裏を確認したりしなくてもOKですね。

そんな事をしていている内に、また出力しなくなりましたので、今度は通電しながら各部チェックです。51Vのツェナーダイオードの両端を計ると、30Vしか有りません。このダイオードが原因かもしれませんので、とりあえずRSで51Vのツェナーダイオードを注文、また他のTR、MPS-A56 MPS-A06も、探したら売っているところを見つけましたので、とりあえず注文しておきました。私の様な素人は、怪しい物からどんどん交換するしかありません。画像の説明

パーツが届く間に、SAE2400の回路図に付随していた調整説明をもう一度読み直した所、「62ΩのFuseable Resister」と言う記述に気がつきました(今まで気がつかなかった)。これって所謂ヒューズ抵抗の事ですよね、HMA9500の不調の第一原因として有名で、私はそのアンプの修理でそういう抵抗が有る事を知ったぐらいです。

以前、SAE2500が届いて初めて通電した時、丁度ここらあたりのの同じ様な62Ω抵抗から煙が出て焼けた事を思い出しました。もしかしたら、この焼けた抵抗もヒューズ抵抗だったのかも知れません。私は、それをワット数を無視して大きな抵抗に交換したのですが、とても間抜けな修理だった気がします。(ちなみに、62Ωのヒューズ抵抗は何処にも見つからなかったのですが、62Ω自体手元には無い抵抗値なので、念のため直ぐ1/2Wと1/4Wの注文しておきました。)

記述では、この抵抗の両端の電圧を1.6Vに調整するように指定が有りますが、次に時間が取れたときに測定してみますと、ほぼ0Vで電圧が出ていませんでした。早速該当の2つの62Ωの抵抗を外してチェックしましたが、両方とも正常でした。

51Vのツェナーダイオードも届いたので、こちらも交換してみましたが、症状は変わらずでした。ダイオードも正常な様です。それで、なぜここに電圧が出ていないか、回路図と先に用意した基板の合成画像を見比べながら、電源の元に方から調べてゆきますと、その直前の抵抗が過ぎるまでは来ているのに、そこから直結されている62Ωの抵抗の所に電圧が来ていません。部品が原因では無く、どうやらプリント基板のパターンに導通が無いみたいです。

そこでその箇所をよくよく見てみますと、パターンが少し膨らんでいて穴が開いているようにも見えますが、ちょっと目にはパターンが完全に切れている様には見えません、でも実際導通をみると明らかに切れている様でした。この上下を別な線で繋ぐと、見事に正常動作に戻りました。これで、やっと原因特定出来ました!

パターンを補修する為に、この部分の基板のコートをルーターで軽く落としますと、穴の様な部分の少し上の方、薄く二縦線みたいなのが見えている所が、見事に切れていました。これは普通に見てチェックしても、まず判らないですね。この部分に、銅の半田吸取線を這わせて半田付けしました。

症状が出たり出なかったりして、とても時間がかかりました。また、こうやって修理のまねごとをしていて、余計に壊してしまう事も過去に何回かやらかしていますので、今回は一応ですが、ちゃんと直って本当に良かったです。